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7:ルキウス第一王子視点⑤※
しおりを挟む一回ヤッてしまえば、あとはなし崩し的にズルズルと行うのが人の常だ。
最初の緊張感はとうに無くて、今日もシャーロッテの身体を貪る。以前は学園が休みの日だけだったけど、シャーロッテがまだ入学してなくて暇でしょうがないっていうから、学園を二、三時間ちょっと抜け出したり、ずる休みして三日に一回は会ってるかな。
初めのうちは連れ込み宿を使っていたんだけど、彼女が情報を仕入れてきて、無人の森小屋でヤルようになった。
シャーロッテがまだ侯爵に引き取られていない頃、伯爵家が雇用していた下男が住んでいた小屋だったみたいで、解雇したので今は誰も住んでいないそうだ。
ベッドは下男が大きい男だったらしく、狭かったけどなんとかヤレるし、支給金の使い道を聞かれなくて済むし、一石二鳥だ。
一つに繋がるのはいつも昼間ばっかりだったから、彼女の顔の陰影が酷く老けて見える幻覚が多くて、そんな嫌なものが見えないようにもっぱらバックから突き入れることが多くなっていた。
ただバックからだと、顔が見えないもんだから何故かいつもエレオノーラとヤッてる錯覚を起こしてしまってそれが困るんだよな。
「エレオノーラ、僕のはそんなに具合がいいのか?」って腰を打ち付けながら、
何度名前を呼びそうになったことか。
ただ、錯覚を起こすとエレオノーラを滅茶苦茶にしたい衝動に駆られてしまうので行為が激しくなってしまい、シャーロッテが獣みたいな喘ぎ声を出すから、そのときに正気に返るんだよね。いっつも名前を間違えるぎりぎり寸前だ。
何故、最近こんな頻繁に錯覚を起こすのかな。訳が分からないよ。
一晩中ずっとヤッてたいけど、さすがに泊まったりしたらバレちゃうから帰るタイミングが難しい。
ただ一緒に会ってるだけってことにしておかないと、不貞でこちらが訴えられてしまう。現状ではまだエレオノーラが婚約者だしな。解消したくてしょうがない。
エレオノーラを滅茶苦茶にしたいのは、シャーロッテの話を聞くうちにどんどん嫌悪感が募っていったからだ。もう顔も見たくないほどだった。ツンと澄ました態度がうんざりだ。
初めてシャーロッテと会った茶席から、ずいぶんずけずけ言うなあ、と思ったけど、最近聞いてるエレオノーラの悪行はもっと酷くなっている。
まず普段着ている服に関しては、侯爵に可愛がられていることもあって、いい素材の物を身に着けているようだったが、唯一の味方である主席外交官の侯爵は家を留守がちで、そうなると一家総出の虐めにあうらしく、イブニングドレスを仕立てるのは絶望的ということだった。
学園に入学したらすぐに歓迎パーティがあるのを知ってるから、彼女に似合いそうな華やかな薔薇色のドレスと髪飾りをプレゼントした。
婚約者用の予算を流用したんだけど、どっちも同じリンゼヴァイド侯爵令嬢なんだから構わないだろう。
実を言うと王子用の支給金も僕の貯蓄も、もうほとんど底をついてるんだ。
支給金は年に一度の支給だけど、まだあと七か月も先だし。
仕方ないから架空の使用用途をでっち上げてお金を作っておかないと。
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