形成級メイクで異世界転生してしまった〜まじか最高!〜

ななこ

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転生美少女、先生をしようと思う

28話

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「なっ、何者だ!!」
「うるせー!!!“麻痺パラライズ”」
「ギャぁ」

「おっ、ヴァルフゴールじゃん」
睡眠スリープ!」
「すぴ…」
「こいつは俺の隣部屋の奴だよ…」

……聞かなかった事にしよ。


_____範囲、この階のフロア全体…….

「“空間浄化エリアクリーン”…“探索サーチ”」

指定…ヴァルフゴールの血縁者。

探索サーチを広げ、ヒットした場所に足をはしらせる。

呪い?コレが?

「何…これ?」
「アニエス!!リアベル!!」

ヴァルフゴールは叫んだ。
二人に走り寄ろうとするのを魔法で止める。

「マユラ!離せ!」
「まだダメ!」

ドロドロの真っ黒な魔力の塊が、溶けて、二人の体が融合し始めてる。
近付いたら、ヴァルフゴールまで飲み込まれる!

解呪ディスペルだけじゃダメ。根っこまで除去しないと……、

ちょっと手荒だけど!」

心臓部に根を張るソレを直接浄化して、引っ張り出す!

「何をする気だ!?」
「嫌がらせ!」

こいつが!二度と!復活できない様にすれば‼︎

コレを欲しがる奴等にとって、コレをただ浄化するだけじゃ「また新しく作れば良い」と思われる。
なら、!!


根源を、断てば良い!!!


ドプリ


沼に浸かる感覚だ。


ゆっくりゆっくり沈んでいく。


あぁくそ、吐き気を催す様な醜悪さ。
沢山の人物の欲や、身勝手さ。


「成功だ!」
「やったぞ!コレで我々の野望も‼︎」
「ついに復活する!!」


不愉快だ。


「何でモノ作っているんだ」


コレは呪い。確かに間違いじゃ無い。

呪いが生き物として形作っているコレはただの化け物!

コレが魔神ですって!?

冗談じゃない!


《魔族を総べる神はもっと崇高だ。

こんなに醜く生まれる事はない》


今言葉を出したのは私?

私の中の神子…?

人の手で神を作り出そうなんていう身勝手な冒涜に、

神を、私自身を貶された様に感じてる。

《それは私が許さない。


私はコレの存在を許さない》

私はコレを作った人間を許さない。

コレのせいで、苦しんだ子供達が沢山いた。

コレのせいで、ヴァルフゴールは……っ!!


……そうだ、


《殺してしまおう》
「きっとソレが良い」


私と…私の中の神子の私がそう言って笑った。


「《“離れろ”》」

グググググルゥゥ

「《“耐え難い苦痛を味わえ”》」

ヴァォァガァァ!!

「《”この子達が苦しんだ数倍苦しめ”》」

ヴぉぉぁぃぎゃァァ!?!?

「《“私が満足するまで永遠に苦しみ続けろ”》」

ギギゃぁぁがぁァァっ!!!!

「《“地獄の様な場所に堕ちろ”》」

がっギャァっっ!?!?

「《”最後には消滅しろ”》」


私の発する言葉は魔法であり、奇跡であり、鉄槌であり、神の言葉だ。

地獄のような監獄に堕とし、今後の運命という根源ルーツを遮断する。
そして、そこで地獄のような苦しみを味わうだろう。

まだまだ殺してあげない。


「私今凄く気が立ってるの」

ちょっとの事じゃ憂さ晴らしできないし、まだ根っこが残ってる。

ペロリと上唇を撫でて、体のくっついた妹弟に手を翳す。


「《“分裂しろ”

“内臓はあるべき姿に戻れ”

“正常に機能しろ”

“健康な身体能力を取り戻せ”》」


神子である私の言葉は魔法。

“魔法の手”を与えられた私にだけ使える奇跡。

奇跡は言霊として体現する。


「でも…ちょっと疲れたぁ」


眠る子達のベッドの縁に腰掛ける。

意外と気力使うなぁ…、まぁ、ルーツ何て運命を根っこから断ち切る為には、魔法では少し弱い。それにソレは別の神様の管轄だから、魔法で行ったら場合それは禁忌だ。
まぁ禁忌を犯す事はある程度許されてるけど、コレはまだ許されてない。

