18 / 29
本章
17 間宮愛理※王女ラブリ視点
しおりを挟む
何なのよ、あんのクソガキがあ。
どんな【恩恵スキル】をもらったのか聞き出そうとしても、のらりくらりとかわしてくるし、事あるごとに胸を触らせろ、だあ?
あたしはそんな安い女なんかじゃないっての。この愛理様を舐めんじゃないわよ。
この世界に召喚されてくると、異世界に渡ってきたご褒美として【恩恵スキル】がもらえる。
あたしも二十年前に召喚されて【恩恵スキル】を手に入れて、この国の王女にまで上り詰めた。
ガマガエルみたいな奴の養女になるしかなかったけど、勇者として扱われたし、スキルのおかげで手は出されてないし、イケメンたちを従えられるから悪くなかった。
専属の護衛騎士はあたしにメロメロだしね。
召喚されてからはいつもの日々、王女だから贅沢し放題。
美味しいものを好きなだけ食べてもスキルのおかげで太らないし、老けたりしない。この美しい身体を維持していける。
贅沢することに文句なんて言うやつはとっくに排斥してやったわ。
だってこの国には誰一人スキルを持ってる奴なんていないんだもの。
【恩恵スキル】は選ばれた勇者だけが持ってるものなのよ。
いわば平凡な人間を従えることの出来る素晴らしいスキル持ち。それがあたしってわけ。
小説やTVドラマであるじゃない。元の世界では平凡だったけど、異世界に来てチートスキルで成り上がるって物語が。あたしの場合はまさにそれよ。
だって【恩恵スキル】を持ってる特別な人間だもの。
こっちの世界に来られてホント良かった。
女神を信仰する隣の国には【加護スキル】なんてものがあるらしいわね。
生まれながらにスキルを持ってるとかムカつく。ガマガエルが隣の国に嫉妬する気持ちも分かるってもんよ。
でも話によれば、そのスキルってやつは本人たちの能力をちょっと底上げする程度のものだっていうじゃない。なによそんなの大したことない。
勇者の持ってるスキルのほうが強力に決まってるわ。だって『勇者』よ?『勇者』!
「それでは娘よ、今度こそは勇者としてこの国に貢献してもらうぞ」
新しい勇者が召喚された日、そんなことを言われた。
今度こそは、って何よ、このガマガエルめ。嫌味?
あたしを召喚したときは魔王なんていなかったんだから、仕方ないじゃない。
そんなときに召喚したのはどこのどいつだっての。
まあいいわ。
新しい勇者の召喚が成功してあたしの立場も微妙になっちゃったし、ここらへんで役に立っておかないと贅沢三昧出来なくなりそうだからね。
「魔王を討ち取ってみせますわ。このあたくしがね。そうなれば諸外国の覚えめでたく、あたくしを王女に頂くこの国の栄誉も上がるというもの」
国の栄誉なんて知ったこっちゃない。あたしが称賛されればそれでいいのよ。
思い出すこともなくなっていた過去、日本でのあたしを想い出す。
空気のように扱われて、誰にも相手にされなかった自分。
ブスとか陰気とか散々言われてた。
ブスって言われる人生が陽気になるわけないじゃない。
だからこっちの世界に来た時願ったのよ。
美人にしてください!
あたしが他人を好きなように出来るスキルをください!ってね。
そのおかげで素晴らしい【恩恵スキル】を手に入れた。
このスキルがあれば、魔王なんてすぐ殺れるし。
気の毒な魔王。復活して速攻殺されちゃうなんてね。
せいぜいあたしの栄光の踏み台になってもらうわ。
それにギリギリまで利用して、いざとなったら新しい勇者には消えてもらえばいい。
あたしのスキルで動けなくして、言いなりの護衛騎士に止めをさしてもらえばいいんだから簡単――
『勇者』は二人も要らないのよ……
どんな【恩恵スキル】をもらったのか聞き出そうとしても、のらりくらりとかわしてくるし、事あるごとに胸を触らせろ、だあ?
あたしはそんな安い女なんかじゃないっての。この愛理様を舐めんじゃないわよ。
この世界に召喚されてくると、異世界に渡ってきたご褒美として【恩恵スキル】がもらえる。
あたしも二十年前に召喚されて【恩恵スキル】を手に入れて、この国の王女にまで上り詰めた。
ガマガエルみたいな奴の養女になるしかなかったけど、勇者として扱われたし、スキルのおかげで手は出されてないし、イケメンたちを従えられるから悪くなかった。
専属の護衛騎士はあたしにメロメロだしね。
召喚されてからはいつもの日々、王女だから贅沢し放題。
美味しいものを好きなだけ食べてもスキルのおかげで太らないし、老けたりしない。この美しい身体を維持していける。
贅沢することに文句なんて言うやつはとっくに排斥してやったわ。
だってこの国には誰一人スキルを持ってる奴なんていないんだもの。
【恩恵スキル】は選ばれた勇者だけが持ってるものなのよ。
いわば平凡な人間を従えることの出来る素晴らしいスキル持ち。それがあたしってわけ。
小説やTVドラマであるじゃない。元の世界では平凡だったけど、異世界に来てチートスキルで成り上がるって物語が。あたしの場合はまさにそれよ。
だって【恩恵スキル】を持ってる特別な人間だもの。
こっちの世界に来られてホント良かった。
女神を信仰する隣の国には【加護スキル】なんてものがあるらしいわね。
生まれながらにスキルを持ってるとかムカつく。ガマガエルが隣の国に嫉妬する気持ちも分かるってもんよ。
でも話によれば、そのスキルってやつは本人たちの能力をちょっと底上げする程度のものだっていうじゃない。なによそんなの大したことない。
勇者の持ってるスキルのほうが強力に決まってるわ。だって『勇者』よ?『勇者』!
「それでは娘よ、今度こそは勇者としてこの国に貢献してもらうぞ」
新しい勇者が召喚された日、そんなことを言われた。
今度こそは、って何よ、このガマガエルめ。嫌味?
あたしを召喚したときは魔王なんていなかったんだから、仕方ないじゃない。
そんなときに召喚したのはどこのどいつだっての。
まあいいわ。
新しい勇者の召喚が成功してあたしの立場も微妙になっちゃったし、ここらへんで役に立っておかないと贅沢三昧出来なくなりそうだからね。
「魔王を討ち取ってみせますわ。このあたくしがね。そうなれば諸外国の覚えめでたく、あたくしを王女に頂くこの国の栄誉も上がるというもの」
国の栄誉なんて知ったこっちゃない。あたしが称賛されればそれでいいのよ。
思い出すこともなくなっていた過去、日本でのあたしを想い出す。
空気のように扱われて、誰にも相手にされなかった自分。
ブスとか陰気とか散々言われてた。
ブスって言われる人生が陽気になるわけないじゃない。
だからこっちの世界に来た時願ったのよ。
美人にしてください!
あたしが他人を好きなように出来るスキルをください!ってね。
そのおかげで素晴らしい【恩恵スキル】を手に入れた。
このスキルがあれば、魔王なんてすぐ殺れるし。
気の毒な魔王。復活して速攻殺されちゃうなんてね。
せいぜいあたしの栄光の踏み台になってもらうわ。
それにギリギリまで利用して、いざとなったら新しい勇者には消えてもらえばいい。
あたしのスキルで動けなくして、言いなりの護衛騎士に止めをさしてもらえばいいんだから簡単――
『勇者』は二人も要らないのよ……
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
124
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる