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序章〜プロローグ〜
プロローグ
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私、繭村奏は、この度異世界転生することになった…らしい。
真っ白な世界の中で私一人ポツンと、ぺたんこ座りでぼうっと辺りを眺めている。不思議なことに、私の影がない。
《異世界に転生します。肉体をアップデートしています。暫くお待ちください》
私の目の前には半透明のウィンドウがあり、アップデート中78%…とゲームの様になっていた。
死ぬ直前までの記憶はある。
トラックに轢かれて、身体中の骨の軋む音を聞きながらあまりの痛みに気を失って、気が付いたらここにいた。
だから、この夢の様な出来事も多分本当。多分だけど。
トラ転何て今時古いと思う。
82%
88%
97%
99%
100%
ジジ《お待たせしました。異世界転生を開始します。どうかお気をつけて、くれぐれも__
____死なない様に》
こう言うのって神様が出てくるものなんじゃないの?何の説明もなしに異世界に放り出すとか、
………何考えてんの?
普通に死ぬわ。
沈んでいく意識の中で、誰かが私の頬を撫でた様な気がした。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆
頬を撫でる風を感じて、目が覚めた。
辺り一面緑の草原で、所々に花々が咲いている。雲を浮かべる空は青く、見たことの無い鳥が泳いでる。
一言言わせて欲しい。
「屋外かよっ!?」
こんなお天気に外で放置とか何してんの?襲われるぞ私?ってか日焼けするじゃん!何考えてんのっ!?私女の子ぞ!?美容系女子ぞ!?!?
「あり得ないホントあり得ない。今すぐ日焼け止め…てか私の化粧品ってまさかまさかの、無いパターン????
嘘でしょーー!?
えっ!?こないだ買ったばかりのめちゃ高いデパコス、まだ封も開けてないんだけど!?
嘘嘘嘘、早くも挫けそう。誰か何とかして、神様なんとかしてよいるんでしょっ!?!?」
ほろほろと涙が頬を伝った。
信じらんない…、あのコスメとかマジで高かったんだけど、諭吉何枚注ぎ込んだと思ってんの。
てかこの世界アイプチってある?メイクってどのくらい普及してる??この間漫画で見たんだけど、ファンデって毒含まれてるやつとか無いよね!?
異世界来て早くも挫けそう、助けて。メイク道具持ってくるから誰か私を殺して。
ガサ ガサガサガサッッ!
頬を伝う涙を止めようとする手を、ぴたりと止めた。え?…ナニナニナニっ!?!?
草原から一直線で走ってくる生き物を見て、私は息を止めた。
「何あれ!嘘気持ち悪い!!こっちくるんですけど!?来んなァっ!?
ひっ!イヤァーーーー!!!」
ウッソ!?ホントあり得ない!
殺してって思ったの嘘!それ嘘だからー!!
過去最高を叩き出した逃げ足で、よくわからない草原から、よくわからない山道に入ってよくわからない山の中を突っ切る様に真っ直ぐ走って行った。
後ろのよくわからない生物、剣持ってるんですが!?何かブンブン振り回して怖いんですけど!?!?
「私なんて食べても美味しくないってば!!」
「ギェッギエッギエッ」
「何言ってるか分かんないゴメン!!」
「ギャッウギャ、ギエッギエッ」
「人語話しておねがーい!」
「ギャエギャエ」
「ぅきゃーー!!来んなよーーーっっ!!!!」
体力の限界を迎えていたからか、はたまた気が動転していたからか、近くにあった大きめの石を拾い振り返った。
「しっつこい!!!」
「ギャッ‼︎」
ブン!!
振りかぶって石を投げる。ゴッという音と共に、生き物は倒れた。
「…………え?」
当たった場所は顔面ど真ん中だったのだろうか、確かに急所は眉間の間って聞いたことあるけど、、、
何でぐちゃぐちゃになってんの???
紫色の血液が流れ出し、脳みそが飛び出してぐちゃぐちゃだ。ぴくりとも動かない緑色の生き物。
よく見れば、人の姿に似ている……。
血の匂いが鼻につく。
「っぅ!? ウェッ!」
吐いた。胃の中空っぽになるくらい、吐き出した。
異世界転生…前途多難なんですけど
真っ白な世界の中で私一人ポツンと、ぺたんこ座りでぼうっと辺りを眺めている。不思議なことに、私の影がない。
《異世界に転生します。肉体をアップデートしています。暫くお待ちください》
私の目の前には半透明のウィンドウがあり、アップデート中78%…とゲームの様になっていた。
死ぬ直前までの記憶はある。
トラックに轢かれて、身体中の骨の軋む音を聞きながらあまりの痛みに気を失って、気が付いたらここにいた。
だから、この夢の様な出来事も多分本当。多分だけど。
トラ転何て今時古いと思う。
82%
88%
97%
99%
100%
ジジ《お待たせしました。異世界転生を開始します。どうかお気をつけて、くれぐれも__
____死なない様に》
こう言うのって神様が出てくるものなんじゃないの?何の説明もなしに異世界に放り出すとか、
………何考えてんの?
普通に死ぬわ。
沈んでいく意識の中で、誰かが私の頬を撫でた様な気がした。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆
頬を撫でる風を感じて、目が覚めた。
辺り一面緑の草原で、所々に花々が咲いている。雲を浮かべる空は青く、見たことの無い鳥が泳いでる。
一言言わせて欲しい。
「屋外かよっ!?」
こんなお天気に外で放置とか何してんの?襲われるぞ私?ってか日焼けするじゃん!何考えてんのっ!?私女の子ぞ!?美容系女子ぞ!?!?
「あり得ないホントあり得ない。今すぐ日焼け止め…てか私の化粧品ってまさかまさかの、無いパターン????
嘘でしょーー!?
えっ!?こないだ買ったばかりのめちゃ高いデパコス、まだ封も開けてないんだけど!?
嘘嘘嘘、早くも挫けそう。誰か何とかして、神様なんとかしてよいるんでしょっ!?!?」
ほろほろと涙が頬を伝った。
信じらんない…、あのコスメとかマジで高かったんだけど、諭吉何枚注ぎ込んだと思ってんの。
てかこの世界アイプチってある?メイクってどのくらい普及してる??この間漫画で見たんだけど、ファンデって毒含まれてるやつとか無いよね!?
異世界来て早くも挫けそう、助けて。メイク道具持ってくるから誰か私を殺して。
ガサ ガサガサガサッッ!
頬を伝う涙を止めようとする手を、ぴたりと止めた。え?…ナニナニナニっ!?!?
草原から一直線で走ってくる生き物を見て、私は息を止めた。
「何あれ!嘘気持ち悪い!!こっちくるんですけど!?来んなァっ!?
ひっ!イヤァーーーー!!!」
ウッソ!?ホントあり得ない!
殺してって思ったの嘘!それ嘘だからー!!
過去最高を叩き出した逃げ足で、よくわからない草原から、よくわからない山道に入ってよくわからない山の中を突っ切る様に真っ直ぐ走って行った。
後ろのよくわからない生物、剣持ってるんですが!?何かブンブン振り回して怖いんですけど!?!?
「私なんて食べても美味しくないってば!!」
「ギェッギエッギエッ」
「何言ってるか分かんないゴメン!!」
「ギャッウギャ、ギエッギエッ」
「人語話しておねがーい!」
「ギャエギャエ」
「ぅきゃーー!!来んなよーーーっっ!!!!」
体力の限界を迎えていたからか、はたまた気が動転していたからか、近くにあった大きめの石を拾い振り返った。
「しっつこい!!!」
「ギャッ‼︎」
ブン!!
振りかぶって石を投げる。ゴッという音と共に、生き物は倒れた。
「…………え?」
当たった場所は顔面ど真ん中だったのだろうか、確かに急所は眉間の間って聞いたことあるけど、、、
何でぐちゃぐちゃになってんの???
紫色の血液が流れ出し、脳みそが飛び出してぐちゃぐちゃだ。ぴくりとも動かない緑色の生き物。
よく見れば、人の姿に似ている……。
血の匂いが鼻につく。
「っぅ!? ウェッ!」
吐いた。胃の中空っぽになるくらい、吐き出した。
異世界転生…前途多難なんですけど
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