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えくすとら
【小ネタ】夏休みについての各自の反応。
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ふと思いついたのでついったーで流した小話を若干修正したもの。
フラグ乱立どころか地雷原状態だよねなにそれこわい。っていう会話。
+ + + + + +
「夏休みが……夏休みが来る……」
「この世の終わりみたいな顔してどうした」
「夏休みが来る」
「そりゃそうだな。で?」
「……なんで平然としてるの?」
「なんでそんな信じられないモノを見るような目で見られてんだ俺」
「夏休みといえばイベントラッシュだよ? 普段外出しなければ学校以外では顔を合わせない奴らと遭遇する機会が何故か増すどころか跳ね上がるんだよ? 家にまで誘いに来るんだよ?」
「そ、そうなのか。……いやでもこの世界がそうとは限らないだろ。それ某3年かけて告白させるゲーの話だろ」
「この世界のフラグ回収率、知ってる? 嫌な予想ほど百発百中なこの世界の現実知ってる?」
「知ってる、知ってるから落ち着け。まだ希望はある」
「この世に希望などない」
「ホント落ち着け。キャラ迷子になってるから」
「キャラとかどうでもいいから現実を回避したい」
「日本語も迷子になってるからマジで落ち着け。な?」
「げんじつなんて……げんじつなんてばくはつしてしまえ……」
「物理的に無理だから。現実って概念は爆破できないから」
「で、何。君に打開策でもあるの?」
「唐突に素に戻るのもどうかと」
「藁にも縋る心持ちなので、口先だけの慰めだったら夏休み中出禁にするから」
「本気度やべぇな?! 俺としても避難場所無くなるのは御免こうむるし別に口先だけじゃない」
「やけに自信ありげだね?」
「そう見えるか? 単純に、この世界のイベント率もたまにはいいことするってだけの話だよ」
「……?」
「じゃっじゃーん、海水浴場にほど近い高級ホテル宿泊券だ」
「効果音古い」
「反応が冷たい」
「……どうしたのこれ」
「ベタに福引で当てた」
「ベタすぎる……」
「でもまあ使い方についてはイベントの流れで強制決定とかじゃなかったからな。イベント起きそうな辺りになったらこれ使って雲隠れすればいいだろ」
「なるほど。……でも前みたいに強制出会いイベ起きたらどうするの」
「その可能性排除しようとした場合この世界で生きるの無理だって悟った」
「ついに悟りの境地に……」
「出会いイベ多いの圧倒的に俺だからな。悟らざるをえない」
「それについては同情する」
「じゃあ夏は小旅行行くぞってことで」
「言っとくけど泳ぐ気はないからね?」
「大丈夫だ俺もない。冷房の効いた部屋で嫁と過ごす以外の夏の楽しみがあっただろうか。いやない」
「反語まで使って強調したかったの。気持ちはわかるけど」
「新作出たのに全然やれてないから、俺はこの夏は積みゲー崩しに充てると決めたんだ」
「キリっとした顔で言うのがそれってどうよ。まあ私もだけど。海はスルーでいいわけね」
「悟ったとはいえ自分から地雷原に突っ込む気はないからな」
「ついに地雷扱いになったの……」
「やめろ、哀れんだ目で見るな」
「見てないよ被害妄想だよ。こっちだって似たようなものだし」
「イベント発生率はあんたの方が高いもんな……」
そうして迎えた夏休み、満を持して向かった避難先のホテルで、予想に違わず出会いイベントが発生し彼らのSAN値がいつもどおり危機に晒されるわけだが――今はまだ、その未来から目を逸らす二人がそこにいたのだった。
フラグ乱立どころか地雷原状態だよねなにそれこわい。っていう会話。
+ + + + + +
「夏休みが……夏休みが来る……」
「この世の終わりみたいな顔してどうした」
「夏休みが来る」
「そりゃそうだな。で?」
「……なんで平然としてるの?」
「なんでそんな信じられないモノを見るような目で見られてんだ俺」
「夏休みといえばイベントラッシュだよ? 普段外出しなければ学校以外では顔を合わせない奴らと遭遇する機会が何故か増すどころか跳ね上がるんだよ? 家にまで誘いに来るんだよ?」
「そ、そうなのか。……いやでもこの世界がそうとは限らないだろ。それ某3年かけて告白させるゲーの話だろ」
「この世界のフラグ回収率、知ってる? 嫌な予想ほど百発百中なこの世界の現実知ってる?」
「知ってる、知ってるから落ち着け。まだ希望はある」
「この世に希望などない」
「ホント落ち着け。キャラ迷子になってるから」
「キャラとかどうでもいいから現実を回避したい」
「日本語も迷子になってるからマジで落ち着け。な?」
「げんじつなんて……げんじつなんてばくはつしてしまえ……」
「物理的に無理だから。現実って概念は爆破できないから」
「で、何。君に打開策でもあるの?」
「唐突に素に戻るのもどうかと」
「藁にも縋る心持ちなので、口先だけの慰めだったら夏休み中出禁にするから」
「本気度やべぇな?! 俺としても避難場所無くなるのは御免こうむるし別に口先だけじゃない」
「やけに自信ありげだね?」
「そう見えるか? 単純に、この世界のイベント率もたまにはいいことするってだけの話だよ」
「……?」
「じゃっじゃーん、海水浴場にほど近い高級ホテル宿泊券だ」
「効果音古い」
「反応が冷たい」
「……どうしたのこれ」
「ベタに福引で当てた」
「ベタすぎる……」
「でもまあ使い方についてはイベントの流れで強制決定とかじゃなかったからな。イベント起きそうな辺りになったらこれ使って雲隠れすればいいだろ」
「なるほど。……でも前みたいに強制出会いイベ起きたらどうするの」
「その可能性排除しようとした場合この世界で生きるの無理だって悟った」
「ついに悟りの境地に……」
「出会いイベ多いの圧倒的に俺だからな。悟らざるをえない」
「それについては同情する」
「じゃあ夏は小旅行行くぞってことで」
「言っとくけど泳ぐ気はないからね?」
「大丈夫だ俺もない。冷房の効いた部屋で嫁と過ごす以外の夏の楽しみがあっただろうか。いやない」
「反語まで使って強調したかったの。気持ちはわかるけど」
「新作出たのに全然やれてないから、俺はこの夏は積みゲー崩しに充てると決めたんだ」
「キリっとした顔で言うのがそれってどうよ。まあ私もだけど。海はスルーでいいわけね」
「悟ったとはいえ自分から地雷原に突っ込む気はないからな」
「ついに地雷扱いになったの……」
「やめろ、哀れんだ目で見るな」
「見てないよ被害妄想だよ。こっちだって似たようなものだし」
「イベント発生率はあんたの方が高いもんな……」
そうして迎えた夏休み、満を持して向かった避難先のホテルで、予想に違わず出会いイベントが発生し彼らのSAN値がいつもどおり危機に晒されるわけだが――今はまだ、その未来から目を逸らす二人がそこにいたのだった。
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