「怒ってるかなぁ…」

運命神様。

勝手にルーツ断っちゃって、更にはほぼ永遠の時の自由を奪うのだ。
同情はしないけど、ルールは極力守る。

「怒られたら、その時はその時」

寧ろ、魔神様の名誉に傷がつかない様にしたんだから褒めてもらいたいね。

……魔神___


_____魔神はもうこの世にいない神様だ。

魔族を総べる神で、魔族は大きく分けて“悪魔” “魔人” “吸血鬼”とかが魔族になるのかな。
そして、魔族にとっての頂点の神様が魔神。

でも、1000年くらい前に消滅したらしい。

何でか分からないけど、私はアレが魔神のなり損ないに見えた。
ちょっと冷静になった途中からなり損ないにすらなれない不良品って事に気づいたけど。

2度とその存在が生まれない様に、その存在を閉じ込めた。そして、死ぬことこそ救いの様な罰を与え続けてるり。

妹さんと弟さんに定期的に投与されていた薬は二種類り二人の中にいたアレの腹を空かせ暴れ回るモノの飢えを満たすもの。
そして、二人に拒否反応が起こらない様にゆっくりアレと同化させるもの。

二人が何故アレの器に選ばれたのかと言うと、二人が双子であり尚且つ魂そのものの形や性質がほぼ同じと言っても良いくらい似ていたから。
アレの器には一人の人間の許容範囲ではすぐに体が壊れる。が、同じ性質を持つ二人で一人とも言えるほど似通った人物であれば器として成り立つ。

「これはやっぱり仕組まれた呪いだった」

定期的に様々な症状で苦しむのは、内側から器として変化し続けていたから。アレが腹を空かせ暴れ回っていたから。

器として成り立っていたからこそ生きていた二人。だからアレが死んだ所で、体が壊れているのだからその内死んでいた。

「どうする?犯人は割れてるから、突撃しちゃう?ヴァルフゴール、そいつ等をどうして欲しい?」

私は生き地獄を味合わせてから殺してしまう気満々だけど、ヴァルフゴールの意見が聞きたい。

「お、俺は…そいつ等には、

身も心もすり減らされる様な絶望を味合わせてやりたい。

懇願しても消えない苦痛に苦しませて、

最後に…俺が、殺す」
「OK賛成」

じゃあ私が用意するのは、頑丈な亜空間と、この件に関わっていた人達と…

ついでにシルをつけておこう。

「じゃあヴァルフゴール、この中に入っててー」
「無詠唱で亜空間…」
「そう言うの良いから!入って入って~」
「…ああ」
「そしてプレゼント!」

ドサッ ドサドサバサ ゴッ
「うわっ」「ぎゃっ」「痛ってぇ!?」「何々⁉︎」「誰だよ!」

亜空間の中に落としたのは、十数人くらいの人間。

「首謀者と、ソレに手を引いていた人達でーす!

どうするかは、ご自由に。中の事はシルに聞いてねぇ」

亜空間を閉じ、後を亜空間のプログラムに組み込んだシルに任せる。
(お願いね)
『かしこまりました。マスター

「じゃあ出ようか!先にアンタレスはこの子達連れて戻っててね」
「了解」
「私はここを処理してから戻るよ」

ボウッと手の中に炎を灯し、消えた三人のいた場所に背を向ける。


「まずは証拠品集めかなぁ」


ただの小国内部での些細な事だし、ちょっと王様に直談判して後始末して貰えば良いかな?
皇帝陛下に頼むのも良いと思ったけど、国内部での問題は、その国内で解決しないとね。

麻薬中毒者どうしよう?
ほっといても死なないし、効果が切れたら生きていけるよね?

……放っておこう。その人達も、ヴァルフゴールに酷い事したんだから、自業自得だよね?

とりあえず建物の中にいる人たちは避難させておこ。



______その日、短い時間の間で、全てのことが解決という方向で収束した。
哀れな妹弟達のいた建物は灰も残らず燃やし尽くされ、首謀者達は皆、突然いなくなった後一纏めに町の広間に捨てられていた。

見るも無惨な、ボロボロの姿で……。


魔神のなり損ないと呼ぶにも烏滸がましい化け物は、跡形もなく消滅した。
根源は全て絶たれ、今後復活する事は絶対になくなった。

騎士団は犯人を捜したが、後日国王の命で捜索は取り消され、事件自体の詳細な記録は行われなかった。



マユラは次の日、清々しいほどの朝を普段通りに始めた。
何事もなかったと言わんばかりの笑顔を浮かべて。




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