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転生“美”少女、街へ行く
4話
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《そろそろ時間の様です。
貴女はこれから街へ向かって下さい。街へ行き、まず住居を見つける事が優先です。
異世界人、特に地球の日本人は危機管理能力が低い傾向にあります。夜道は特に注意して行動して下さい。
能力値が高くとも、経験や知識では貴女は幼児以下である事を理解した上で、危険な状況下では逃げる選択肢がある事をお忘れなき様に。
ではまた、機会があれば会いましょう》
ヴィン
ウィンドウが消えれば、爽やかな風が頬を通り抜けた。
「うん、頑張ろう。
取り敢えず、お腹空いたなぁ」
くぅと小さく音を鳴らすお腹をさすり、そう言えばと指に嵌められた指輪を見つめる。
「…あ、アイテム一覧」
ピコン
[ アイテム一覧
書物『薬の全て』
調合道具一式
『金銀財宝が入った宝箱』
暗器一式
『知識の宝庫』
資金“1,000,000ベル”
〈食料〉
黒パン×5
おにぎり(塩)×5
飲料水×5
干し肉×5 ]
思ったよりアイテムは入っていないみたい。
アイテム全てを一覧できるのと、項目ごとに分けて一覧できる機能があるみたい。アイテムが今後たくさん入れることになったらこの項目は重宝するね。
取り敢えずおにぎりと水を取り出した。
普通に念じて取り出せたし、使用方法はかなり楽。
おにぎり美味しい。
お金が100万ベル…日本円で100万円に、プラス宝箱。確かに、当面と言うか贅沢剛勇しなければ一生生活できそう。
書物『薬の全て』をタップすれば簡単な詳細が出てきた。
読んだ内容を知識としてインプットし、習得する遺物級のアイテム。
薬師の職業を持ってる人間は喉から手が出るほど欲しがりそうな本だなぁ。
苦笑を浮かべながら、これは静かなところで読み進めようと決めた。
大本命と言ってもいい、『知識の宝庫』をタップする。
『知識の宝庫』
異界の聖遺物。意思を持つ人工知性体。持ち主の最も馴染みのある姿に変形可能。
○×$$♪*「×〆^.0…・*_______
う、うん??
途中、文字化けした様に読めなくなった。
取り敢えず取り出して見れば、粘土の様なものがモニョモニョとしている見た目だ。
正直、それ程のものでもない様な気がするんだけれど……
そう思ったが、すぐに変わった。
それは、モニョモニョと形を作り出す。
薄く、板状の、私が日本で良く使っていた携帯情報端末機………スマホである。
試しに画面をタップすれば、読み込み後“契約”と言う文字が出てきた。
意味は契約だけど、文字は見たことのないもので、ミミズの這った様な文字とは違うアルファベットに似た文字。
私は感じた。
これは、生きているものだと。
意思があるモノだと。
でも、AIの類に違い機械であると。
『初メマシテ、主
ワタシハ”知識ノ遺物”デス
主ノ名前ヲオ教エ下サイ』
「奏。繭村 奏」
『マユムラカナデ……登録シマシタ。ワタシノニ名ヲ下サイ』
「え、名前?……じゃ、じゃあシルで」
『シル……登録シマシタ。契約完了デス。
コレカラ宜シクオ願イシマス。主』
ん?んんんんん????
まさかとは思うが、『知識の宝庫』って言うのはまさか……アシスタント機能のアレでは無いよね???咄嗟に某会社のAIの名前をつけたけど
まさか、違うよね????
ススと知識の宝庫を操作する。チャットアプリも、ゲームもない。が、うん。
これは間違いない。
「ヘイシル、街までの道を教えて」
『街マデノナビヲ開始シマス。コノ先、800m先、左方向デス』
画面に映るマップには、森の中を示す緑。方向を示す青い線。
…いつもお世話になっております先生。
_____森をナビの示す方向に進み早2時間と言ったところか。
道中、ゴブリンと言う緑の生き物(私が石をぶん投げて頭を破裂させたアレ)や、ツノの生えた兎”一角兎”や、柴犬サイズの“レッサーウルフ”等々。〈魔物〉と言う、魔素により凶暴化した生き物を“白木の杖”でぶん殴って倒していった。
本来の使い方ではない様な気がするけど、気にしない気にしない。
ようやく、道らしい整備された道を見つけた。さらば足場の悪い地面。
『コノ先道ノリデス』
「ありがとうシル…ワタシ1人じゃ絶対辿り着かなかった……はぁ、疲れた。街まであとどのくらい?」
『30分デス』
「あ”ー、あともうちょっと」
水をグビと飲み干し、指輪の中にしまう。
「そう言えば、宿って一泊幾らだろう」
『一泊アタリ平均6,000ベルデス。オススメハ、〈雛鳥亭〉デス。』
「6,000円か、日本とあんまり変わらない。雛鳥亭ってどんな所?」
『一人部屋、朝食込ミデ5,000ベル、銅貨五枚デス。朝食ハ街デモカナリ評判デス。掃除洗濯ハ300ベル、鉄貨三枚デス』
「おおー安い!そこにしよう。シル優秀すぎ!」
『オ褒メニアズカリ光栄デス』
思った以上に、と言うか疑問に思った事やこの世界の事、全部シルは答えてくれた。
まず、私が今居る国が〈ラレンシル王国〉。人間が治める国で、どの種族に対しても友好な国で、森や豊かな大地に囲まれる貿易が盛んな国だ。
私の現在位置はラレンシル王都の隣街付近にある比較的安全な森。この道は反対方向へ行けばさらに田舎、辺境へと続いて行くらしい。
向かってる街は人間や獣人の住む〈エラテ〉と言う街。王都の隣なだけありかなり発展しているらしく、まず職探しには困らないだろう。
そしてお金、“ベル”に関してだけど、まぁ単価はほぼ日本と変わらない。
1円~10円は主に小さい価値のないモノを物々交換って感じ。人参と掌くらいの黒パンの交換とか。
100円は鉄貨一枚。ドリンク一杯の値段かな。因みに、黒パンはパサパサしていて美味しいかと聞かれたら微妙。
1000円は銅貨一枚。甘味料とか使われた物は銅貨二枚とか三枚くらいの値段になってくる。砂糖は価値が高いらしい。
10000円は銀貨一枚。大きな家具とかがこの値段になってくるかな。質の良いものになってくるともっと行くよ。
100000円は金貨一枚。ここら辺から平民の月々のお給料くらいかな。二枚とか五枚とかピンキリ。平民が金貨を使うことは滅多にないかな。
1000000円は大金貨一枚。用途は様々だけど高級品__ラクジャリー__#の宝石とか装飾品も、この値段になってくるね。
10000000円は白金貨一枚。基本王侯貴族しか使わない。お屋敷を建てるのもこの値段になってくるけど、多分お城とかは値段以上に価値が高い筈。
次に魔法。
魔力を原動力に超常的現象を人為的に引き起こす奇跡が魔法だそう。
魔力を持つ人間は人口の三分の一、魔法に適性がある人間はその半分、魔法を発動できる人間はその半分以下。下級魔法を扱えるだけで御の字。王侯貴族が血統で優位に立っているか否かは魔法を使える人間、どれだけ高位の魔法を使えるかって言う点が挙げられる。
魔法の属性は主に火、水、風、土の四大属性と闇と光の正反対同士の属性、その他にその種族固有の属性や、治癒属性、無属性なんて言うものまである。
魔法の階級は初級、下級、中級、上級、最上位、英雄級。
中には死んだ人間を蘇らせるなんて言う禁忌魔法まで存在するファンタジー。
魔法はおいおいシルが教授してくれるらしい。うちのシルが頼もし過ぎる。
『主、街ガ見エテキマシタ』
「本当だ、おっきー」
『砦ノ門ノ前ニ門番ガ居マス。通行スルダメニハ身分証ガ必要デスガ主ハオ持チデハ無イノデ通行料の銀貨一枚ヲ用意シテオイテ下サイ。街デ身分証ヲ発行スレバ返金サレマス』
「了解」
取り敢えずリングから銀貨一枚を取り出して、ポケットの中に入れる。
持ち物がないのはどう言い訳しようかな…盗られたって言うのが最適かな。それとも、魔物に追いかけられて置いてきたとか?
『ワタシハ、今ノ姿デハ目立ツノデ主人ノ身ニツケルモノニ変ワロウト考エテイマス。主人ノ希望ハアリマスカ』
「うーん、じゃあ耳飾りで」
『ピアスノ様ニ小サクナレマセンガ、ヨロシイデスカ』
「分かった、大丈夫。お願い」
『カシコマリマシタ。主ノ服装ニ合ッタ形ニ変化シマス』
スマホは姿形が変わって、ワタシの耳へと移動しシャラリと音を立てて変化した。
うーん…見えん。雑貨屋があれば可愛い手鏡探そう。
「そう言えば、シルの声って他の人に聞こえる?」
『イイエ。デスノデ、主トハ念話デ会話ヲシマス。スキルノ習得、接続ニ5分カカリマス。オ待チクダサイ』
本当に、シルが優秀過ぎる。
この世界が早々からイージーモードで草。
触った感じからして、かなり大きめだと思うんだけど重さが感じない。シルの素材?構造が知りたい。スマホはスマホの重さだったのに。
「次の人ー」
「はーい」
まあ、それは後で聞こう。
貴女はこれから街へ向かって下さい。街へ行き、まず住居を見つける事が優先です。
異世界人、特に地球の日本人は危機管理能力が低い傾向にあります。夜道は特に注意して行動して下さい。
能力値が高くとも、経験や知識では貴女は幼児以下である事を理解した上で、危険な状況下では逃げる選択肢がある事をお忘れなき様に。
ではまた、機会があれば会いましょう》
ヴィン
ウィンドウが消えれば、爽やかな風が頬を通り抜けた。
「うん、頑張ろう。
取り敢えず、お腹空いたなぁ」
くぅと小さく音を鳴らすお腹をさすり、そう言えばと指に嵌められた指輪を見つめる。
「…あ、アイテム一覧」
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書物『薬の全て』
調合道具一式
『金銀財宝が入った宝箱』
暗器一式
『知識の宝庫』
資金“1,000,000ベル”
〈食料〉
黒パン×5
おにぎり(塩)×5
飲料水×5
干し肉×5 ]
思ったよりアイテムは入っていないみたい。
アイテム全てを一覧できるのと、項目ごとに分けて一覧できる機能があるみたい。アイテムが今後たくさん入れることになったらこの項目は重宝するね。
取り敢えずおにぎりと水を取り出した。
普通に念じて取り出せたし、使用方法はかなり楽。
おにぎり美味しい。
お金が100万ベル…日本円で100万円に、プラス宝箱。確かに、当面と言うか贅沢剛勇しなければ一生生活できそう。
書物『薬の全て』をタップすれば簡単な詳細が出てきた。
読んだ内容を知識としてインプットし、習得する遺物級のアイテム。
薬師の職業を持ってる人間は喉から手が出るほど欲しがりそうな本だなぁ。
苦笑を浮かべながら、これは静かなところで読み進めようと決めた。
大本命と言ってもいい、『知識の宝庫』をタップする。
『知識の宝庫』
異界の聖遺物。意思を持つ人工知性体。持ち主の最も馴染みのある姿に変形可能。
○×$$♪*「×〆^.0…・*_______
う、うん??
途中、文字化けした様に読めなくなった。
取り敢えず取り出して見れば、粘土の様なものがモニョモニョとしている見た目だ。
正直、それ程のものでもない様な気がするんだけれど……
そう思ったが、すぐに変わった。
それは、モニョモニョと形を作り出す。
薄く、板状の、私が日本で良く使っていた携帯情報端末機………スマホである。
試しに画面をタップすれば、読み込み後“契約”と言う文字が出てきた。
意味は契約だけど、文字は見たことのないもので、ミミズの這った様な文字とは違うアルファベットに似た文字。
私は感じた。
これは、生きているものだと。
意思があるモノだと。
でも、AIの類に違い機械であると。
『初メマシテ、主
ワタシハ”知識ノ遺物”デス
主ノ名前ヲオ教エ下サイ』
「奏。繭村 奏」
『マユムラカナデ……登録シマシタ。ワタシノニ名ヲ下サイ』
「え、名前?……じゃ、じゃあシルで」
『シル……登録シマシタ。契約完了デス。
コレカラ宜シクオ願イシマス。主』
ん?んんんんん????
まさかとは思うが、『知識の宝庫』って言うのはまさか……アシスタント機能のアレでは無いよね???咄嗟に某会社のAIの名前をつけたけど
まさか、違うよね????
