15 / 45
15 従属の呪い解除
しおりを挟む
精霊たちはやんややんやの大騒ぎ。
"やったわ!さすが闇の"
"契約解除ぉ!"
「従属の呪いが……消えた……」
男の子が呆然としながら胸のあたりに手を当てている。
メリルが男の子に近づきながら、バサバサいう音が気になって頭上を見上げる。
あっという間にその何かは近づいてきて、地上のみんなにその巨大な影がかかったかと思うと、背に乗っていた誰かが降り立った。
誰ともなく叫ぶ。
「ドラゴン!?」
さすがにこの場所に自らが降り立つ空間がないのを察したのか、再び上昇するドラゴン。あっという間に姿が遠ざかる。
一方降り立った人物のほうにメリルは覚えがあった。
ウィルフレッドとメリルの声がぴったりハモる。
「「アーサー兄さま!?」」
アーサーを認めたメリルの素早さは尋常の速さではなかった。さすが自他共に認めるブラコンなだけはある。
あっという間に彼に飛んで抱きついた。
こういう時、素早いメリルにいつも置いて行かれるウィルフレッドは羨ましく思いながらも、急ぎ足でアーサーに近づいた。
「おお…っふ。僕の可愛い双子たち。元気にしていたかい?」
メリルにタックルをかまされた格好になったアーサーは息を吐き出しながらもにっこり微笑んだ。
「「わあああ。本物だ本物のアーサー兄さまだああ」」
興奮具合がハンパではない。
いつもいい匂いがするアーサーに二人はがっつり抱きついた。
「……僕も一緒に降りたのに……。全く眼中に無いっていうのは、このことなのかな…」
ほえっ!?
声のしたほうを振り向くと、とてもお上品そうに見える男の子がしょんぼりと肩を落としながら近づいてくる。
ざっざっという多くの足音もどんどん近づいてきて、憲兵の制服を着た男たちが男の子の後ろのほうからやってくるのが見える。
――と、今まで大人しかった二人の男が憲兵の姿を見るなり逃げだした。
「あっ、待て!」
メリルは叫んだが待てと言われて素直に待つ奴などいない。
「「だぁれが待つかよォ…ッ!」」
あ、またハモってる。
男たちが逃げ出したのを見て憲兵たちも走り出すが、いかんせん距離が結構あって追いつけない。
まずいよ、逃げちゃうよ!とメリルがウィルフレッドのほうを見ると、ウィンクされた。
"やったわ!さすが闇の"
"契約解除ぉ!"
「従属の呪いが……消えた……」
男の子が呆然としながら胸のあたりに手を当てている。
メリルが男の子に近づきながら、バサバサいう音が気になって頭上を見上げる。
あっという間にその何かは近づいてきて、地上のみんなにその巨大な影がかかったかと思うと、背に乗っていた誰かが降り立った。
誰ともなく叫ぶ。
「ドラゴン!?」
さすがにこの場所に自らが降り立つ空間がないのを察したのか、再び上昇するドラゴン。あっという間に姿が遠ざかる。
一方降り立った人物のほうにメリルは覚えがあった。
ウィルフレッドとメリルの声がぴったりハモる。
「「アーサー兄さま!?」」
アーサーを認めたメリルの素早さは尋常の速さではなかった。さすが自他共に認めるブラコンなだけはある。
あっという間に彼に飛んで抱きついた。
こういう時、素早いメリルにいつも置いて行かれるウィルフレッドは羨ましく思いながらも、急ぎ足でアーサーに近づいた。
「おお…っふ。僕の可愛い双子たち。元気にしていたかい?」
メリルにタックルをかまされた格好になったアーサーは息を吐き出しながらもにっこり微笑んだ。
「「わあああ。本物だ本物のアーサー兄さまだああ」」
興奮具合がハンパではない。
いつもいい匂いがするアーサーに二人はがっつり抱きついた。
「……僕も一緒に降りたのに……。全く眼中に無いっていうのは、このことなのかな…」
ほえっ!?
声のしたほうを振り向くと、とてもお上品そうに見える男の子がしょんぼりと肩を落としながら近づいてくる。
ざっざっという多くの足音もどんどん近づいてきて、憲兵の制服を着た男たちが男の子の後ろのほうからやってくるのが見える。
――と、今まで大人しかった二人の男が憲兵の姿を見るなり逃げだした。
「あっ、待て!」
メリルは叫んだが待てと言われて素直に待つ奴などいない。
「「だぁれが待つかよォ…ッ!」」
あ、またハモってる。
男たちが逃げ出したのを見て憲兵たちも走り出すが、いかんせん距離が結構あって追いつけない。
まずいよ、逃げちゃうよ!とメリルがウィルフレッドのほうを見ると、ウィンクされた。
0
お気に入りに追加
692
あなたにおすすめの小説
別に構いませんよ、離縁するので。
杉本凪咲
恋愛
父親から告げられたのは「出ていけ」という冷たい言葉。
他の家族もそれに賛同しているようで、どうやら私は捨てられてしまうらしい。
まあいいですけどね。私はこっそりと笑顔を浮かべた。
王太子の子を孕まされてました
杏仁豆腐
恋愛
遊び人の王太子に無理やり犯され『私の子を孕んでくれ』と言われ……。しかし王太子には既に婚約者が……侍女だった私がその後執拗な虐めを受けるので、仕返しをしたいと思っています。
※不定期更新予定です。一話完結型です。苛め、暴力表現、性描写の表現がありますのでR指定しました。宜しくお願い致します。ノリノリの場合は大量更新したいなと思っております。
初夜に「君を愛するつもりはない」と夫から言われた妻のその後
澤谷弥(さわたに わたる)
ファンタジー
結婚式の日の夜。夫のイアンは妻のケイトに向かって「お前を愛するつもりはない」と言い放つ。
ケイトは知っていた。イアンには他に好きな女性がいるのだ。この結婚は家のため。そうわかっていたはずなのに――。
※短いお話です。
※恋愛要素が薄いのでファンタジーです。おまけ程度です。
【完結】辺境伯令嬢は新聞で婚約破棄を知った
五色ひわ
恋愛
辺境伯令嬢としてのんびり領地で暮らしてきたアメリアは、カフェで見せられた新聞で自身の婚約破棄を知った。真実を確かめるため、アメリアは3年ぶりに王都へと旅立った。
※本編34話、番外編『皇太子殿下の苦悩』31+1話、おまけ4話
寵愛のいる旦那様との結婚生活が終わる。もし、次があるのなら緩やかに、優しい人と恋がしたい。
にのまえ
恋愛
リルガルド国。公爵令嬢リイーヤ・ロイアルは令嬢ながら、剣に明け暮れていた。
父に頼まれて参加をした王女のデビュタントの舞踏会で、伯爵家コール・デトロイトと知り合い恋に落ちる。
恋に浮かれて、剣を捨た。
コールと結婚をして初夜を迎えた。
リイーヤはナイトドレスを身に付け、鼓動を高鳴らせて旦那様を待っていた。しかし寝室に訪れた旦那から出た言葉は「私は君を抱くことはない」「私には心から愛する人がいる」だった。
ショックを受けて、旦那には愛してもられないと知る。しかし離縁したくてもリルガルド国では離縁は許されない。しかしリイーヤは二年待ち子供がいなければ離縁できると知る。
結婚二周年の食事の席で、旦那は義理両親にリイーヤに子供ができたと言い出した。それに反論して自分は生娘だと医師の診断書を見せる。
混乱した食堂を後にして、リイーヤは馬に乗り伯爵家から出て行き国境を越え違う国へと向かう。
もし、次があるのなら優しい人と恋がしたいと……
お読みいただき、ありがとうございます。
エブリスタで四月に『完結』した話に差し替えいたいと思っております。内容はさほど、変わっておりません。
それにあたり、栞を挟んでいただいている方、すみません。
私は婚約破棄を回避するため王家直属「マルサ」を作って王国財政を握ることにしました
中七七三
ファンタジー
王立貴族学校卒業の年の夏――
私は自分が転生者であることに気づいた、というか思い出した。
王子と婚約している公爵令嬢であり、ご他聞に漏れず「悪役令嬢」というやつだった
このまま行くと卒業パーティで婚約破棄され破滅する。
私はそれを回避するため、王国の財政を握ることにした。
【完結】忌み子と呼ばれた公爵令嬢
美原風香
恋愛
「ティアフレア・ローズ・フィーン嬢に使節団への同行を命じる」
かつて、忌み子と呼ばれた公爵令嬢がいた。
誰からも嫌われ、疎まれ、生まれてきたことすら祝福されなかった1人の令嬢が、王国から追放され帝国に行った。
そこで彼女はある1人の人物と出会う。
彼のおかげで冷え切った心は温められて、彼女は生まれて初めて心の底から笑みを浮かべた。
ーー蜂蜜みたい。
これは金色の瞳に魅せられた令嬢が幸せになる、そんなお話。
結婚して5年、初めて口を利きました
宮野 楓
恋愛
―――出会って、結婚して5年。一度も口を聞いたことがない。
ミリエルと旦那様であるロイスの政略結婚が他と違う点を挙げよ、と言えばこれに尽きるだろう。
その二人が5年の月日を経て邂逅するとき
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる