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えくすとら
【リクエスト派生小ネタ】ある種のイベントが解禁されてしまったようです。
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これは、「逆ハー補正とかリアルで求めてないんで二次元愛でさせてください」な彼女と、「ハーレムは二次元だからいいのであって現実では微塵も求めてないんですが」な彼が、乱立するリアル恋愛フラグを折るために「(偽装)恋人できましたー」と周囲に報告した後、それなりに平穏と言えなくもない日々を過ごしていた――のだけれどそれが壊された日の会話の一片である。
+ + + + + +
「なんなの今日のイベント率……」
「っつーか遭遇率な」
「遭遇=イベントだからどっちでも変わらないと思うの」
「それは同意するが」
「今まで一緒にいてお互いのイベントに巻き込まれることなかったのにいきなり一気にそれ系起きすぎじゃない?」
「条件の最後の一個が今日揃ったとかなんじゃね」
「『~日以降発生』とかそういう?」
「そういう」
「だとしても一緒に行動してたら安全だったのが打ち砕かれたのがつらい」
「いやでも『コイビトできましたー』ってやったあとに起きた修羅場はそれ系だったろ。正直いつ来てもおかしくないと思ってた。嫉妬イベは定番だし」
「定番だけどアレ以降起きてなかったから、そういう世界観……ルール?なんだとばかり……」
「希望的観測ってやつだな」
「希望が本当に希望で終わってしまったのが悲しい」
「まぁ現実はいつだって残酷なものだろ」
「……最近君諦めがよくなったね……」
「リアルは敵でしかないと割り切った」
「それもどうなの」
「どうなのと言われても。あんたはなんだかんだ現実に希望を見るのをやめないよな」
「君ほど心が強くないんだよ」
「そういう問題か? ……にしても確かに今回のはちょっといろいろ考えた方がいいかもな。対策とか」
「って言っても対策とか立てられる類のものなの?」
「それは今後の経過を観察するしかないだろうけど。だって今回のイベント、タイトルつけるなら『ライバル宣言』とか『宣戦布告』って感じだったろ。つまり――」
「――猛攻が始まる予感?」
「そのレベルまで行くなら逃避行ルートも視野に入れたいところだが。つまり一応の防波堤が全く防波堤にならなくなったってことだと思うんだよな」
「コイビトいるのを承知した上で、そっちより自分を選ばせてみせる的宣言だったもんね……特に君の方の方々はあからさまだった……」
「あんたの方だって言い方柔らかめなだけで内容的に変わりはなかっただろ」
「やめて言葉の裏はあえて読まないことにしてるんだから。……でもあの言い方だと、ライバル宣言自体はしてきたけど、直接に何かするのは君に対してで変わりなさそうだったね」
「あんたの方もな。まぁコイビトと破局させることに心血注いでも自分を選んでもらえなきゃ意味ないしそういうもんだろ」
「確かに恋愛ゲームでライバルの足引っ張るのをメインにされてもクソゲー感しかないしね」
「っつーことでフラグ的なものがたってる連中からはこれまでより積極的に絡まれることが予測されるわけだが」
「今すぐフラグ折りたい」
「それは俺も同じだっての。だがしかしこの世界のフラグは折り方が不明すぎて手の出しようがない」
「現実が無情すぎる。……とりあえず今日イベントあった人からは極力逃げるとか?」
「こういう時のセオリー、よく思い返せ。それは多分悪手だ。もしくは新たなフラグだ」
「ああ、逃げられると追いかけたくなる心理的な……。じゃあダメだね」
「まぁフツーに考えると採れる手なんてそれくらいしかないから詰みでしかないんだが」
「絶望を直視させないでほしい」
「とにかくなかったことレベルにひたすら流すのが無難じゃないかと思っている」
「それあれじゃん……鈍感難聴主人公そのものじゃん……」
「あっちからの接触そのものを避けられなさそうな以上仕方ないだろ……」
「ねぇ根本的な解決になってないよねその対策」
「言うな、俺だってこんな消極的な手を採りたくはない」
「でも他に手段があるかって言ったら思いつかないしね……いっそ転校とかでリセットできたら」
「新たなハーレム要員が生まれるだけにしか思えないのがこの世界のこわいところだよな」
「何してもフラグ立って何しても攻略対象が増えるってただのクソゲーだよ……ゲーム性ゼロだよ……」
「一応これ現実(リアル)だからな。仕方ないな」
「どこまでも二次元っぽいくせにこれだから三次元(リアル)は……!」
+ + + + + +
「たまたまデート(という偽装で、主人公二人でゲームを買いに行った)時、たまたま、互いのハーレムor逆ハー要員(ただし、ヤンデレ除く)に出逢った際の相手方の反応」が知りたいというリクエストを頂いたので、考えてみた結果できあがった代物です。
だいぶリクエストから逸れた自覚はあるのですが、イベントそのものは描写しないシリーズなのでご容赦いただければ……。
+ + + + + +
「なんなの今日のイベント率……」
「っつーか遭遇率な」
「遭遇=イベントだからどっちでも変わらないと思うの」
「それは同意するが」
「今まで一緒にいてお互いのイベントに巻き込まれることなかったのにいきなり一気にそれ系起きすぎじゃない?」
「条件の最後の一個が今日揃ったとかなんじゃね」
「『~日以降発生』とかそういう?」
「そういう」
「だとしても一緒に行動してたら安全だったのが打ち砕かれたのがつらい」
「いやでも『コイビトできましたー』ってやったあとに起きた修羅場はそれ系だったろ。正直いつ来てもおかしくないと思ってた。嫉妬イベは定番だし」
「定番だけどアレ以降起きてなかったから、そういう世界観……ルール?なんだとばかり……」
「希望的観測ってやつだな」
「希望が本当に希望で終わってしまったのが悲しい」
「まぁ現実はいつだって残酷なものだろ」
「……最近君諦めがよくなったね……」
「リアルは敵でしかないと割り切った」
「それもどうなの」
「どうなのと言われても。あんたはなんだかんだ現実に希望を見るのをやめないよな」
「君ほど心が強くないんだよ」
「そういう問題か? ……にしても確かに今回のはちょっといろいろ考えた方がいいかもな。対策とか」
「って言っても対策とか立てられる類のものなの?」
「それは今後の経過を観察するしかないだろうけど。だって今回のイベント、タイトルつけるなら『ライバル宣言』とか『宣戦布告』って感じだったろ。つまり――」
「――猛攻が始まる予感?」
「そのレベルまで行くなら逃避行ルートも視野に入れたいところだが。つまり一応の防波堤が全く防波堤にならなくなったってことだと思うんだよな」
「コイビトいるのを承知した上で、そっちより自分を選ばせてみせる的宣言だったもんね……特に君の方の方々はあからさまだった……」
「あんたの方だって言い方柔らかめなだけで内容的に変わりはなかっただろ」
「やめて言葉の裏はあえて読まないことにしてるんだから。……でもあの言い方だと、ライバル宣言自体はしてきたけど、直接に何かするのは君に対してで変わりなさそうだったね」
「あんたの方もな。まぁコイビトと破局させることに心血注いでも自分を選んでもらえなきゃ意味ないしそういうもんだろ」
「確かに恋愛ゲームでライバルの足引っ張るのをメインにされてもクソゲー感しかないしね」
「っつーことでフラグ的なものがたってる連中からはこれまでより積極的に絡まれることが予測されるわけだが」
「今すぐフラグ折りたい」
「それは俺も同じだっての。だがしかしこの世界のフラグは折り方が不明すぎて手の出しようがない」
「現実が無情すぎる。……とりあえず今日イベントあった人からは極力逃げるとか?」
「こういう時のセオリー、よく思い返せ。それは多分悪手だ。もしくは新たなフラグだ」
「ああ、逃げられると追いかけたくなる心理的な……。じゃあダメだね」
「まぁフツーに考えると採れる手なんてそれくらいしかないから詰みでしかないんだが」
「絶望を直視させないでほしい」
「とにかくなかったことレベルにひたすら流すのが無難じゃないかと思っている」
「それあれじゃん……鈍感難聴主人公そのものじゃん……」
「あっちからの接触そのものを避けられなさそうな以上仕方ないだろ……」
「ねぇ根本的な解決になってないよねその対策」
「言うな、俺だってこんな消極的な手を採りたくはない」
「でも他に手段があるかって言ったら思いつかないしね……いっそ転校とかでリセットできたら」
「新たなハーレム要員が生まれるだけにしか思えないのがこの世界のこわいところだよな」
「何してもフラグ立って何しても攻略対象が増えるってただのクソゲーだよ……ゲーム性ゼロだよ……」
「一応これ現実(リアル)だからな。仕方ないな」
「どこまでも二次元っぽいくせにこれだから三次元(リアル)は……!」
+ + + + + +
「たまたまデート(という偽装で、主人公二人でゲームを買いに行った)時、たまたま、互いのハーレムor逆ハー要員(ただし、ヤンデレ除く)に出逢った際の相手方の反応」が知りたいというリクエストを頂いたので、考えてみた結果できあがった代物です。
だいぶリクエストから逸れた自覚はあるのですが、イベントそのものは描写しないシリーズなのでご容赦いただければ……。
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