ススと知識の宝庫を操作する。チャットアプリも、ゲームもない。が、うん。
これは間違いない。
「ヘイシル、街までの道を教えて」
『街マデノナビヲ開始シマス。コノ先、800m先、左方向デス』
画面に映るマップには、森の中を示す緑。方向を示す青い線。
…いつもお世話になっております先生。
_____森をナビの示す方向に進み早2時間と言ったところか。
道中、ゴブリンと言う緑の生き物(私が石をぶん投げて頭を破裂させたアレ)や、ツノの生えた兎”一角兎”や、柴犬サイズの“レッサーウルフ”等々。〈魔物〉と言う、魔素により凶暴化した生き物を“白木の杖”でぶん殴って倒していった。
本来の使い方ではない様な気がするけど、気にしない気にしない。
ようやく、道らしい整備された道を見つけた。さらば足場の悪い地面。
『コノ先道ノリデス』
「ありがとうシル…ワタシ1人じゃ絶対辿り着かなかった……はぁ、疲れた。街まであとどのくらい?」
『30分デス』
「あ”ー、あともうちょっと」
水をグビと飲み干し、指輪の中にしまう。
「そう言えば、宿って一泊幾らだろう」
『一泊アタリ平均6,000ベルデス。オススメハ、〈雛鳥亭〉デス。』
「6,000円か、日本とあんまり変わらない。雛鳥亭ってどんな所?」
『一人部屋、朝食込ミデ5,000ベル、銅貨五枚デス。朝食ハ街デモカナリ評判デス。掃除洗濯ハ300ベル、鉄貨三枚デス』
「おおー安い!そこにしよう。シル優秀すぎ!」
『オ褒メニアズカリ光栄デス』
思った以上に、と言うか疑問に思った事やこの世界の事、全部シルは答えてくれた。
まず、私が今居る国が〈ラレンシル王国〉。人間が治める国で、どの種族に対しても友好な国で、森や豊かな大地に囲まれる貿易が盛んな国だ。
私の現在位置はラレンシル王都の隣街付近にある比較的安全な森。この道は反対方向へ行けばさらに田舎、辺境へと続いて行くらしい。
向かってる街は人間や獣人の住む〈エラテ〉と言う街。王都の隣なだけありかなり発展しているらしく、まず職探しには困らないだろう。
そしてお金、“ベル”に関してだけど、まぁ単価はほぼ日本と変わらない。
1円~10円は主に小さい価値のないモノを物々交換って感じ。人参と掌くらいの黒パンの交換とか。
100円は鉄貨一枚。ドリンク一杯の値段かな。因みに、黒パンはパサパサしていて美味しいかと聞かれたら微妙。
1000円は銅貨一枚。甘味料とか使われた物は銅貨二枚とか三枚くらいの値段になってくる。砂糖は価値が高いらしい。
10000円は銀貨一枚。大きな家具とかがこの値段になってくるかな。質の良いものになってくるともっと行くよ。
100000円は金貨一枚。ここら辺から平民の月々のお給料くらいかな。二枚とか五枚とかピンキリ。平民が金貨を使うことは滅多にないかな。
1000000円は大金貨一枚。用途は様々だけど高級品__ラクジャリー__#の宝石とか装飾品も、この値段になってくるね。
10000000円は白金貨一枚。基本王侯貴族しか使わない。お屋敷を建てるのもこの値段になってくるけど、多分お城とかは値段以上に価値が高い筈。
次に魔法。
魔力を原動力に超常的現象を人為的に引き起こす奇跡が魔法だそう。
魔力を持つ人間は人口の三分の一、魔法に適性がある人間はその半分、魔法を発動できる人間はその半分以下。下級魔法を扱えるだけで御の字。王侯貴族が血統で優位に立っているか否かは魔法を使える人間、どれだけ高位の魔法を使えるかって言う点が挙げられる。
魔法の属性は主に火、水、風、土の四大属性と闇と光の正反対同士の属性、その他にその種族固有の属性や、治癒属性、無属性なんて言うものまである。
魔法の階級は初級、下級、中級、上級、最上位、英雄級。
中には死んだ人間を蘇らせるなんて言う禁忌魔法まで存在するファンタジー。
魔法はおいおいシルが教授してくれるらしい。うちのシルが頼もし過ぎる。
『主、街ガ見エテキマシタ』
「本当だ、おっきー」
『砦ノ門ノ前ニ門番ガ居マス。通行スルダメニハ身分証ガ必要デスガ主ハオ持チデハ無イノデ通行料の銀貨一枚ヲ用意シテオイテ下サイ。街デ身分証ヲ発行スレバ返金サレマス』
「了解」
取り敢えずリングから銀貨一枚を取り出して、ポケットの中に入れる。
持ち物がないのはどう言い訳しようかな…盗られたって言うのが最適かな。それとも、魔物に追いかけられて置いてきたとか?
『ワタシハ、今ノ姿デハ目立ツノデ主人ノ身ニツケルモノニ変ワロウト考エテイマス。主人ノ希望ハアリマスカ』
「うーん、じゃあ耳飾りで」
『ピアスノ様ニ小サクナレマセンガ、ヨロシイデスカ』
「分かった、大丈夫。お願い」
『カシコマリマシタ。主ノ服装ニ合ッタ形ニ変化シマス』
スマホは姿形が変わって、ワタシの耳へと移動しシャラリと音を立てて変化した。
うーん…見えん。雑貨屋があれば可愛い手鏡探そう。
「そう言えば、シルの声って他の人に聞こえる?」
『イイエ。デスノデ、主トハ念話デ会話ヲシマス。スキルノ習得、接続ニ5分カカリマス。オ待チクダサイ』
本当に、シルが優秀過ぎる。
この世界が早々からイージーモードで草。
触った感じからして、かなり大きめだと思うんだけど重さが感じない。シルの素材?構造が知りたい。スマホはスマホの重さだったのに。
「次の人ー」
「はーい」
まあ、それは後で聞こう。
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