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第7話 黒の女神は緩い
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全国の皆さん、特に男性の方、至急対処法を教えてください
夜が進み、家の中はしんと静まり返っていた。澪の穏やかな寝息が、小さなリズムを刻んでおれの耳に広がっている。なぜ、耳に広がるのか?
おれは今、澪と添い寝しているからだ、しかも、普通の添い寝と違いおれの体は澪によって、抱き枕として使われているのだ
そんな、桜島高校の男子生徒は絶対に1回は妄想したことがあるシチュエーション
正直言って、おれも、妄想したことがある、男の1人なんだが
まさかこんなにキツイとは――
「蒼君、んう、だめでしゅよ」
可愛い
もし、おれの体力がチート級にあればずっとこのままでいたい、だって、こんなに可愛い寝言を耳元で聞けるんだぞ
これを有料のASMRとして販売したら確定で100万は稼げそうなぐらい、綺麗な声、ずっと聞きたい
でも、それは無理、人間誰しも、体力切れは起こる
おれは、流石に限界が近づき、澪の腕を振り解こうとしたが
「逃げちゃ、だめでしゅ」
諦めるか
……にしても
「まさか、澪が泊まりたいなんて言うとは…」
昔から幼馴染で、家族同然の関係とはいえ、年頃になってから一緒に寝るなんて初めてだった。隣にいるのが澪だと意識するたび、心臓の鼓動が早まるのが自分でも分かる。
肩に掛けられた彼女の腕は細くて華奢で、そのぬくもりがじんわりと伝わってくる。さらに、彼女の足までが俺の脚に絡んでくるように寄り添っていて、ささやかな息遣いが俺の首元にかかって、そのたびにぞくりとする。
「澪…」
つぶやいても、返事なんてない。ただ無防備に、俺の胸元でスヤスヤと眠っているだけだ。普段の凛とした姿からは考えられないほど、子供のように安らかな表情を浮かべている。無意識に俺に頼る彼女の姿に、妙な愛しさが込み上げてきた。
学校では、女子にしか笑顔を見せない澪が、こんなふうに俺を頼ってくれている。
心の中で、自分にだけ見せてくれるこの姿正直少し誇らしい。
皆に自慢した、でも、自慢したら、きっとこの関係は消え失せるだろう
「んぅ…」
ふと、彼女が身じろぎをすると、さらに俺に密着してくる。彼女の髪の香りがふわりと漂ってきて、その甘い香りに胸が高鳴るのを止められなかった。こうして彼女が自分に甘えていることが、どれほど愛おしいのかを改めて感じてしまう。
「ずっとこうしていたい…」
そんなことを思った自分に驚きつつも、彼女の頭をそっと撫でた。今夜だけは、こうして彼女を抱きしめたまま、眠りについてもいいのだろうかと心の中で問いかける。
澪の温かさと柔らかさが、静かな夜の中で心地よく包んでくれる。そのぬくもりに身をゆだねながら、俺も目を閉じた。
◆◆◆
ジリリリリリ
「っと」
おれは体を起こそうとした
しかし、胸のあたりに重みを感じた
……あーそうだった
半ば強制的に抱き枕として、おれと澪は添い寝したんだった
「流石黒の女神、綺麗な黒髪だなぁ」
おれは、髪の知識がたいしてあるわけでは無いが、そんな男でもこれは綺麗だってわかるほど、艶があり、癖1つ無い
やっぱり、リンスとか、お金掛けてるのかな?
まぁ、確定でおれが風呂場に置いてあるシャンプーやリンス、ボディーソープと澪の風呂場に置いてあるシャンプー、リンス、ボディーソープの平均値段は天と地の差があるだろうな
「あおくぅん?」
呂律回って無くね?
まぁ、可愛いから目の保養になるんだけど
「おはよう、澪」
おれは微笑みながら、澪の綺麗な髪を撫でながら言った
「おはようごじゃいます、あおくん」
澪は、おれの胸に頬を当てながら言ってきた
写真撮りてぇ―
いや、仕方無くない?こんなにも癒やされる仕草、そりゃあ撮りたくなるでしょ
おれはスマホを手に取り、写真を撮ろうとした
動くなよ―
スマホの電源をつけ、カメラアプリを開こうとした
しかし、おれの目に真っ先に写ったのは、澪の可愛い仕草の写真では無く――時間だった
「って、澪、起きるぞ」
「まだ、よゆうありましゅよー」
「澪はあるかもしれないけど、おれは朝練があるんだ」
「ふぇ……あああ、急いで朝ご飯作ります!」
「冷蔵庫にいろんなパンがあるから適当に出してて、後、プロテイン」
「はい!」
おれは、爆速で練習着に着替え、制服と、部活のときの服、部活終わりの着替えのための服をぶち込んだ
「蒼君、朝ご飯できました!」
「ナイス」
眼の前に広がるのは、チョコチップが入ったパンと、プロテイン
「澪は弁当ある?」
「今日はもう作る時間無いですから学食ですかね」
「じゃあ、はい」
「私でも、学食台は払えます」
「いや、まぁ、焦らせたのはおれが悪いから、そのお詫びみたいな」
「……わかりました」
後は……
「って、蒼君、時間時間!」
「じゃあ、行ってきます」
「ま、待ってください」
「何」
正直言って、結構焦っている
これで電車に間に合わなかったら終わりなんだが
そんなことを思っていたら
「よし、これで大丈夫です」
澪は、おれの服についていたほこりを取ってくれたのだった
「じゃあ、行ってきます」
「行ってらっしゃい」
おれは勢いよく玄関を開け、少し、速歩きで駅に向かった。
少し歩き、ふと思ったので家の方を見ると、澪がまだ、外に立っており、元気に手を振っていました
おれも手を振り返し、やる気に満ち溢れた状態で、朝練に挑んだ
夜が進み、家の中はしんと静まり返っていた。澪の穏やかな寝息が、小さなリズムを刻んでおれの耳に広がっている。なぜ、耳に広がるのか?
おれは今、澪と添い寝しているからだ、しかも、普通の添い寝と違いおれの体は澪によって、抱き枕として使われているのだ
そんな、桜島高校の男子生徒は絶対に1回は妄想したことがあるシチュエーション
正直言って、おれも、妄想したことがある、男の1人なんだが
まさかこんなにキツイとは――
「蒼君、んう、だめでしゅよ」
可愛い
もし、おれの体力がチート級にあればずっとこのままでいたい、だって、こんなに可愛い寝言を耳元で聞けるんだぞ
これを有料のASMRとして販売したら確定で100万は稼げそうなぐらい、綺麗な声、ずっと聞きたい
でも、それは無理、人間誰しも、体力切れは起こる
おれは、流石に限界が近づき、澪の腕を振り解こうとしたが
「逃げちゃ、だめでしゅ」
諦めるか
……にしても
「まさか、澪が泊まりたいなんて言うとは…」
昔から幼馴染で、家族同然の関係とはいえ、年頃になってから一緒に寝るなんて初めてだった。隣にいるのが澪だと意識するたび、心臓の鼓動が早まるのが自分でも分かる。
肩に掛けられた彼女の腕は細くて華奢で、そのぬくもりがじんわりと伝わってくる。さらに、彼女の足までが俺の脚に絡んでくるように寄り添っていて、ささやかな息遣いが俺の首元にかかって、そのたびにぞくりとする。
「澪…」
つぶやいても、返事なんてない。ただ無防備に、俺の胸元でスヤスヤと眠っているだけだ。普段の凛とした姿からは考えられないほど、子供のように安らかな表情を浮かべている。無意識に俺に頼る彼女の姿に、妙な愛しさが込み上げてきた。
学校では、女子にしか笑顔を見せない澪が、こんなふうに俺を頼ってくれている。
心の中で、自分にだけ見せてくれるこの姿正直少し誇らしい。
皆に自慢した、でも、自慢したら、きっとこの関係は消え失せるだろう
「んぅ…」
ふと、彼女が身じろぎをすると、さらに俺に密着してくる。彼女の髪の香りがふわりと漂ってきて、その甘い香りに胸が高鳴るのを止められなかった。こうして彼女が自分に甘えていることが、どれほど愛おしいのかを改めて感じてしまう。
「ずっとこうしていたい…」
そんなことを思った自分に驚きつつも、彼女の頭をそっと撫でた。今夜だけは、こうして彼女を抱きしめたまま、眠りについてもいいのだろうかと心の中で問いかける。
澪の温かさと柔らかさが、静かな夜の中で心地よく包んでくれる。そのぬくもりに身をゆだねながら、俺も目を閉じた。
◆◆◆
ジリリリリリ
「っと」
おれは体を起こそうとした
しかし、胸のあたりに重みを感じた
……あーそうだった
半ば強制的に抱き枕として、おれと澪は添い寝したんだった
「流石黒の女神、綺麗な黒髪だなぁ」
おれは、髪の知識がたいしてあるわけでは無いが、そんな男でもこれは綺麗だってわかるほど、艶があり、癖1つ無い
やっぱり、リンスとか、お金掛けてるのかな?
まぁ、確定でおれが風呂場に置いてあるシャンプーやリンス、ボディーソープと澪の風呂場に置いてあるシャンプー、リンス、ボディーソープの平均値段は天と地の差があるだろうな
「あおくぅん?」
呂律回って無くね?
まぁ、可愛いから目の保養になるんだけど
「おはよう、澪」
おれは微笑みながら、澪の綺麗な髪を撫でながら言った
「おはようごじゃいます、あおくん」
澪は、おれの胸に頬を当てながら言ってきた
写真撮りてぇ―
いや、仕方無くない?こんなにも癒やされる仕草、そりゃあ撮りたくなるでしょ
おれはスマホを手に取り、写真を撮ろうとした
動くなよ―
スマホの電源をつけ、カメラアプリを開こうとした
しかし、おれの目に真っ先に写ったのは、澪の可愛い仕草の写真では無く――時間だった
「って、澪、起きるぞ」
「まだ、よゆうありましゅよー」
「澪はあるかもしれないけど、おれは朝練があるんだ」
「ふぇ……あああ、急いで朝ご飯作ります!」
「冷蔵庫にいろんなパンがあるから適当に出してて、後、プロテイン」
「はい!」
おれは、爆速で練習着に着替え、制服と、部活のときの服、部活終わりの着替えのための服をぶち込んだ
「蒼君、朝ご飯できました!」
「ナイス」
眼の前に広がるのは、チョコチップが入ったパンと、プロテイン
「澪は弁当ある?」
「今日はもう作る時間無いですから学食ですかね」
「じゃあ、はい」
「私でも、学食台は払えます」
「いや、まぁ、焦らせたのはおれが悪いから、そのお詫びみたいな」
「……わかりました」
後は……
「って、蒼君、時間時間!」
「じゃあ、行ってきます」
「ま、待ってください」
「何」
正直言って、結構焦っている
これで電車に間に合わなかったら終わりなんだが
そんなことを思っていたら
「よし、これで大丈夫です」
澪は、おれの服についていたほこりを取ってくれたのだった
「じゃあ、行ってきます」
「行ってらっしゃい」
おれは勢いよく玄関を開け、少し、速歩きで駅に向かった。
少し歩き、ふと思ったので家の方を見ると、澪がまだ、外に立っており、元気に手を振っていました
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