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えくすとら

【小ネタ】ついったー再録詰め。6

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ソシャゲと二次元アイドルと彼が世話焼きだという話。オチはない。

+ + + + + +

「ついに二次元アイドルものの深みにはまってしまった」

「沼なの分かり切ってるから近寄らないとか言ってなかったっけ」

「シナリオがいいという評判には抗えなかった……音ゲー要素きっついけど面白い。すごく面白い」

「やっぱなんだかんだシナリオ大事だよな」

「キャラももちろん大事だけどシナリオよくないと魅力を脳内補完みたいなことになるからね。半減だからね」

「で、誰に落ちた?」

「第一印象から決めてた人は穏やかに愛でてるんだけどまだストーリーに出てきてない人がドツボな予感で」

「なんでそんな落ち方した」

「本編で出会う前にガチャで出会ってしまい」

「ソシャゲあるあるだな」

「見た目も好みっちゃ好みだけど、クール系と思ってその方向で身構えてたら天然でズレててなんかこう」

「つまりギャップにやられたわけか」

「その通りです」

「まあ気持ちはわかる。が、あんたちょっと沼増やしすぎじゃね?」

「自覚はしてる」

「自分で金稼ぎ始めたからっつっても課金はほどほどにな?」

「ほどほどにお布施は愛の証明だよね?」

「あんたのほどほどは結構信用ならない気がしてきているが、まあそうだな」

「いつの間にか信用が失墜していたとは」

「あんたわりと躊躇なく金突っ込むから」

「君だってオタクなことには金に糸目はつけないじゃん……そんな私だけ金銭感覚ぶっ壊れたみたいな言いぐさは心外です」

「訂正しよう。躊躇なく食費を削って金を突っ込むから心配で」

「ごはんはちゃんと食べてる」

「その『ちゃんと』の基準が俺と違うんだって」

「だからってご飯おすそ分けに来る君は心配性だよね」

「食費っつって金渡してくるあんたは律儀だよな」

「いや普通の感性でしょ。料理苦手だからそっちで返せないし、菓子折り渡すくらいなら現金のがいいと思うし、それが許される間柄だと思ってるし?」

「まあ、うん。だからこそ俺だってこうして押しかけおさんどんしてるわけだしな」

「私にとってはいいことばっかりだけどさ、君、面倒見良すぎて貧乏くじ引くタイプだよね」

「そんなことは」

「というかまさしくそっち系のギャルゲー主人公感バリバリだよね」

「なんでそれ言った?」

「自覚がないなら促してあげないと落とし穴に落ちるかなと思って」

「自覚はあるっての」

「自覚があってなんでそんなハーレム要員ホイホイみたいな性格で固まっちゃったの?」

「性格を変えたところで同じように望まない状況に置かれるなら素のままのがストレス溜まんないだろ」

「試したことあるんだ?」

「性格ってか、対応だけどな。どうせ曲解されるんだからもうどうでもいいと思うことにした」

「そういうとこ割り切りいいよね君」

「あんたは試したことないわけ?」

「私の方は元々そんな人当たりよくないのに寄って来るからもうどうしようもなかったし。実態はただのコミュ障なのに勝手にフィルターかけられて違うもの見えてるから」

「あんたの方、勘違いモノっぽいとこあるよな」

「そこまではない……と思ってるけどそろそろ認識改めるべきかな……。どう考えても実態とかけ離れた理解をされるのはもう仕方ないものと諦めた」

「それはそれでストレス溜まりそうだよな」

「イケメンに限らず親しくない人間が寄ってくるってだけでストレスだから……。イケメンは画面の向こうを眺めるのが一番だよね」

「二次元アイドルの魅力にも目覚めてしまったことだし?」

「そうそう。あっそうだ今季アニメのアイドルものの3Dライブがすごい出来よかったから観て」

「ゲームだけじゃなくてアニメにも手を伸ばしてたのかあんた」

「全部存在は知ってたから一つ落ちるともうなし崩しで……」

「ちょっと話聞かない内に一気にいろいろ落ちてるのはわりといつものことだけど……もう食事管理俺がした方がいい気がしてきた」

「何も言わない内から食費を削ってるものと思われた」

「じゃあ否定できるか?」

「いやできませんけど」


+ + + + + +

こういうときにさらっと「心配で」とか言うから君はギャルゲー主人公なんだよ…って思ってるけどいつものことすぎて言わないやつ。
一応大学生あたり、それぞれ一人暮らししてる。そのうちルームシェアを始める。それを世間では同棲と言う。
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