2 / 17
2 茶色をゲットするために行動開始だ
しおりを挟む
ある日唐突に、食卓に上がる食材に何かが欠けていることに長兄のアーサーは気が付いた。
うーん、何だろう。
まず食卓に上がったメニューを色別に統計する。
春から夏に移行しつつある季節だったため、すぐに色彩がめちゃくちゃ単色に偏っていることを発見する。統計するまでもなかった。
みどり、ミドリ、圧倒的緑、だ。
はっぱなっぱはっぱっぱー。季節は今、緑萌え出づる初夏であった。領主館の裏手にある畑には緑色植物が忍者育成にもぴったりなスピードで、生える伸びる生える引っこ抜く生える伸びる生えまくってる。そして食卓に上がる。今は特にアスパラガスがすごいことになっている。畑はもはや家庭菜園の規模じゃない。土を耕したら勝手に増えちゃう。
生長するスピードが何だかおかしいが、食べ盛りを多数かかえるアクアオッジ一家は、「野菜がたくさん生えてくれて美味しいねー」といたって呑気。いや、そこは言語的に、"美味しいねー"じゃなくて"嬉しいねー"とかじゃあるまいか。
近年領主館のアスパラガスは周辺で有名になっている。近所の農家がこぞって物々交換を申し出てくるのだ。
アスパラガスが新じゃが・クレソン・さやえんどう・ルッコラ・春キャベツ・細身ニンジン・黒丸大根といった野菜と続々交換されていく。
野菜に関してはアクアオッジ家は富裕層に近い。かもしれない。
肉と交換すればいいじゃない。だが一番近い畜産農家は馬車で一日の距離だった。
食卓に緑が多いのは仕方ない。だがアーサーは菜食主義じゃなく食べ盛りの十歳だった。ぶっちゃけ緑ばっかりのメニューじゃ満足出来ないのである。
弁当の中身が茶色いのはババくさいけど、美味しいんである。
ちなみにアクアオッジ家でババアとか言うと、すぐ地獄耳の母アドリアナに張り倒される。悪い言葉ダメゼッタイ。
茶色=肉、肉が欲しい。
アーサーは切実に所望する。そうして肉を手に入れるべく行動を開始した。
うーん、何だろう。
まず食卓に上がったメニューを色別に統計する。
春から夏に移行しつつある季節だったため、すぐに色彩がめちゃくちゃ単色に偏っていることを発見する。統計するまでもなかった。
みどり、ミドリ、圧倒的緑、だ。
はっぱなっぱはっぱっぱー。季節は今、緑萌え出づる初夏であった。領主館の裏手にある畑には緑色植物が忍者育成にもぴったりなスピードで、生える伸びる生える引っこ抜く生える伸びる生えまくってる。そして食卓に上がる。今は特にアスパラガスがすごいことになっている。畑はもはや家庭菜園の規模じゃない。土を耕したら勝手に増えちゃう。
生長するスピードが何だかおかしいが、食べ盛りを多数かかえるアクアオッジ一家は、「野菜がたくさん生えてくれて美味しいねー」といたって呑気。いや、そこは言語的に、"美味しいねー"じゃなくて"嬉しいねー"とかじゃあるまいか。
近年領主館のアスパラガスは周辺で有名になっている。近所の農家がこぞって物々交換を申し出てくるのだ。
アスパラガスが新じゃが・クレソン・さやえんどう・ルッコラ・春キャベツ・細身ニンジン・黒丸大根といった野菜と続々交換されていく。
野菜に関してはアクアオッジ家は富裕層に近い。かもしれない。
肉と交換すればいいじゃない。だが一番近い畜産農家は馬車で一日の距離だった。
食卓に緑が多いのは仕方ない。だがアーサーは菜食主義じゃなく食べ盛りの十歳だった。ぶっちゃけ緑ばっかりのメニューじゃ満足出来ないのである。
弁当の中身が茶色いのはババくさいけど、美味しいんである。
ちなみにアクアオッジ家でババアとか言うと、すぐ地獄耳の母アドリアナに張り倒される。悪い言葉ダメゼッタイ。
茶色=肉、肉が欲しい。
アーサーは切実に所望する。そうして肉を手に入れるべく行動を開始した。
0
お気に入りに追加
394
あなたにおすすめの小説
読書の魔女のスローライフ!
ラッテ・カフェ
ファンタジー
三度の飯より読書が大好き。そんなごく普通のOL水宮春は不慮の事故で亡くなった。
そんなとき「願いを叶えるオプション付き」で転生できると知った彼女は「何も気にせず読書できる世界に転生したい!」といい、夢かなって転生することに。
そこで出会うは世話焼きな図書館の魔女だったり、メイドの双子だったり様々。そんな彼女たちと過ごす異世界スローライフ!
ってあれ?読書はどこ行った?
なろう、アルファポリス、カクヨムで同時連載!
異世界は黒猫と共に
小笠原慎二
ファンタジー
我が家のニャイドル黒猫のクロと、異世界に迷い込んだ八重子。
「チート能力もらってないんだけど」と呟く彼女の腕には、その存在が既にチートになっている黒猫のクロが。クロに助けられながらなんとか異世界を生き抜いていく。
ペガサス、グリフォン、妖精が従魔になり、紆余曲折を経て、ドラゴンまでも従魔に。途中で獣人少女奴隷も仲間になったりして、本人はのほほんとしながら異世界生活を満喫する。
自称猫の奴隷作者が贈る、猫ラブ異世界物語。
猫好きは必見、猫はちょっとという人も、読み終わったら猫好きになれる(と思う)お話。
愛しのお姉様(悪役令嬢)を守る為、ぽっちゃり双子は暗躍する
清澄 セイ
ファンタジー
エトワナ公爵家に生を受けたぽっちゃり双子のケイティベルとルシフォードは、八つ歳の離れた姉・リリアンナのことが大嫌い、というよりも怖くて仕方がなかった。悪役令嬢と言われ、両親からも周囲からも愛情をもらえず、彼女は常にひとりぼっち。溢れんばかりの愛情に包まれて育った双子とは、天と地の差があった。
たった十歳でその生を終えることとなった二人は、死の直前リリアンナが自分達を助けようと命を投げ出した瞬間を目にする。
神の気まぐれにより時を逆行した二人は、今度は姉を好きになり協力して三人で生き残ろうと決意する。
悪役令嬢で嫌われ者のリリアンナを人気者にすべく、愛らしいぽっちゃりボディを武器に、二人で力を合わせて暗躍するのだった。
Knight―― 純白の堕天使 ――
星蘭
ファンタジー
イリュジア王国を守るディアロ城騎士団に所属する勇ましい騎士、フィア。
容姿端麗、勇猛果敢なディアロ城城勤騎士。
彼にはある、秘密があって……――
そんな彼と仲間の絆の物語。
魔法狂騒譚
冠つらら
ファンタジー
ここは世界の裏側。 誰もが生まれながらに魔法が使える場所。
舞台は、世界の片隅にあるリモンシェット校。
世の中には古代魔法と近代科学魔法の派閥があった。
近代派の男子生徒、ゾマーは、古代派の象徴であるティーリンにちょっかいをかける。
しかし、投げられた敵意は、やがて大きな波紋を引き起こす。
魔法の学び舎は今日も騒がしい。
※タイトル変更しております
※他のサイトでも投稿しています
《完結》転生令嬢の甘い?異世界スローライフ ~神の遣いのもふもふを添えて~
芽生 (メイ)
ファンタジー
ガタガタと揺れる馬車の中、天海ハルは目を覚ます。
案ずるメイドに頭の中の記憶を頼りに会話を続けるハルだが
思うのはただ一つ
「これが異世界転生ならば詰んでいるのでは?」
そう、ハルが転生したエレノア・コールマンは既に断罪後だったのだ。
エレノアが向かう先は正道院、膨大な魔力があるにもかかわらず
攻撃魔法は封じられたエレノアが使えるのは生活魔法のみ。
そんなエレノアだが、正道院に来てあることに気付く。
自給自足で野菜やハーブ、畑を耕し、限られた人々と接する
これは異世界におけるスローライフが出来る?
希望を抱き始めたエレノアに突然現れたのはふわふわもふもふの狐。
だが、メイドが言うにはこれは神の使い、聖女の証?
もふもふと共に過ごすエレノアのお菓子作りと異世界スローライフ!
※場所が正道院で女性中心のお話です
※小説家になろう! カクヨムにも掲載中
転生の水神様ーー使える魔法は水属性のみだが最強ですーー
芍薬甘草湯
ファンタジー
水道局職員が異世界に転生、水神様の加護を受けて活躍する異世界転生テンプレ的なストーリーです。
42歳のパッとしない水道局職員が死亡したのち水神様から加護を約束される。
下級貴族の三男ネロ=ヴァッサーに転生し12歳の祝福の儀で水神様に再会する。
約束通り祝福をもらったが使えるのは水属性魔法のみ。
それでもネロは水魔法を工夫しながら活躍していく。
一話当たりは短いです。
通勤通学の合間などにどうぞ。
あまり深く考えずに、気楽に読んでいただければ幸いです。
完結しました。
【完結】転生少女は異世界でお店を始めたい
梅丸
ファンタジー
せっかく40代目前にして夢だった喫茶店オープンに漕ぎ着けたと言うのに事故に遭い呆気なく命を落としてしまった私。女神様が管理する異世界に転生させてもらい夢を実現するために奮闘するのだが、この世界には無いものが多すぎる! 創造魔法と言う女神様から授かった恩寵と前世の料理レシピを駆使して色々作りながら頑張る私だった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる