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【小ネタ】とある外出自粛の春のこと。
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時事ネタ。会話文のみ。
読めばわかると思いますが、1話後。もうガンガンに1話後。悪友以上恋人未満時代。だいぶ恋人に近づいてるんじゃないかな?って頃かも。
+ + + + + +
「――で。なんでこの外出自粛の風潮の中で拉致ったのか説明はあるか」
「もちろんある。不要不急の外出自粛ってことはお前と会えないだろ」
「そうだね、不要不急の用事はアンタにないからね」
「お前はそう言うと思った。でもそれじゃ俺がお前に会いたいこの気持ちをどうすりゃいいのかと考えて、いっそ同じ敷地に住めば不要でも不急でも外出せずに会えるなと」
「……ばっっっっっかじゃないの?」
「お前俺を罵倒するとき思い切り罵倒するよな」
「いやだって……もうどこから突っ込めばいいかわかんないくらいバカのバカ理論で……」
「俺がお前の家に行くのも考えたけど、まずお前は『不要不急の外出するとか世論を知らないの? バカなの?』って言うと思った」
「まあ言うだろうね」
「次にお前の家でソーシャルディスタンスも三密避けるのも無理そうだなって思った」
「若干頷きたくないけどまあ快適に三密を避けてソーシャルディスタンスを確保できるかと言ったらできないな」
「んでもって一回ならともかく二回目以降はお前の俺への心証がダダ下がりしていくだけだろうなとも思った」
「不要不急の外出を重ねたらそうだな」
「だから拉致った」
「一足飛びに結論出すのやめろ」
「俺がお前に会いたいほどにはお前は俺に会いたくも心配してもいないかもしれないけど、俺は会いたいし心配だから目の届くところにいてほしかったから拉致った」
「……同意をとれ、同意を」
「万が一同意をとれなかった場合俺が我慢するわけだろ。無理だから最初から拉致ったほうが早いと思って」
「……バカのバカ理論に甘い顔をしすぎたか……」
「なんだかんだ言ってお前最近俺に甘くなってきたもんな」
「わかっててやってるところが腹立つ」
「このご時世、プロポーズした相手の安否が心配になるのは普通だろ?」
「そこで取る手段が普通じゃないでしょアンタは。……何なのこのだだっ広い部屋とパソコン機器とヘッドセット」
「ソーシャルディスタンスを確保しつつ顔見て話せるように」
「ソーシャルディスタンス確保しててもふつうに会話はできるっての」
「表情の仔細がわかんなくてさみしいだろ」
「同意を求めるな」
「まーこれは念のためだけど。もしなんかあった時に『プロポーズした人』と『プロポーズされた人』程度の関係じゃ何にもできないだろ。じゃあ物理的に距離を縮めとくしかないなと」
「……これがアンタが真剣に考えてのことだってわかってしまう自分の理解力が優秀すぎてにくい」
「愛だな」
「腐れ縁の成果」
「何でもいいから、自分の家だと思ってくつろげよ。前も来た家だし慣れたろ」
「慣れるかこんな家。……でもまあこれで自分ちに戻ってもまたどうせアンタが拉致しに来るんでしょ」
「まあな」
「ドヤ顔すんな。……だったら大人しく世話になる。不要不急の外出重ねたくないし」
「愛?」
「バカも休み休み言え」
+ + + + + +
有難いご心配のお言葉とともに「人の行き来が制限される状況を2人だったらどう乗り越えるのか」とのリクエストをいただいたので、書いてみました。
レンの頭には拉致しかないのかというくらい拉致ネタを書いてしまっていますが、今回の拉致はわりと暗黙の同意があったものと思われます。同意をとれとか言われてるけど。
ちなみに悪友時代だと拉致まではしないけど、主人公の元にテレビ会議とかできそうな機器が届いたりするんじゃないでしょうか。ちょっと会えないことにしんみりしてた主人公は一気に脱力するに違いない。
リクエストありがとうございました!楽しんでいただければ幸いです。
読めばわかると思いますが、1話後。もうガンガンに1話後。悪友以上恋人未満時代。だいぶ恋人に近づいてるんじゃないかな?って頃かも。
+ + + + + +
「――で。なんでこの外出自粛の風潮の中で拉致ったのか説明はあるか」
「もちろんある。不要不急の外出自粛ってことはお前と会えないだろ」
「そうだね、不要不急の用事はアンタにないからね」
「お前はそう言うと思った。でもそれじゃ俺がお前に会いたいこの気持ちをどうすりゃいいのかと考えて、いっそ同じ敷地に住めば不要でも不急でも外出せずに会えるなと」
「……ばっっっっっかじゃないの?」
「お前俺を罵倒するとき思い切り罵倒するよな」
「いやだって……もうどこから突っ込めばいいかわかんないくらいバカのバカ理論で……」
「俺がお前の家に行くのも考えたけど、まずお前は『不要不急の外出するとか世論を知らないの? バカなの?』って言うと思った」
「まあ言うだろうね」
「次にお前の家でソーシャルディスタンスも三密避けるのも無理そうだなって思った」
「若干頷きたくないけどまあ快適に三密を避けてソーシャルディスタンスを確保できるかと言ったらできないな」
「んでもって一回ならともかく二回目以降はお前の俺への心証がダダ下がりしていくだけだろうなとも思った」
「不要不急の外出を重ねたらそうだな」
「だから拉致った」
「一足飛びに結論出すのやめろ」
「俺がお前に会いたいほどにはお前は俺に会いたくも心配してもいないかもしれないけど、俺は会いたいし心配だから目の届くところにいてほしかったから拉致った」
「……同意をとれ、同意を」
「万が一同意をとれなかった場合俺が我慢するわけだろ。無理だから最初から拉致ったほうが早いと思って」
「……バカのバカ理論に甘い顔をしすぎたか……」
「なんだかんだ言ってお前最近俺に甘くなってきたもんな」
「わかっててやってるところが腹立つ」
「このご時世、プロポーズした相手の安否が心配になるのは普通だろ?」
「そこで取る手段が普通じゃないでしょアンタは。……何なのこのだだっ広い部屋とパソコン機器とヘッドセット」
「ソーシャルディスタンスを確保しつつ顔見て話せるように」
「ソーシャルディスタンス確保しててもふつうに会話はできるっての」
「表情の仔細がわかんなくてさみしいだろ」
「同意を求めるな」
「まーこれは念のためだけど。もしなんかあった時に『プロポーズした人』と『プロポーズされた人』程度の関係じゃ何にもできないだろ。じゃあ物理的に距離を縮めとくしかないなと」
「……これがアンタが真剣に考えてのことだってわかってしまう自分の理解力が優秀すぎてにくい」
「愛だな」
「腐れ縁の成果」
「何でもいいから、自分の家だと思ってくつろげよ。前も来た家だし慣れたろ」
「慣れるかこんな家。……でもまあこれで自分ちに戻ってもまたどうせアンタが拉致しに来るんでしょ」
「まあな」
「ドヤ顔すんな。……だったら大人しく世話になる。不要不急の外出重ねたくないし」
「愛?」
「バカも休み休み言え」
+ + + + + +
有難いご心配のお言葉とともに「人の行き来が制限される状況を2人だったらどう乗り越えるのか」とのリクエストをいただいたので、書いてみました。
レンの頭には拉致しかないのかというくらい拉致ネタを書いてしまっていますが、今回の拉致はわりと暗黙の同意があったものと思われます。同意をとれとか言われてるけど。
ちなみに悪友時代だと拉致まではしないけど、主人公の元にテレビ会議とかできそうな機器が届いたりするんじゃないでしょうか。ちょっと会えないことにしんみりしてた主人公は一気に脱力するに違いない。
リクエストありがとうございました!楽しんでいただければ幸いです。
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