7 / 25
7:ルキウス第一王子視点⑤※
しおりを挟む一回ヤッてしまえば、あとはなし崩し的にズルズルと行うのが人の常だ。
最初の緊張感はとうに無くて、今日もシャーロッテの身体を貪る。以前は学園が休みの日だけだったけど、シャーロッテがまだ入学してなくて暇でしょうがないっていうから、学園を二、三時間ちょっと抜け出したり、ずる休みして三日に一回は会ってるかな。
初めのうちは連れ込み宿を使っていたんだけど、彼女が情報を仕入れてきて、無人の森小屋でヤルようになった。
シャーロッテがまだ侯爵に引き取られていない頃、伯爵家が雇用していた下男が住んでいた小屋だったみたいで、解雇したので今は誰も住んでいないそうだ。
ベッドは下男が大きい男だったらしく、狭かったけどなんとかヤレるし、支給金の使い道を聞かれなくて済むし、一石二鳥だ。
一つに繋がるのはいつも昼間ばっかりだったから、彼女の顔の陰影が酷く老けて見える幻覚が多くて、そんな嫌なものが見えないようにもっぱらバックから突き入れることが多くなっていた。
ただバックからだと、顔が見えないもんだから何故かいつもエレオノーラとヤッてる錯覚を起こしてしまってそれが困るんだよな。
「エレオノーラ、僕のはそんなに具合がいいのか?」って腰を打ち付けながら、
何度名前を呼びそうになったことか。
ただ、錯覚を起こすとエレオノーラを滅茶苦茶にしたい衝動に駆られてしまうので行為が激しくなってしまい、シャーロッテが獣みたいな喘ぎ声を出すから、そのときに正気に返るんだよね。いっつも名前を間違えるぎりぎり寸前だ。
何故、最近こんな頻繁に錯覚を起こすのかな。訳が分からないよ。
一晩中ずっとヤッてたいけど、さすがに泊まったりしたらバレちゃうから帰るタイミングが難しい。
ただ一緒に会ってるだけってことにしておかないと、不貞でこちらが訴えられてしまう。現状ではまだエレオノーラが婚約者だしな。解消したくてしょうがない。
エレオノーラを滅茶苦茶にしたいのは、シャーロッテの話を聞くうちにどんどん嫌悪感が募っていったからだ。もう顔も見たくないほどだった。ツンと澄ました態度がうんざりだ。
初めてシャーロッテと会った茶席から、ずいぶんずけずけ言うなあ、と思ったけど、最近聞いてるエレオノーラの悪行はもっと酷くなっている。
まず普段着ている服に関しては、侯爵に可愛がられていることもあって、いい素材の物を身に着けているようだったが、唯一の味方である主席外交官の侯爵は家を留守がちで、そうなると一家総出の虐めにあうらしく、イブニングドレスを仕立てるのは絶望的ということだった。
学園に入学したらすぐに歓迎パーティがあるのを知ってるから、彼女に似合いそうな華やかな薔薇色のドレスと髪飾りをプレゼントした。
婚約者用の予算を流用したんだけど、どっちも同じリンゼヴァイド侯爵令嬢なんだから構わないだろう。
実を言うと王子用の支給金も僕の貯蓄も、もうほとんど底をついてるんだ。
支給金は年に一度の支給だけど、まだあと七か月も先だし。
仕方ないから架空の使用用途をでっち上げてお金を作っておかないと。
128
お気に入りに追加
2,836
あなたにおすすめの小説
乙女ゲームの世界だと、いつから思い込んでいた?
シナココ
ファンタジー
母親違いの妹をいじめたというふわふわした冤罪で婚約破棄された上に、最北の辺境地に流された公爵令嬢ハイデマリー。勝ち誇る妹・ゲルダは転生者。この世界のヒロインだと豪語し、王太子妃に成り上がる。乙女ゲームのハッピーエンドの確定だ。
……乙女ゲームが終わったら、戦争ストラテジーゲームが始まるのだ。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
だってお義姉様が
砂月ちゃん
恋愛
『だってお義姉様が…… 』『いつもお屋敷でお義姉様にいじめられているの!』と言って、高位貴族令息達に助けを求めて来た可憐な伯爵令嬢。
ところが正義感あふれる彼らが、その意地悪な義姉に会いに行ってみると……
他サイトでも掲載中。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
【完結】皇太子の愛人が懐妊した事を、お妃様は結婚式の一週間後に知りました。皇太子様はお妃様を愛するつもりは無いようです。
五月ふう
恋愛
リックストン国皇太子ポール・リックストンの部屋。
「マティア。僕は一生、君を愛するつもりはない。」
今日は結婚式前夜。婚約者のポールの声が部屋に響き渡る。
「そう……。」
マティアは小さく笑みを浮かべ、ゆっくりとソファーに身を預けた。
明日、ポールの花嫁になるはずの彼女の名前はマティア・ドントール。ドントール国第一王女。21歳。
リッカルド国とドントール国の和平のために、マティアはこの国に嫁いできた。ポールとの結婚は政略的なもの。彼らの意志は一切介入していない。
「どんなことがあっても、僕は君を王妃とは認めない。」
ポールはマティアを憎しみを込めた目でマティアを見つめる。美しい黒髪に青い瞳。ドントール国の宝石と評されるマティア。
「私が……ずっと貴方を好きだったと知っても、妻として認めてくれないの……?」
「ちっ……」
ポールは顔をしかめて舌打ちをした。
「……だからどうした。幼いころのくだらない感情に……今更意味はない。」
ポールは険しい顔でマティアを睨みつける。銀色の髪に赤い瞳のポール。マティアにとってポールは大切な初恋の相手。
だが、ポールにはマティアを愛することはできない理由があった。
二人の結婚式が行われた一週間後、マティアは衝撃の事実を知ることになる。
「サラが懐妊したですって‥‥‥!?」
【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?
アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。
泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。
16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。
マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。
あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に…
もう…我慢しなくても良いですよね?
この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。
前作の登場人物達も多数登場する予定です。
マーテルリアのイラストを変更致しました。
断る――――前にもそう言ったはずだ
鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」
結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。
周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。
けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。
他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。
(わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)
そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。
ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。
そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?
【コミカライズ2月28日引き下げ予定】実は白い結婚でしたの。元悪役令嬢は未亡人になったので今度こそ推しを見守りたい。
氷雨そら
恋愛
悪役令嬢だと気がついたのは、断罪直後。
私は、五十も年上の辺境伯に嫁いだのだった。
「でも、白い結婚だったのよね……」
奥様を愛していた辺境伯に、孫のように可愛がられた私は、彼の亡き後、王都へと戻ってきていた。
全ては、乙女ゲームの推しを遠くから眺めるため。
一途な年下枠ヒーローに、元悪役令嬢は溺愛される。
断罪に引き続き、私に拒否権はない……たぶん。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
【完結】悪役令嬢だったみたいなので婚約から回避してみた
アリエール
恋愛
春風に彩られた王国で、名門貴族ロゼリア家の娘ナタリアは、ある日見た悪夢によって人生が一変する。夢の中、彼女は「悪役令嬢」として婚約を破棄され、王国から追放される未来を目撃する。それを避けるため、彼女は最愛の王太子アレクサンダーから距離を置き、自らを守ろうとするが、彼の深い愛と執着が彼女の運命を変えていく。
旦那様には愛人がいますが気にしません。
りつ
恋愛
イレーナの夫には愛人がいた。名はマリアンヌ。子どものように可愛らしい彼女のお腹にはすでに子どもまでいた。けれどイレーナは別に気にしなかった。彼女は子どもが嫌いだったから。
※表紙は「かんたん表紙メーカー」様で作成しました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる