21 / 24
逃走
しおりを挟む
「ふぅー、ふぅー……!」
非常に困った。
俺は今パンツ(トランクス)一丁で、目の前にいる銀髪の美少女と対峙していた。
はたから見たら、そく警察に通報の光景だ。いやそんな犯罪的なことはもちろん無い!! なにせ俺は勇者の教育係りとしてここにきているんだ。教育者として、それはありえん!!
だから、すごく警戒している銀髪の彼女の誤解をとくのが必須だ。
「あの~……」
「で、出ていってください!!」
詰んだ。時間にして、2、3秒だった。そりゃ、そうだよな、あはは……。
もはやこれまでかと、思ったときだった。
【ライラ‼ 聞こえる⁉ 聞こえたら返事して⁉】
突如、女性の声が辺りに響いたのだ。デパートの館内放送みたいに。
この声は、聞き覚えがある。だってついさっきまで、聞いていた声だ。確か、紅蓮髪の、
「み、ミディアさん⁉」
銀髪の美少女が、少しびっくりした様子で答える。
ライラ、っていうのか。
それが、銀髪の美少女の名前。
そして、紅蓮髪の少女は、ミディアと言うんだな。
やっと、勇者である少女たちの名前を知ることができた。
【ライラ‼‼ 良かった、通信魔法が繋がって!! 怪我とかはない‼‼】
「はっ、はい! 大丈夫です!」
【そう良かった! ごめんね!! ライラの部屋の方向に飛ばしちゃったから!! 心配で!! えっと……、そこに、まだ変態はいる!?】
お、おいおい!? それ、俺のこと!? 通じるのか!?
「はい!! いますッ!!」
めちゃくちゃ通じていた。そのことにすごくショック。いや、でもまあ、思い当たるふしがありありだからな……。
【ライラ!? そいつに、へ、へんなことされてない!? 大丈夫!?】
「ううっ!! ミディアさん!! わ、私!! こ、この人に、ぱ、パンツを見―――」
「わあ~!? ま、待ってライラさん!! それは不慮の事故といいますか!?」
こ、これ以上、汚名を重ねたくなかった。俺は2人の会話に割ってはいる。
「ひっ!? ち、近づかないでください!?」
「えっ!? あいや、そ、そんなつもりは!?」
【ライラ!? ちょっと、ライラに手を出したら、灰まで残さず焼ききるわよ!! この変態!!】
こわ!? てかむごすぎる!? ほんと、この子、勇者なの!?
「パ、パンツしか履いてない恰好で、こ、こっちに来ないでください!!」
突如、声を荒げるライラ。
「わーっ⁉⁉ ちょいちょい、余計なこというなって!?!?!?」
ほんとに灰まで残さず焼かれるから!!
俺はライラがさらに余計なことをいうのでは、という思いから、さらに近づいて、説得しようとしてしまった。すると、
「ひっ⁉ ち、近寄らないでください‼‼ 変態さん‼‼」
ライラの指先から、一筋の稲光が走った。俺の体に触れると、
ビリビリ‼‼
「あだだだっ⁉」
俺はまたも電撃に悶える。な、なんで!? 痛みがある!? 異世界保険の能力が発動してない!?
俺が混乱していると、小さなウインドウ画面が表示されていた。
※電撃のダメージは身体損傷の危険外のため、ご自身負担。
「まじで!?」
すげえ痛いんですけどね!?
俺が驚愕している間にも、ライラは俺に指先を向け、攻撃しようとしている。ま、まじで勘弁してくれ!? こ、こうなれば!?
「ライラさん!!」
「ひっ!?」
ひるんだライラに、俺は大きな声で叫んだ。
「もっと強いのを打ってきなさい! 遠慮せんとほら!! もっと刺激のある、強い電撃を打ってきなさいー‼‼」
「はわわわわっー!?!?」
その言葉にライラは口をパクパク動かし、驚愕の表情を受かべる。顔を真っ青にし、がくがく震える体で大きく叫んだ。
「ど、ど変態さんですーーーー‼‼!」
【ライラ⁉⁉ ライラ‼‼ 落ち着いて⁉ くそっ!! もうすぐそっちに着くから待っていて!!】
ミディアの大きな声が部屋に響く。ま、まじで!? もうすぐここに来るの!?
やべ、逃げないと!? きっと、灰も残らず燃やされる!? あっ! でも異世界保険の能力でなんとかなるんじゃ! いやでも炎をあてられるのは恐いし、やっぱ嫌だ!!
ライラが、俺に、指先を向けた。や、やべ!?
次々に俺へ電撃を放つ。
ビリリ‼‼
「あだだだっ⁉」
ビリリ‼‼
「あだだだっ⁉」
ビリリ‼‼
「あだだだっ⁉」
だ、ダメだ!! ライラは強いのを打ってこない!! なんて調整上手!! てかドSなの、この子!? 可愛いフランス人形みたいな顔してさ!!
電撃に悶え身動きが取れずにいた。そしたら、
ボン!!
「ライラ!!」
げげっ!? み、ミディア!?
紅蓮髪の美少女こと、ミディアが部屋のドアを炎で吹き飛ばし入ってきた。バスタオルだった姿ではなく、服を着ていた。そのことに、ちょっと安心する。いや、変態か俺は。
「み、ミディアさん!!」
「ごめんね、ライラ! 遅くなって!!」
そう言い終えると、ミディアが、俺へ視線を向ける。ギロリ、という音が聞こえそうなくらいに。赤い眼光が、俺を鋭く睨む。
ミディアが片手を俺に向ける。火球が出現し、どんどん、風船のように膨らんでいく。
まずい、非常にまずい。俺、消し炭にされるのか。
体が、震える。どうしたら、この窮地を逃れられるか。
…………、あっ。そうか、これなら。
「あっーーー!!」
俺は大声を上げ、ミディアの後ろを指さした。
「えっ!?」
ミディアの視線が俺から、後ろへ向く。
い、今だ!!
俺は、ライラに向かって全速力で走る。
「へっ!? わ、わわっ!?!?」
「ご、ごめん!! ライラさん!! ちょ、ちょっとだけ辛抱してくれ!!」
俺はライラを、両手で抱えた。いわゆるお姫様だっこだ。
ミディアが異変に気付き、こちらを向く。
「なっ!? ライラ!? こ、この変態!! ライラを放せ!!」
それは、無理なご相談だっての!!
俺は、今度ミディアに向かって全速力で走る。
「くっ!?!?」
火球を構えたまま、動けないミディア。
よし、俺の予想通りだ!!
「あっ!! ま、待て!!」
そう言われて待つ人はおらんよ!!
俺はライラを抱えたまま、部屋のドアを無理やり通り、右手の真っ直ぐに伸びる道、城の廊下? といえばいいのだろうか、全速力で、ミディアから走って逃げだした。
非常に困った。
俺は今パンツ(トランクス)一丁で、目の前にいる銀髪の美少女と対峙していた。
はたから見たら、そく警察に通報の光景だ。いやそんな犯罪的なことはもちろん無い!! なにせ俺は勇者の教育係りとしてここにきているんだ。教育者として、それはありえん!!
だから、すごく警戒している銀髪の彼女の誤解をとくのが必須だ。
「あの~……」
「で、出ていってください!!」
詰んだ。時間にして、2、3秒だった。そりゃ、そうだよな、あはは……。
もはやこれまでかと、思ったときだった。
【ライラ‼ 聞こえる⁉ 聞こえたら返事して⁉】
突如、女性の声が辺りに響いたのだ。デパートの館内放送みたいに。
この声は、聞き覚えがある。だってついさっきまで、聞いていた声だ。確か、紅蓮髪の、
「み、ミディアさん⁉」
銀髪の美少女が、少しびっくりした様子で答える。
ライラ、っていうのか。
それが、銀髪の美少女の名前。
そして、紅蓮髪の少女は、ミディアと言うんだな。
やっと、勇者である少女たちの名前を知ることができた。
【ライラ‼‼ 良かった、通信魔法が繋がって!! 怪我とかはない‼‼】
「はっ、はい! 大丈夫です!」
【そう良かった! ごめんね!! ライラの部屋の方向に飛ばしちゃったから!! 心配で!! えっと……、そこに、まだ変態はいる!?】
お、おいおい!? それ、俺のこと!? 通じるのか!?
「はい!! いますッ!!」
めちゃくちゃ通じていた。そのことにすごくショック。いや、でもまあ、思い当たるふしがありありだからな……。
【ライラ!? そいつに、へ、へんなことされてない!? 大丈夫!?】
「ううっ!! ミディアさん!! わ、私!! こ、この人に、ぱ、パンツを見―――」
「わあ~!? ま、待ってライラさん!! それは不慮の事故といいますか!?」
こ、これ以上、汚名を重ねたくなかった。俺は2人の会話に割ってはいる。
「ひっ!? ち、近づかないでください!?」
「えっ!? あいや、そ、そんなつもりは!?」
【ライラ!? ちょっと、ライラに手を出したら、灰まで残さず焼ききるわよ!! この変態!!】
こわ!? てかむごすぎる!? ほんと、この子、勇者なの!?
「パ、パンツしか履いてない恰好で、こ、こっちに来ないでください!!」
突如、声を荒げるライラ。
「わーっ⁉⁉ ちょいちょい、余計なこというなって!?!?!?」
ほんとに灰まで残さず焼かれるから!!
俺はライラがさらに余計なことをいうのでは、という思いから、さらに近づいて、説得しようとしてしまった。すると、
「ひっ⁉ ち、近寄らないでください‼‼ 変態さん‼‼」
ライラの指先から、一筋の稲光が走った。俺の体に触れると、
ビリビリ‼‼
「あだだだっ⁉」
俺はまたも電撃に悶える。な、なんで!? 痛みがある!? 異世界保険の能力が発動してない!?
俺が混乱していると、小さなウインドウ画面が表示されていた。
※電撃のダメージは身体損傷の危険外のため、ご自身負担。
「まじで!?」
すげえ痛いんですけどね!?
俺が驚愕している間にも、ライラは俺に指先を向け、攻撃しようとしている。ま、まじで勘弁してくれ!? こ、こうなれば!?
「ライラさん!!」
「ひっ!?」
ひるんだライラに、俺は大きな声で叫んだ。
「もっと強いのを打ってきなさい! 遠慮せんとほら!! もっと刺激のある、強い電撃を打ってきなさいー‼‼」
「はわわわわっー!?!?」
その言葉にライラは口をパクパク動かし、驚愕の表情を受かべる。顔を真っ青にし、がくがく震える体で大きく叫んだ。
「ど、ど変態さんですーーーー‼‼!」
【ライラ⁉⁉ ライラ‼‼ 落ち着いて⁉ くそっ!! もうすぐそっちに着くから待っていて!!】
ミディアの大きな声が部屋に響く。ま、まじで!? もうすぐここに来るの!?
やべ、逃げないと!? きっと、灰も残らず燃やされる!? あっ! でも異世界保険の能力でなんとかなるんじゃ! いやでも炎をあてられるのは恐いし、やっぱ嫌だ!!
ライラが、俺に、指先を向けた。や、やべ!?
次々に俺へ電撃を放つ。
ビリリ‼‼
「あだだだっ⁉」
ビリリ‼‼
「あだだだっ⁉」
ビリリ‼‼
「あだだだっ⁉」
だ、ダメだ!! ライラは強いのを打ってこない!! なんて調整上手!! てかドSなの、この子!? 可愛いフランス人形みたいな顔してさ!!
電撃に悶え身動きが取れずにいた。そしたら、
ボン!!
「ライラ!!」
げげっ!? み、ミディア!?
紅蓮髪の美少女こと、ミディアが部屋のドアを炎で吹き飛ばし入ってきた。バスタオルだった姿ではなく、服を着ていた。そのことに、ちょっと安心する。いや、変態か俺は。
「み、ミディアさん!!」
「ごめんね、ライラ! 遅くなって!!」
そう言い終えると、ミディアが、俺へ視線を向ける。ギロリ、という音が聞こえそうなくらいに。赤い眼光が、俺を鋭く睨む。
ミディアが片手を俺に向ける。火球が出現し、どんどん、風船のように膨らんでいく。
まずい、非常にまずい。俺、消し炭にされるのか。
体が、震える。どうしたら、この窮地を逃れられるか。
…………、あっ。そうか、これなら。
「あっーーー!!」
俺は大声を上げ、ミディアの後ろを指さした。
「えっ!?」
ミディアの視線が俺から、後ろへ向く。
い、今だ!!
俺は、ライラに向かって全速力で走る。
「へっ!? わ、わわっ!?!?」
「ご、ごめん!! ライラさん!! ちょ、ちょっとだけ辛抱してくれ!!」
俺はライラを、両手で抱えた。いわゆるお姫様だっこだ。
ミディアが異変に気付き、こちらを向く。
「なっ!? ライラ!? こ、この変態!! ライラを放せ!!」
それは、無理なご相談だっての!!
俺は、今度ミディアに向かって全速力で走る。
「くっ!?!?」
火球を構えたまま、動けないミディア。
よし、俺の予想通りだ!!
「あっ!! ま、待て!!」
そう言われて待つ人はおらんよ!!
俺はライラを抱えたまま、部屋のドアを無理やり通り、右手の真っ直ぐに伸びる道、城の廊下? といえばいいのだろうか、全速力で、ミディアから走って逃げだした。
0
お気に入りに追加
5
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
俺、転生したら社畜メンタルのまま超絶イケメンになってた件~転生したのに、恋愛難易度はなぜかハードモード
中岡 始
BL
ブラック企業の激務で過労死した40歳の社畜・藤堂悠真。
目を覚ますと、高校2年生の自分に転生していた。
しかも、鏡に映ったのは芸能人レベルの超絶イケメン。
転入初日から女子たちに囲まれ、学園中の話題の的に。
だが、社畜思考が抜けず**「これはマーケティング施策か?」**と疑うばかり。
そして、モテすぎて業務過多状態に陥る。
弁当争奪戦、放課後のデート攻勢…悠真の平穏は完全に崩壊。
そんな中、唯一冷静な男・藤崎颯斗の存在に救われる。
颯斗はやたらと落ち着いていて、悠真をさりげなくフォローする。
「お前といると、楽だ」
次第に悠真の中で、彼の存在が大きくなっていき――。
「お前、俺から逃げるな」
颯斗の言葉に、悠真の心は大きく揺れ動く。
転生×学園ラブコメ×じわじわ迫る恋。
これは、悠真が「本当に選ぶべきもの」を見つける物語。

貞操逆転世界に無職20歳男で転生したので自由に生きます!
やまいし
ファンタジー
自分が書きたいことを詰めこみました。掲示板あり
目覚めると20歳無職だった主人公。
転生したのは男女の貞操観念が逆転&男女比が1:100の可笑しな世界だった。
”好きなことをしよう”と思ったは良いものの無一文。
これではまともな生活ができない。
――そうだ!えちえち自撮りでお金を稼ごう!
こうして彼の転生生活が幕を開けた。

転生した体のスペックがチート
モカ・ナト
ファンタジー
とある高校生が不注意でトラックに轢かれ死んでしまう。
目覚めたら自称神様がいてどうやら異世界に転生させてくれるらしい
このサイトでは10話まで投稿しています。
続きは小説投稿サイト「小説家になろう」で連載していますので、是非見に来てください!
旦那様が多すぎて困っています!? 〜逆ハー異世界ラブコメ〜
ことりとりとん
恋愛
男女比8:1の逆ハーレム異世界に転移してしまった女子大生・大森泉
転移早々旦那さんが6人もできて、しかも魔力無限チートがあると教えられて!?
のんびりまったり暮らしたいのにいつの間にか国を救うハメになりました……
イケメン山盛りの逆ハーです
前半はラブラブまったりの予定。後半で主人公が頑張ります
小説家になろう、カクヨムに転載しています
実はスライムって最強なんだよ?初期ステータスが低すぎてレベルアップが出来ないだけ…
小桃
ファンタジー
商業高校へ通う女子高校生一条 遥は通学時に仔犬が車に轢かれそうになった所を助けようとして車に轢かれ死亡する。この行動に獣の神は心を打たれ、彼女を転生させようとする。遥は獣の神より転生を打診され5つの希望を叶えると言われたので、希望を伝える。
1.最強になれる種族
2.無限収納
3.変幻自在
4.並列思考
5.スキルコピー
5つの希望を叶えられ遥は新たな世界へ転生する、その姿はスライムだった…最強になる種族で転生したはずなのにスライムに…遥はスライムとしてどう生きていくのか?スライムに転生した少女の物語が始まるのであった。
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

異世界でネットショッピングをして商いをしました。
ss
ファンタジー
異世界に飛ばされた主人公、アキラが使えたスキルは「ネットショッピング」だった。
それは、地球の物を買えるというスキルだった。アキラはこれを駆使して異世界で荒稼ぎする。
これはそんなアキラの爽快で時には苦難ありの異世界生活の一端である。(ハーレムはないよ)
よければお気に入り、感想よろしくお願いしますm(_ _)m
hotランキング23位(18日11時時点)
本当にありがとうございます
誤字指摘などありがとうございます!スキルの「作者の権限」で直していこうと思いますが、発動条件がたくさんあるので直すのに時間がかかりますので気長にお待ちください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる