今日も俺は幼馴染のバストサイズを知りたい(聞き出す事に青春全部かけてます)【幼馴染】もっと違うことに青春かけなさいよッ!!

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紳士宣言(バスト的な意味で)

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 コンビニで文芸部の美少女3人(穂花先輩や結衣ちゃん、そして春奈)のためにハーゲンダッツ2個とガツンといちご1個の、計3個のアイスを買った。そして残り所持金は……、5円なり。

 俺……、お金持ってなさ過ぎだろ……。

 陽が傾いてきた夏の夕空を見上げなら、しみじみと思った。穂花先輩と結衣ちゃんとはもう帰りの道中で分かれ、今隣にはガツンといちごを遠慮がちに食べる春奈がいる。

 その様子を横目で見るとせつなくなるぜ……。

 コンビニのレジでの会計が頭をよぎる。

『じょ、冗談ってことでも良いのよ?(汗)』
『ゆ、結衣はガマンできる子ですよ?(汗)』

 せっかくアイスをおごる(たかられる)のだから、穂花先輩や結衣ちゃんの喜ぶ顔を見たかった。でも、俺の所持金(全財産)の少なさに顔をひきつらせていました……。
 高めのアイスを買ったとはいえ、財布に5円しか残らんってヤバすぎる! 小遣いが少な過ぎだろ! お金を増やしたいが親には言いにくいし……。う~ん、バイトを考えんといかんか……。そうなると穂花先輩や結衣ちゃん、それに春奈との部活動や放課後に過ごす時間が少なくなるよなぁ。う~ん、悩ましい。

「はあ~……」

 ついため息が出てしまう。すると隣にいた春奈が話しかけてきた。

「ご、ごめんねっ。アイスおごってくれて」

 申し訳なさそうに肩をすくめる春奈。いやいや、全然良いのよ。てか、

「春奈もハーゲンダッツじゃなくて良かったのか?」
「えっ? なんで?」
「いや、せっかく奢るんだからさ、良いの選んどかないと損した気にならない? ガツンといちご安いだろ」

 それを聞いた春奈は、小さく笑った。

「財布に5円しか残らなかったのに?」
「うっ……! い、一般論としてだっ! てか5円とか言うなっての。恥ず過ぎる……」
「ふふっ、事実を言っただけですよ? じ・じ・つ」

 そう言って、春奈は少し胸を張りながら得意げに言う。意地悪い笑みが、たく……、可愛いから許すっ。あとバストサイズも教えてくれたらずっと許す!

「ねぇ爽太」
「んんっ!? こほん。な、なんだね?」
「な、なに? その聞き方……?」
「な、なんでもないから気にしないで」
「……、あやしい」

 春奈の目がスッと細くなる。やばっ! 怖い! なんとかしないと!
 俺は興奮を抑え込み、ささっと聞くことにした。

「何か、言いたいことあるんじゃなかったか?」
「あ、うん……。その……、明日は頑張ろうねっ」
「ん……? なにを??」
「もう……、夏休みの課題図書リスト作りのこと」

 そう言って春奈は、不満げに柔らかそうな頬を膨らませる。うむ……、可愛い。あとついでに胸を大きく張ってくれたらなおグッド。

「明日は漫画の話はしないように」
「え~、それはつまらんだろ」
「だ~めっ」

 そう言って春奈は、耳にかかった綺麗な黒髪を少しかきあげる。この仕草は真面目モードのときよくやる。こうなると春奈は少し頑固になるんだよなぁ。明日はグラッ◯ラー◯牙の話したい。穂花先輩、漫画を持ってきそうだし。女子達(文芸部員)と格闘技漫画の話が出来るなんてそうそうないからさ。

 少しの間の沈黙のあと、春菜の家の前に着いてしまった。俺の家はもう少し先。

「じゃあまた明日ね、爽太」
「ん、そうだな……、なあ春奈」

 春奈が目を丸くする、不思議そうに。俺は、どこか愛らしい幼馴染を見つめながら、

「渡したいものがあるんだ」

 自分のカバンに手を突っ込み、クリアファイルに入れてある紙切れを取り出した。

「なにそれ??」

 小首をかしげる春奈に、俺は優しく告げる。

「今年の4月から7月までの、図書館で借りられた本のラインナップ。ざっと100近くあるか」

 春奈の瞳が丸く見開く。

「えっ、そ、それじゃあ……、これを参考にしたら……」
「そっ、夏休みの課題図書の候補リストが作りやすい」

 しかも借りられた本の回数まで調べてある。シンプルに貸し出し数ランキング10位まで選べば、それなりの課題図書のリストが作れる。

「い、いつからこんなの作って……」
「ん? 昼休みとか、暇なときにさ。図書館行って」
「休み時間にそんな大変なこと……」
「超楽だったぞ。図書係に貸し出し本の一覧を見せてもらえて。そこから少しづつ整理してたから、簡単な作業だったよ」
「で、でも、ほぼ毎日続けてたんじゃ……」
 
 うっ、まあそれは否定できない。

 言葉に詰まると、春奈がどこかすねたような声音で話す。

「私も一緒に手伝うのにっ」
「あっ、いや、昼休憩なのに、そんな作業は悪いだろ」 
「爽太だってお昼休憩じゃない。なのに1人頑張って……」

 そのあと春奈の家の玄関前で、俺らは黙り込んでしまった。

 気まずい……。

 俺は頬をかきながら口を開く。

「その、文芸部の皆と楽しくダベる時間を作りたくてさ。それで、俺が勝手に昼休憩で作業してたことだから。ま、まあほんと気にしなくてーーー」
「ちょっと待ってて」
 「へっ??」

 話の途中にさえぎられ、戸惑う。その間に春奈は家のドアを開けて中に入ってしまった。

 えっ? こ、これって、どういうことだってばよ? ……、ま、まさか放置プレイという罰!?

 俺が内心慌てていると、春奈の家のドアが開いた。は、春奈! 良かった戻ってきてくれて! 危うく泣くとこだったぜ。

 春奈が俺の方に近づいて、

「はい、あげる」

 一体なんのことかわからなかった。春奈が少しすねた顔つきで、渡してきたのは、

「おっ、アイス?」
「ううん、シャーベット。爽太はまだ甘くて冷たいもの食べてないでしょ。5円しか持ってないから」
「それ言うなっての……! 恥ずいから!」
「ふふっ、はい」
「お、おう」

 春奈から、棒状の持ち手がついたシャーベットを受け取る。

「私のお気に入りなの」

 春奈が優しく笑う。俺はなんか目を合わせられなくて、手に持ってるシャーベットに視線をやる。キレイなルビー色の、

「ベリー味だよ」

 春奈はそう付け足して嬉しそうに笑った。そういや、文芸部の部室でこのシャーベットの話をしていたっけ。

「えっと、今食べても良い?」
「うん。早く食べないと溶けちゃうよ」
「そうだな」

 透明な袋を開けて取り出したベリー味のシャーベットはとても美味しそうで、自然と喉が鳴る。
 一口かじって、冷たさと爽やかな甘い酸味が広がって、

「うまっ」
「そうでしょ」

 春奈が嬉しそうに笑む。俺もなんか頬が緩んでしまう。シャーベットの美味さ以上に、さ。

「これだけじゃあ割にあわないかもだけど」
「ん? なにが??」

 俺がそう聞くと、春奈は苦笑する。

「爽太が作った貸し出し図書のリストのこと。もっと何かお礼をしてあげれたら良いんだけど……、これぐらいしか今は思い浮かばなくて……」

 そう申し訳なげに言って春奈は少し俯き加減になる。また、訪れる沈黙。
 まいったなぁ……、せっかく良い雰囲気だったんだけど。
 俺は少し頬をかく。
 ほんと、全然気にしてほしくないところなのだが、真面目気質な春奈には難しいかもしれない。なにか、気の利いたお願いごとや話題はないか……。バスト……、こほんこほん、以外で……、あっ。

「なあ、春奈」

 少し落ち込んでる様子の春奈がこっちを見る。

「なに?」
「今日、文芸部の皆とさ、好きなアイスの話してただろ」
「そうだね」
「そんときさ、俺答えてなかったことあっただろ」
「へっ? そんなのあったけ?」
「ほら、俺がアイスクリームかシャーベット、どっちが好きか」

 そう言うと、春奈の瞳が少し見開く。

「そういえば、そんなの聞いてたねっ」
「だろ。だから、今ここで言おうと思う」
「えっ? あ、う、うん」

 少し戸惑う春奈。でも、丸みをおびた瞳は知りたげな様子だ。よしよし、良い感じ。

 俺は、春奈にさらりと言う。

「両方」
「えっ? 両方?」
「そう、アイスクリームもシャーベットも、どっちも好き」

 その答えに、春奈の頬が少しづつ膨らむ。あはは、不満そう。

「ふーん……。なんか、聞いて損したじゃーーー」
「でも一番好きなのは、」

 春奈の声をさえぎる。春奈がこっちを見つめてきて、俺は続きの答えを、自分なりの答えを春奈に伝えた。

「春奈がくれるシャーベットかな」
「ええっ??」

 春奈が戸惑うなか、俺は満面の笑みで、優しく伝える。

「俺は、春奈がくれるシャーベットが一番好きだよ」

 すると、春奈が慌てて口を開く。

「な、なにそれ。い、意味わかんない」
「ん? そうか? じゃあもう一回、春奈がくれるシャーベットが一番すーーー」
「わっ、わかった! もう一回言わなくていいからっ!」
「おいおい、なんか照れてない?」
「も、もう! 照れるわけないでしょ!!」
「んん? そうか? でもなんか顔赤い感じだし……」
「つっ!? も、もう!! そんなことない!! ば、ばか……」

 そう言って、春奈が目を下に向けて、俺が手渡した貸し出し本リストをみつめる。

 あははっ……、なんかやり過ぎたの、かな?? いや、それくらいが良い。落ち込んでいる春奈を見るよりさ。

 俺は春奈を見つめる。俯き加減で、貸し出し本のリストを見つめながら、ぷるぷると震えて恥ずかしげにしている。

 なんか可愛いなあ。まっ、からかうのはこのくらいにしておいて、帰りますか。でも、もう少し春奈のこと見ていたい。

 淡く色づいた耳がなんともいじらしくて……、次第に赤く、ん? 真っ赤も真っ赤に染まっていく?

 あ、あれ? そんな、恥ずかしがる?? 

 春奈の様子に俺の心が焦る。心なしか、春奈の体の震えが、ぷるぷるから、ブルブルとまるで怒っているかのように、

「そ、そ・う・たッ……!!」
「ひっ!? は、はい!」

 春奈のドスのきいた声音に焦る俺。い、一体何が!?!?

 春奈が、俺の目の前に、貸し出し本のリストを突きつける。

「最後の下のところ、なんなのッ……!!」
「へっ!? なんのこと、なっ!?!?」

・正しいバストサイズの見方
・バストの数学
・バスト目利きのすすめ

「こ、これは!?!?」

 俺が気になっているバスト関連の書籍!? な、なぜこんなものが手書きで!? あっ! 図書の貸し出しリストを家であらためて整理してたとき、あまりにも興味のない本ばかりだがら、気分転換に自分好みの本を探したりしてたんだった!? んで、ついメモを……!? け、消すの忘れてた!!

「あと、これはなにッ!?!?」

 ビシッと春奈が指で突きつけたのは、何かの計算式。その先にある求めた解には、

 Harunaπ>D

 俺は血の気が引いた。もう言い訳できない。そう、これは春奈のバス、

「爽太の、ばかああああああッ!!」
「ト、ぶへらっ!?!?」

 春奈の右手のフルスイングが、俺の右頬にクリンヒット。視界に火花みたいなのが、チカチカする。

「ほんとばか! えっち! 変態!! ほんと、もうほんと、ばかなんたから!! もう知らない!! すけべ!! あと、あと、お金5円男ッ!!」
「は、春奈っ!? ま、待って~!!」

 そんな声は届くはずもなく、春奈はどしどしした強い足取りで家の玄関のドアを開け中に入り、ドアは力強く閉められた。

 取り残された俺。

「な、なんだよ……。いってー……」

 右の頬が超痛い。ビンタでもげるかと思ったくらいだ。

「お、俺が悪いけどさ……! それでも」

 そんな強くぶっ叩くなよなっ! てか春奈のために貸し出し本のリスト渡して、励ましたのに、この仕打ちはひどすぎる!!

「くくっ、良いだろう……。春奈、今ここで新たに決意するぜ、俺は、俺は!! 春奈のっ!」

 バストサイズを知りたいぃぃぃっ!!!!

 と、最後は心の中で叫ぶ、紳士宣言をしたのだった。

 あと、右頬が超痛い……!!( ´Д`)y
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