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9章:同棲生活スタート
39話
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「うん。そうなるといいなって私も思ってる」
私から蒼空の近況を聞き、愁は心から安心したみたいだ。愁を安心させることができてよかった。
「最初はあの男のことが気に入らなかったけど、そうやって前を向いてるって知って安心した。あともう自分の彼女に気がないことも知ってな」
あれからずっと話題に出すことはなかったが、愁なりに気にかけてくれていたみたいだ。
蒼空にはもう小林さんがいる。小林さんにも蒼空がいる。二人が手を取り一緒に歩いている未来を期待した。
「蒼空は私のことが心配だったんだと思う。あの頃の私は愁と色々あったからボロボロで。気持ちの整理がつかないまま合コンに参加してたから、私浮いてて。そんな私を助けてくれたのが蒼空だったの。
蒼空のこと…好きになれたらよかったのにって何回も思ったけど、やっぱり愁が好きだった。あのまま愁のことを忘れて蒼空と付き合っていた方が後悔してたと思うし、蒼空も私じゃなくて小林さんと出会えたことに意味があると思う。
でも私と蒼空が出会ったことにも意味があるよ。愁の大切を改めて思い知ることができたし、蒼空と小林さんっていう新しい友達もできたし。それに新しいバイト先を紹介してもらえたことにも感謝してる。あの時、蒼空に出会えてよかったと思ってる」
全ての出会いに意味がある。私と蒼空が出会ったことにも意味があって。ただ私と蒼空には恋愛の縁がなかっただけだ。
私の運命の糸は愁へと繋がっていた。今ならそう確信することができる。
「なるほどな。あの男に出会えたからこそ、俺と幸奈がこうして付き合うことができたってことかもしれないな」
そうかもしれない。蒼空がいたから、自分の本当の気持ちに気づけた。
蒼空が背中を押してくれた。蒼空はそんなつもりなかったと思うけど、結果的にそうなった。
人は誰も傷つけないで生きていくことなんてできない。誰かが傷ついた上で幸せが成り立っている。
私達だって傷つけた人がいる。その人達も今では幸せを手に入れている。
誰かを傷つけることが悪いことじゃない。恋愛は人の気持ちがあってこそ成り立つものなので、自分の気持ちを優先することが大事だ。
だからこそ、結果的に誰かを傷つけてしまうことになったとしても、それは仕方がないことで。人の気持ちは誰にも決められない。自分自身でしか答えを出せない。
意図的に誰かを傷つけることは良くないが、人を傷つけること自体が悪いことではないと、恋愛で学んだ。
「うん。そうかもしれないね。だから蒼空にも小林さんにも幸せになってほしいって私は願ってる」
最終的に決めるのは二人なので、私は黙って見守っているだけだ。
どんな結果であれ、二人が決めたことなら応援する。もちろん一番は二人が恋人になることだが。
「そうだな。その時は二人で祝福しよう」
そのうち二人が肩を並べて歩く日が近いもしれない。そんな気がした。
「うん。そうだね。一緒に祝福しよう」
幸せが色んなところで散りばめられている。周りが幸せになっていくことが本当に嬉しい。
これから先も愁と共に二人で幸せを紡いでいけるように、二人で一緒に頑張っていこうと思う。
「なぁ、今から何する?」
今日の私の気分はもう決まっていた。
「一日中ダラダラしながら、サブスクで映画やドラマが見たい」
「お!いいね!そうしよう!」
同棲を始めてみて分かったことがある。
こんなふうにただ好きな人と一緒にダラダラ過ごすことが至福の時だと…。
「実は前々から見たいのがあって。数日前から配信されたの」
「そうなんだ。ちなみに何て作品?」
これからもこんなふうに一緒に時を重ねていきたい。
まだ同棲を始めたばかりだが、そんなことを思った。
「えっとね、タイトルはね…」
見たかった作品を二人で一気見してしまった。
休日はあっという間に過ぎていき、またバイトの日々が始まる。
今までは一緒に過ごす時間が終わりそうになる度に寂しい気持ちに苛まれたが、今は大丈夫だ。家に帰れば愛しい人がいるから。
一緒に帰る家がある。その幸せを知った今は、知らなかった頃の自分には戻れない。
これから先の未来が楽しみだ。どんな未来を二人で歩んでいくんだろうか。
数年後、私の左手の薬指に指輪があることを願った。
私から蒼空の近況を聞き、愁は心から安心したみたいだ。愁を安心させることができてよかった。
「最初はあの男のことが気に入らなかったけど、そうやって前を向いてるって知って安心した。あともう自分の彼女に気がないことも知ってな」
あれからずっと話題に出すことはなかったが、愁なりに気にかけてくれていたみたいだ。
蒼空にはもう小林さんがいる。小林さんにも蒼空がいる。二人が手を取り一緒に歩いている未来を期待した。
「蒼空は私のことが心配だったんだと思う。あの頃の私は愁と色々あったからボロボロで。気持ちの整理がつかないまま合コンに参加してたから、私浮いてて。そんな私を助けてくれたのが蒼空だったの。
蒼空のこと…好きになれたらよかったのにって何回も思ったけど、やっぱり愁が好きだった。あのまま愁のことを忘れて蒼空と付き合っていた方が後悔してたと思うし、蒼空も私じゃなくて小林さんと出会えたことに意味があると思う。
でも私と蒼空が出会ったことにも意味があるよ。愁の大切を改めて思い知ることができたし、蒼空と小林さんっていう新しい友達もできたし。それに新しいバイト先を紹介してもらえたことにも感謝してる。あの時、蒼空に出会えてよかったと思ってる」
全ての出会いに意味がある。私と蒼空が出会ったことにも意味があって。ただ私と蒼空には恋愛の縁がなかっただけだ。
私の運命の糸は愁へと繋がっていた。今ならそう確信することができる。
「なるほどな。あの男に出会えたからこそ、俺と幸奈がこうして付き合うことができたってことかもしれないな」
そうかもしれない。蒼空がいたから、自分の本当の気持ちに気づけた。
蒼空が背中を押してくれた。蒼空はそんなつもりなかったと思うけど、結果的にそうなった。
人は誰も傷つけないで生きていくことなんてできない。誰かが傷ついた上で幸せが成り立っている。
私達だって傷つけた人がいる。その人達も今では幸せを手に入れている。
誰かを傷つけることが悪いことじゃない。恋愛は人の気持ちがあってこそ成り立つものなので、自分の気持ちを優先することが大事だ。
だからこそ、結果的に誰かを傷つけてしまうことになったとしても、それは仕方がないことで。人の気持ちは誰にも決められない。自分自身でしか答えを出せない。
意図的に誰かを傷つけることは良くないが、人を傷つけること自体が悪いことではないと、恋愛で学んだ。
「うん。そうかもしれないね。だから蒼空にも小林さんにも幸せになってほしいって私は願ってる」
最終的に決めるのは二人なので、私は黙って見守っているだけだ。
どんな結果であれ、二人が決めたことなら応援する。もちろん一番は二人が恋人になることだが。
「そうだな。その時は二人で祝福しよう」
そのうち二人が肩を並べて歩く日が近いもしれない。そんな気がした。
「うん。そうだね。一緒に祝福しよう」
幸せが色んなところで散りばめられている。周りが幸せになっていくことが本当に嬉しい。
これから先も愁と共に二人で幸せを紡いでいけるように、二人で一緒に頑張っていこうと思う。
「なぁ、今から何する?」
今日の私の気分はもう決まっていた。
「一日中ダラダラしながら、サブスクで映画やドラマが見たい」
「お!いいね!そうしよう!」
同棲を始めてみて分かったことがある。
こんなふうにただ好きな人と一緒にダラダラ過ごすことが至福の時だと…。
「実は前々から見たいのがあって。数日前から配信されたの」
「そうなんだ。ちなみに何て作品?」
これからもこんなふうに一緒に時を重ねていきたい。
まだ同棲を始めたばかりだが、そんなことを思った。
「えっとね、タイトルはね…」
見たかった作品を二人で一気見してしまった。
休日はあっという間に過ぎていき、またバイトの日々が始まる。
今までは一緒に過ごす時間が終わりそうになる度に寂しい気持ちに苛まれたが、今は大丈夫だ。家に帰れば愛しい人がいるから。
一緒に帰る家がある。その幸せを知った今は、知らなかった頃の自分には戻れない。
これから先の未来が楽しみだ。どんな未来を二人で歩んでいくんだろうか。
数年後、私の左手の薬指に指輪があることを願った。
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