21 / 75
王道ベタネタ(?)×ぐだぐだ日常編
『いつもと違う真剣な彼にドキッ!』なイベントが起こったようです。
しおりを挟む
ベタを通り越してベッタベタもいいところ。報告者はユズ。
+ + + + + +
「聞いて聞いてー!!」
「何をだ。っつーかうるさい」
「冷たいっ! まあそれはともかく、聞いて聞いて!」
「だから何をだ。そこに座って三回深呼吸して声量を落とした後なら聞いてやる」
「わかった!」
(深呼吸中)
「よし三回! あのねあのねっ! 目が合った!!」
「……は?」
「誰か来たなとは思ったんだけど稽古中だからそっち見れなくて! 稽古終わって気配する方見たらあの子が!! オレのこと見てくれてたってことだよね!? しかも目が合ったんだよ?! すごくない!?」
「とりあえずもう1ランク声量落とせ。あと順序立てて話せ。二度言わせるなよ?」
「……ご、ごめんなさい……」
「わかればよろしい。で?」
「今日の朝、久しぶりに学校の武道場で稽古したんだけど、途中から誰かが覗いてて」
「うん」
「何か知ってる気配っぽかったから、気になったけど区切りつくまでそのままにしてて」
「うん」
「稽古終わって誰が覗いてたのか確認したらあの子だった上に、目が合ってちょっと調子に乗りすぎましたごめんなさい」
「いや別に二回も謝らなくてもいいけど。もし次やったらそれ相応に対応するだけで」
「ホントごめんなさい……!」
「――しかし、朝稽古か……」
「……な、なんかまずかった?」
「いや? 多分あんたにとってはよかったんじゃない」
「え?」
「あんたが傍から見て真剣に見えるのって、稽古とか試合中くらいだし。多少は印象良くなったかもよ」
「それってオレがいつもは真剣に見えないってことだよね?」
「否定はしない」
「そこは否定して欲しかったです!」
「無理言うな」
「え、無理なの……?」
「無理。無い袖は振れないんで。……まあよかったな? 目を逸らされる状態からは脱却できそうだし」
「うん! 脱却できるように頑張る!」
「頑張るな。逆効果だから」
「えええ!? オレのやる気全否定!?」
「否定はしてない。ただ『目を逸らされる』から『避けられる』にクラスチェンジしたいとかじゃないならやめとけってだけで」
「わかったやめます!」
「そうしとけ」
「……」
「…………」
「……何もしちゃダメ? こっちから近付いちゃダメ?」
「――二度は言わせるなっつっただろうが」
「ご、ごめんなさいもう言いません!」
「このトリ頭が。全力で懐きに行ってドン引かれた後なんだから自重しろ。もう一回引かれたらもう知らないからな?」
「そ、そんなこと言わないで! 見捨てないでー!!」
+ + + + + +
「聞いて聞いてー!!」
「何をだ。っつーかうるさい」
「冷たいっ! まあそれはともかく、聞いて聞いて!」
「だから何をだ。そこに座って三回深呼吸して声量を落とした後なら聞いてやる」
「わかった!」
(深呼吸中)
「よし三回! あのねあのねっ! 目が合った!!」
「……は?」
「誰か来たなとは思ったんだけど稽古中だからそっち見れなくて! 稽古終わって気配する方見たらあの子が!! オレのこと見てくれてたってことだよね!? しかも目が合ったんだよ?! すごくない!?」
「とりあえずもう1ランク声量落とせ。あと順序立てて話せ。二度言わせるなよ?」
「……ご、ごめんなさい……」
「わかればよろしい。で?」
「今日の朝、久しぶりに学校の武道場で稽古したんだけど、途中から誰かが覗いてて」
「うん」
「何か知ってる気配っぽかったから、気になったけど区切りつくまでそのままにしてて」
「うん」
「稽古終わって誰が覗いてたのか確認したらあの子だった上に、目が合ってちょっと調子に乗りすぎましたごめんなさい」
「いや別に二回も謝らなくてもいいけど。もし次やったらそれ相応に対応するだけで」
「ホントごめんなさい……!」
「――しかし、朝稽古か……」
「……な、なんかまずかった?」
「いや? 多分あんたにとってはよかったんじゃない」
「え?」
「あんたが傍から見て真剣に見えるのって、稽古とか試合中くらいだし。多少は印象良くなったかもよ」
「それってオレがいつもは真剣に見えないってことだよね?」
「否定はしない」
「そこは否定して欲しかったです!」
「無理言うな」
「え、無理なの……?」
「無理。無い袖は振れないんで。……まあよかったな? 目を逸らされる状態からは脱却できそうだし」
「うん! 脱却できるように頑張る!」
「頑張るな。逆効果だから」
「えええ!? オレのやる気全否定!?」
「否定はしてない。ただ『目を逸らされる』から『避けられる』にクラスチェンジしたいとかじゃないならやめとけってだけで」
「わかったやめます!」
「そうしとけ」
「……」
「…………」
「……何もしちゃダメ? こっちから近付いちゃダメ?」
「――二度は言わせるなっつっただろうが」
「ご、ごめんなさいもう言いません!」
「このトリ頭が。全力で懐きに行ってドン引かれた後なんだから自重しろ。もう一回引かれたらもう知らないからな?」
「そ、そんなこと言わないで! 見捨てないでー!!」
0
お気に入りに追加
8
あなたにおすすめの小説
隠れオタクの女子社員は若社長に溺愛される
永久保セツナ
恋愛
【最終話まで毎日20時更新】
「少女趣味」ならぬ「少年趣味」(プラモデルやカードゲームなど男性的な趣味)を隠して暮らしていた女子社員・能登原こずえは、ある日勤めている会社のイケメン若社長・藤井スバルに趣味がバレてしまう。
しかしそこから二人は意気投合し、やがて恋愛関係に発展する――?
肝心のターゲット層である女性に理解できるか分からない異色の女性向け恋愛小説!
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
私の隣は、心が見えない男の子
舟渡あさひ
青春
人の心を五感で感じ取れる少女、人見一透。
隣の席の男子は九十九くん。一透は彼の心が上手く読み取れない。
二人はこの春から、同じクラスの高校生。
一透は九十九くんの心の様子が気になって、彼の観察を始めることにしました。
きっと彼が、私の求める答えを持っている。そう信じて。
天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】
田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。
俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。
「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」
そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。
「あの...相手の人の名前は?」
「...汐崎真凛様...という方ですね」
その名前には心当たりがあった。
天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。
こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。
冬の水葬
束原ミヤコ
青春
夕霧七瀬(ユウギリナナセ)は、一つ年上の幼なじみ、凪蓮水(ナギハスミ)が好き。
凪が高校生になってから疎遠になってしまっていたけれど、ずっと好きだった。
高校一年生になった夕霧は、凪と同じ高校に通えることを楽しみにしていた。
美術部の凪を追いかけて美術部に入り、気安い幼なじみの間柄に戻ることができたと思っていた――
けれど、そのときにはすでに、凪の心には消えない傷ができてしまっていた。
ある女性に捕らわれた凪と、それを追いかける夕霧の、繰り返す冬の話。
先輩に振られた。でも、いとこと幼馴染が結婚したいという想いを伝えてくる。俺を振った先輩は、間に合わない。恋、デレデレ、甘々でラブラブな青春。
のんびりとゆっくり
青春
俺、海春夢海(うみはるゆめうみ)。俺は高校一年生の時、先輩に振られた。高校二年生の始業式の日、俺は、いとこの春島紗緒里(はるしまさおり)ちゃんと再会を果たす。彼女は、幼い頃もかわいかったが、より一層かわいくなっていた。彼女は、俺に恋している。そして、婚約して結婚したい、と言ってきている。戸惑いながらも、彼女の熱い想いに、次第に彼女に傾いていく俺の心。そして、かわいい子で幼馴染の夏森寿々子(なつもりすずこ)ちゃんも、俺と婚約して結婚してほしい、という気持ちを伝えてきた。先輩は、その後、付き合ってほしいと言ってきたが、間に合わない。俺のデレデレ、甘々でラブラブな青春が、今始まろうとしている。この作品は、「小説家になろう」様「カクヨム」様にも投稿しています。「小説家になろう」様「カクヨム」様への投稿は、「先輩に振られた俺。でも、その後、いとこと幼馴染が婚約して結婚したい、という想いを一生懸命伝えてくる。俺を振った先輩が付き合ってほしいと言ってきても、間に合わない。恋、デレデレ、甘々でラブラブな青春。」という題名でしています。
脅され彼女~可愛い女子の弱みを握ったので脅して彼女にしてみたが、健気すぎて幸せにしたいと思った~
みずがめ
青春
陰キャ男子が後輩の女子の弱みを握ってしまった。彼女いない歴=年齢の彼は後輩少女に彼女になってくれとお願いする。脅迫から生まれた恋人関係ではあったが、彼女はとても健気な女の子だった。
ゲス男子×健気女子のコンプレックスにまみれた、もしかしたら純愛になるかもしれないお話。
※この作品は別サイトにも掲載しています。
※表紙イラストは、あっきコタロウさんに描いていただきました。
久野市さんは忍びたい
白い彗星
青春
一人暮らしの瀬戸原 木葉の下に現れた女の子。忍びの家系である久野市 忍はある使命のため、木葉と一緒に暮らすことに。同年代の女子との生活に戸惑う木葉だが……?
木葉を「主様」と慕う忍は、しかし現代生活に慣れておらず、結局木葉が忍の世話をすることに?
日常やトラブルを乗り越え、お互いに生活していく中で、二人の中でその関係性に変化が生まれていく。
「胸がぽかぽかする……この気持ちは、いったいなんでしょう」
これは使命感? それとも……
現代世界に現れた古き忍びくノ一は、果たして己の使命をまっとうできるのか!?
木葉の周囲の人々とも徐々に関わりを持っていく……ドタバタ生活が始まる!
小説家になろう、ノベルピア、カクヨムでも連載しています!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる