6 / 25
6:ルキウス第一王子視点④※
しおりを挟むシャーロッテと初めてヤッた数日前のこと――
いつものようにエレオノーラが王妃教育のために王宮にやってきた。
もうじき彼女も学園に入学するから、残りの教育を終わらせるために何日か泊まり込みになるのは、母上に聞いて知っていた。
わざわざ尋ねなくても、父も母もエレオノーラを猫可愛がりしてるから、顔を合わせるたびに彼女の話ばっかりするんだ。
今回ばかりはむかむかするより、しめた!って思ったね。
すぐさま侯爵邸に飛んで行きシャーロッテと二人で外出の計画を立てる。
さすがに侯爵邸から一緒に馬車で行くと目立ちすぎるので、僕は王宮から、シャーロッテは侯爵邸から別々に出発して町で合流することにした。
僕の護衛騎士は連れて行かないわけにもいかないので一人に絞った。金を払えば何でも目をつぶってくれてうるさく言うことも無い便利な男だ。馬車の中で地味な平民の服装に着替える。
悪いこと、背徳的なことをしているという気分が興奮を与えてくれていた。
町に到着して馬車から下り、しばらくするとピンクの髪の彼女を見つけた。
一人で町にいることにちょっとした違和感を覚えたけど、"お付きの者を上手く撒いたのかな"
そう考えることにした。
だってそのほうが都合がいいじゃないか。
彼女は絶対僕に気があるし、間違いなくヤレるんだから。
計画を立てた時からどうなるかは分かってた。
机の下でシャーロッテは僕の股間をまさぐってきたからね。
お互いしっかと抱き合うと、下半身はいきり立ってもう限界だった。
ここならバレないだろうと目ぼしを付けていた連れ込み宿に、護衛騎士をあらかじめ送って隣同士の二部屋を取らせている。
一部屋に護衛騎士を待機させると、もう一部屋のほうに深いキスをしながら二人でなだれ込む。ベッドと簡単な洗面所しかない狭い部屋だけど、ヤレる場所はちゃんとあるんだから構わない。
部屋の扉を閉めた途端シャーロッテは僕の下衣をいとも簡単にくつろげてしまった。
手慣れてるな、ってちょっと思ったけど、積極的なのは大歓迎だ。
これですぐ入れられるぞ。
真昼間だとか、そんなことはどうでもよかった。
シャーロッテをベッドに押し倒すと、安っぽいけどそれなりに大きいベッドがギシギシと大きな音を立ててきしむ。この分だと、隣の部屋には丸聞こえだな。
普通の宿だと一人が寝るだけの大きさのベッドしか置いてないけど、こういう連れ込み宿はヤルのが前提だから大きいベッドが備え付けなんだって、側近候補たちが言ってたのをちゃんと聞いていたんだ。
服を脱がせることすらもどかしくてスカートを一気にまくり上げると、ピンク色が目に入ってくる。恥ずかしがって脚を閉じようとしてるけど誘っているようにしか見えない。
下着を付けていないなんて。
淫らな女だな。
ムラムラしてすぐ突っ込んだ。
すでに興奮してたのかシャーロッテの中はもうグズグズだった。僕が激しく腰を振ったらあっという間に馴染んですぐ善がり声を上げ始めちゃってさ。
やっぱり激しくするのがいいのか。
側近候補の言葉は的を得ていたのか。そんなことを考えたりする。
「初めてなのにぃ……ひどぉい」
この時もかなり違和感を感じたけど、粘膜が何度も何度も擦れる気持ちよさでどうでも良くなっちゃってたよ。だから僕もすぐフィニッシュした。
確かに若い女の娘はいいよな。房事教育の時と比べたら全然違う。
……あれ、でも……
昼間だからなのかな……
明るい場所で近くで見るシャーロッテは……皺の陰影が濃くて……顔にも身体にもあちこちにシミが……
一体いくつなんだ?って正直思ってしまった。
ちゃんと手入れしてるんだろうか?放蕩に耽ると肌が荒れるって教わったけど、まさにそれじゃないか?
いや、気のせいだきっと……
そういえば房事教育では処女の扱い方についてかなりしっかり学んだっけ。今になって気が付いた。手遅れだけど。座学なんかよりも実技のほうに夢中だったし。
未来の国母を娶る第一王子である、僕ならではの教育だったんだよな。
だからこそ感じる違和感。処女って最初からあんななのか?
他に処女を抱いたことなんて無いから、こんなもんなのかな。
僕が上手だったからかな。それに気持ちよかったからまあいいか。
「あぁんルキウスさまったらぁ。この服エリィのなのよ?なのに汚しちゃってぇ」
甘えるようなそれでいて勝ち誇ったようなシャーロッテの声で、一気に正気に返る。
エリィ……?エレオノーラ!彼女が何だって!?
あれ、そういえば、赤いスカートに見覚えがある。同時にスカートの中身をふんだんに想像したことも思い出してしまった。拒まれた悔しさも一緒にだ。
赤地のスカートに飛び散った白い汚れは、エレオノーラに僕の精液をぶちまけて穢してやったかのようで気分が良かった。これが彼女の肌にだったらな……
なんで彼女の服を勝手に着てくるんだと問えば、こっちの服のほうが可愛かったし、好きな人の前では一番でいたいなんて言ってくる。そんなこと言われちゃったら言い返せないよ。
シャーロッテは愛情豊かで身体全部使って好きだと表現してきて可愛いよなあ。
エレオノーラはいつもツンツンしてて、取りつく島もないから余計に。
僕が他の女のことを考えてて、しかも背徳的な想像をしたのがバレたのか、シャーロッテが不機嫌そうに呟く。仕方ないだろ。男は出しちゃったら冷める生き物なんだから。
「こうなったらこのままエリィのクローゼットに放り込んでおこうかしら」
なんてことを言うんだ。そんなことをしたらすぐバレちゃうだろ!
でも嫉妬するなんて可愛いなあ、ほんと。
なだめるようにもう一度ヤッてその日はお開きにした。
125
お気に入りに追加
2,836
あなたにおすすめの小説
乙女ゲームの世界だと、いつから思い込んでいた?
シナココ
ファンタジー
母親違いの妹をいじめたというふわふわした冤罪で婚約破棄された上に、最北の辺境地に流された公爵令嬢ハイデマリー。勝ち誇る妹・ゲルダは転生者。この世界のヒロインだと豪語し、王太子妃に成り上がる。乙女ゲームのハッピーエンドの確定だ。
……乙女ゲームが終わったら、戦争ストラテジーゲームが始まるのだ。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
【完結】皇太子の愛人が懐妊した事を、お妃様は結婚式の一週間後に知りました。皇太子様はお妃様を愛するつもりは無いようです。
五月ふう
恋愛
リックストン国皇太子ポール・リックストンの部屋。
「マティア。僕は一生、君を愛するつもりはない。」
今日は結婚式前夜。婚約者のポールの声が部屋に響き渡る。
「そう……。」
マティアは小さく笑みを浮かべ、ゆっくりとソファーに身を預けた。
明日、ポールの花嫁になるはずの彼女の名前はマティア・ドントール。ドントール国第一王女。21歳。
リッカルド国とドントール国の和平のために、マティアはこの国に嫁いできた。ポールとの結婚は政略的なもの。彼らの意志は一切介入していない。
「どんなことがあっても、僕は君を王妃とは認めない。」
ポールはマティアを憎しみを込めた目でマティアを見つめる。美しい黒髪に青い瞳。ドントール国の宝石と評されるマティア。
「私が……ずっと貴方を好きだったと知っても、妻として認めてくれないの……?」
「ちっ……」
ポールは顔をしかめて舌打ちをした。
「……だからどうした。幼いころのくだらない感情に……今更意味はない。」
ポールは険しい顔でマティアを睨みつける。銀色の髪に赤い瞳のポール。マティアにとってポールは大切な初恋の相手。
だが、ポールにはマティアを愛することはできない理由があった。
二人の結婚式が行われた一週間後、マティアは衝撃の事実を知ることになる。
「サラが懐妊したですって‥‥‥!?」
【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?
アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。
泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。
16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。
マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。
あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に…
もう…我慢しなくても良いですよね?
この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。
前作の登場人物達も多数登場する予定です。
マーテルリアのイラストを変更致しました。
断る――――前にもそう言ったはずだ
鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」
結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。
周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。
けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。
他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。
(わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)
そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。
ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。
そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?
【コミカライズ2月28日引き下げ予定】実は白い結婚でしたの。元悪役令嬢は未亡人になったので今度こそ推しを見守りたい。
氷雨そら
恋愛
悪役令嬢だと気がついたのは、断罪直後。
私は、五十も年上の辺境伯に嫁いだのだった。
「でも、白い結婚だったのよね……」
奥様を愛していた辺境伯に、孫のように可愛がられた私は、彼の亡き後、王都へと戻ってきていた。
全ては、乙女ゲームの推しを遠くから眺めるため。
一途な年下枠ヒーローに、元悪役令嬢は溺愛される。
断罪に引き続き、私に拒否権はない……たぶん。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
【完結】悪役令嬢だったみたいなので婚約から回避してみた
アリエール
恋愛
春風に彩られた王国で、名門貴族ロゼリア家の娘ナタリアは、ある日見た悪夢によって人生が一変する。夢の中、彼女は「悪役令嬢」として婚約を破棄され、王国から追放される未来を目撃する。それを避けるため、彼女は最愛の王太子アレクサンダーから距離を置き、自らを守ろうとするが、彼の深い愛と執着が彼女の運命を変えていく。
旦那様には愛人がいますが気にしません。
りつ
恋愛
イレーナの夫には愛人がいた。名はマリアンヌ。子どものように可愛らしい彼女のお腹にはすでに子どもまでいた。けれどイレーナは別に気にしなかった。彼女は子どもが嫌いだったから。
※表紙は「かんたん表紙メーカー」様で作成しました。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
婚約者に毒を飲まされた私から【毒を分解しました】と聞こえてきました。え?
こん
恋愛
成人パーティーに参加した私は言われのない罪で婚約者に問い詰められ、遂には毒殺をしようとしたと疑われる。
「あくまでシラを切るつもりだな。だが、これもお前がこれを飲めばわかる話だ。これを飲め!」
そう言って婚約者は毒の入ったグラスを渡す。渡された私は躊躇なくグラスを一気に煽る。味は普通だ。しかし、飲んでから30秒経ったあたりで苦しくなり初め、もう無理かも知れないと思った時だった。
【毒を検知しました】
「え?」
私から感情のない声がし、しまいには毒を分解してしまった。私が驚いている所に友達の魔法使いが駆けつける。
※なろう様で掲載した作品を少し変えたものです
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる