【完結】とある侯爵令嬢ですが婚約破棄されました~おバカな王子様は要らないので従妹に差し上げます~

しのみやあろん

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6:ルキウス第一王子視点④※

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 シャーロッテと初めてヤッた数日前のこと――
 
 
 いつものようにエレオノーラが王妃教育のために王宮にやってきた。

 もうじき彼女も学園に入学するから、残りの教育を終わらせるために何日か泊まり込みになるのは、母上に聞いて知っていた。
 わざわざ尋ねなくても、父も母もエレオノーラを猫可愛がりしてるから、顔を合わせるたびに彼女の話ばっかりするんだ。
 今回ばかりはむかむかするより、しめた!って思ったね。
 すぐさま侯爵邸に飛んで行きシャーロッテと二人で外出の計画を立てる。

 さすがに侯爵邸から一緒に馬車で行くと目立ちすぎるので、僕は王宮から、シャーロッテは侯爵邸から別々に出発して町で合流することにした。
 僕の護衛騎士は連れて行かないわけにもいかないので一人に絞った。金を払えば何でも目をつぶってくれてうるさく言うことも無い便利な男だ。馬車の中で地味な平民の服装に着替える。

 悪いこと、背徳的なことをしているという気分が興奮を与えてくれていた。
 町に到着して馬車から下り、しばらくするとピンクの髪の彼女を見つけた。
 一人で町にいることにちょっとした違和感を覚えたけど、"お付きの者を上手く撒いたのかな"
 そう考えることにした。

 だってそのほうが都合がいいじゃないか。
 彼女は絶対僕に気があるし、間違いなくんだから。
 計画を立てた時からどうなるかは分かってた。
 机の下でシャーロッテは僕の股間をまさぐってきたからね。


 お互いしっかと抱き合うと、下半身はいきり立ってもう限界だった。

 ここならバレないだろうと目ぼしを付けていた連れ込み宿に、護衛騎士をあらかじめ送って隣同士の二部屋を取らせている。
 一部屋に護衛騎士を待機させると、もう一部屋のほうに深いキスをしながら二人でなだれ込む。ベッドと簡単な洗面所しかない狭い部屋だけど、場所はちゃんとあるんだから構わない。

 部屋の扉を閉めた途端シャーロッテは僕の下衣をいとも簡単にくつろげてしまった。
 手慣れてるな、ってちょっと思ったけど、積極的なのは大歓迎だ。
 これですぐ入れられるぞ。

 真昼間だとか、そんなことはどうでもよかった。
 シャーロッテをベッドに押し倒すと、安っぽいけどそれなりに大きいベッドがギシギシと大きな音を立ててきしむ。この分だと、隣の部屋には丸聞こえだな。
 普通の宿だと一人が寝るだけの大きさのベッドしか置いてないけど、こういう連れ込み宿はのが前提だから大きいベッドが備え付けなんだって、側近候補たちが言ってたのをちゃんと聞いていたんだ。

 服を脱がせることすらもどかしくてスカートを一気にまくり上げると、ピンク色が目に入ってくる。恥ずかしがって脚を閉じようとしてるけど誘っているようにしか見えない。
 下着を付けていないなんて。
 淫らな女だな。
 
 ムラムラしてすぐ突っ込んだ。

 すでに興奮してたのかシャーロッテの中はもうグズグズだった。僕が激しく腰を振ったらあっという間に馴染んですぐ善がり声を上げ始めちゃってさ。
 やっぱり激しくするのがのか。
 側近候補の言葉は的を得ていたのか。そんなことを考えたりする。

「初めてなのにぃ……ひどぉい」
 
 この時もかなり違和感を感じたけど、粘膜が何度も何度も擦れる気持ちよさでどうでも良くなっちゃってたよ。だから僕もすぐフィニッシュした。 
 確かに若い女のはいいよな。房事教育の時と比べたら全然違う。


 ……あれ、でも……


 昼間だからなのかな……
 明るい場所で近くで見るシャーロッテは……皺の陰影が濃くて……顔にも身体にもあちこちにシミが……
 一体いくつなんだ?って正直思ってしまった。
 ちゃんと手入れしてるんだろうか?放蕩に耽ると肌が荒れるって教わったけど、まさにそれじゃないか?
 いや、気のせいだきっと……

 そういえば房事教育では処女の扱い方についてかなりしっかり学んだっけ。今になって気が付いた。手遅れだけど。座学なんかよりも実技のほうに夢中だったし。
 未来の国母を娶る第一王子である、僕ならではの教育だったんだよな。
 だからこそ感じる違和感。処女って最初からなのか?
 他に処女を抱いたことなんて無いから、なのかな。 
 僕が上手だったからかな。それに気持ちよかったからまあいいか。


「あぁんルキウスさまったらぁ。この服エリィのなのよ?なのに汚しちゃってぇ」

 甘えるようなそれでいて勝ち誇ったようなシャーロッテの声で、一気に正気に返る。

 エリィ……?エレオノーラ!彼女が何だって!?

 あれ、そういえば、赤いスカートに見覚えがある。同時にスカートの中身をふんだんに想像したことも思い出してしまった。拒まれた悔しさも一緒にだ。

 赤地のスカートに飛び散った白い汚れは、エレオノーラに僕の精液をぶちまけて穢してやったかのようで気分が良かった。これが彼女の肌にだったらな……
 
 なんで彼女の服を勝手に着てくるんだと問えば、こっちの服のほうが可愛かったし、好きな人の前では一番でいたいなんて言ってくる。そんなこと言われちゃったら言い返せないよ。
 シャーロッテは愛情豊かで身体全部使って好きだと表現してきて可愛いよなあ。
 エレオノーラはいつもツンツンしてて、取りつく島もないから余計に。

 僕が他の女のことを考えてて、しかも背徳的な想像をしたのがバレたのか、シャーロッテが不機嫌そうに呟く。仕方ないだろ。男は出しちゃったら冷める生き物なんだから。

「こうなったらエリィのクローゼットに放り込んでおこうかしら」
 
 なんてことを言うんだ。そんなことをしたらすぐバレちゃうだろ!
 でも嫉妬するなんて可愛いなあ、ほんと。

 なだめるようにもう一度その日はお開きにした。


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