40 / 62
第8話 摩擦と流動がもたらすもの
わたしたちの放電エネルギー
しおりを挟む
他人の群れと接していれば、当然あなたはその中で「流動」しながら静電気を帯びることになる。
わたしもずっと学校という集団内でそのようにしてきた。
そこから身を引き、離れてしまってからもそうだ。
その電荷がプラスつまりいいものだったのか、あるいはマイナス、よくないものだったのかそれは分からない。
ただ冒頭で話したように、エネルギーを蓄えることのできた時間であったのは確かだった。
「いいか、静電気ってのは必ずその電気の力を放つんだ」
とギャスはある夕暮れの帰り道、わたしとハッカに言った。
「火花を散らすんだよね」
とわたしは確かめるように言った。
「『放電』ね」
ハッカがそれに応えた。
「わたしたちにもできるかな」
とわたしはだれに問うわけでもなく、問いかけた。
「放電すれば、火花どころじゃない。爆発するかもしれないぞ。そうなったら大変だ」
すると彼は走り出した。
「そのエネルギーはどのくらいだ?どれぐらい大きいんだ?」
「E=1/2 × Q × V!」
ハッカが大きな声で、遠くの彼に言った。
「聞こえないぜ」
そう返事するとギャスはわたしたちのほうを振り返った。
そして、こう叫びながらジャンプした。
「ファイアするんだ!」
高校3年生だったわたしたちには、それぞれの目標や夢があった。
一人一人それは違うものだったけど、皆そこへ向けて走り出したばかりだった。
この放電エネルギーはいま、「おつよん」へ向かっている。
わたしの蓄積した静電気は、この資格試験の合格へと向けて放たれようとしている。
あなたはどうだろうか?
勉強することはプラスの静電気を帯びることだ。
まだ見ぬ未来へのエネルギーを貯めることだ。
安心してほしい。あなたの中にもきっとそれはあるだろう。
わたしもずっと学校という集団内でそのようにしてきた。
そこから身を引き、離れてしまってからもそうだ。
その電荷がプラスつまりいいものだったのか、あるいはマイナス、よくないものだったのかそれは分からない。
ただ冒頭で話したように、エネルギーを蓄えることのできた時間であったのは確かだった。
「いいか、静電気ってのは必ずその電気の力を放つんだ」
とギャスはある夕暮れの帰り道、わたしとハッカに言った。
「火花を散らすんだよね」
とわたしは確かめるように言った。
「『放電』ね」
ハッカがそれに応えた。
「わたしたちにもできるかな」
とわたしはだれに問うわけでもなく、問いかけた。
「放電すれば、火花どころじゃない。爆発するかもしれないぞ。そうなったら大変だ」
すると彼は走り出した。
「そのエネルギーはどのくらいだ?どれぐらい大きいんだ?」
「E=1/2 × Q × V!」
ハッカが大きな声で、遠くの彼に言った。
「聞こえないぜ」
そう返事するとギャスはわたしたちのほうを振り返った。
そして、こう叫びながらジャンプした。
「ファイアするんだ!」
高校3年生だったわたしたちには、それぞれの目標や夢があった。
一人一人それは違うものだったけど、皆そこへ向けて走り出したばかりだった。
この放電エネルギーはいま、「おつよん」へ向かっている。
わたしの蓄積した静電気は、この資格試験の合格へと向けて放たれようとしている。
あなたはどうだろうか?
勉強することはプラスの静電気を帯びることだ。
まだ見ぬ未来へのエネルギーを貯めることだ。
安心してほしい。あなたの中にもきっとそれはあるだろう。
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
【完結】待ってください
仲 奈華 (nakanaka)
恋愛
ルチアは、誰もいなくなった家の中を見回した。
毎日家族の為に食事を作り、毎日家を清潔に保つ為に掃除をする。
だけど、ルチアを置いて夫は出て行ってしまった。
一枚の離婚届を机の上に置いて。
ルチアの流した涙が床にポタリと落ちた。
【ガチ恋プリンセス】これがVtuberのおしごと~後輩はガチで陰キャでコミュ障。。。『ましのん』コンビでトップVtuberを目指します!
夕姫
ライト文芸
Vtuber事務所『Fmすたーらいぶ』の1期生として活動する、清楚担当Vtuber『姫宮ましろ』。そんな彼女にはある秘密がある。それは中の人が男ということ……。
そんな『姫宮ましろ』の中の人こと、主人公の神崎颯太は『Fmすたーらいぶ』のマネージャーである姉の神崎桃を助けるためにVtuberとして活動していた。
同じ事務所のライバーとはほとんど絡まない、連絡も必要最低限。そんな生活を2年続けていたある日。事務所の不手際で半年前にデビューした3期生のVtuber『双葉かのん』こと鈴町彩芽に正体が知られて……
この物語は正体を隠しながら『姫宮ましろ』として活動する主人公とガチで陰キャでコミュ障な後輩ちゃんのVtuberお仕事ラブコメディ
※2人の恋愛模様は中学生並みにゆっくりです。温かく見守ってください
※配信パートは在籍ライバーが織り成す感動あり、涙あり、笑いありw箱推しリスナーの気分で読んでください
AIイラストで作ったFA(ファンアート)
⬇️
https://www.alphapolis.co.jp/novel/187178688/738771100
も不定期更新中。こちらも応援よろしくです
【完結】極貧イケメン学生は体を売らない。【番外編あります】
紫紺
BL
貧乏学生をスパダリが救済!?代償は『恋人のフリ』だった。
相模原涼(さがみはらりょう)は法学部の大学2年生。
超がつく貧乏学生なのに、突然居酒屋のバイトをクビになってしまった。
失意に沈む涼の前に現れたのは、ブランドスーツに身を包んだイケメン、大手法律事務所の副所長 城南晄矢(じょうなんみつや)。
彼は涼にバイトしないかと誘うのだが……。
※番外編を公開しました(10/21)
生活に追われて恋とは無縁の極貧イケメンの涼と、何もかもに恵まれた晄矢のラブコメBL。二人の気持ちはどっちに向いていくのか。
※本作品中の公判、判例、事件等は全て架空のものです。完全なフィクションであり、参考にした事件等もございません。拙い表現や現実との乖離はどうぞご容赦ください。
※4月18日、完結しました。ありがとうございました。
片思いに未練があるのは、私だけになりそうです
珠宮さくら
青春
髙村心陽は、双子の片割れである姉の心音より、先に初恋をした。
その相手は、幼なじみの男の子で、姉の初恋の相手は彼のお兄さんだった。
姉の初恋は、姉自身が見事なまでにぶち壊したが、その初恋の相手の人生までも狂わせるとは思いもしなかった。
そんな心陽の初恋も、片思いが続くことになるのだが……。
【本当にあった怖い話】
ねこぽて
ホラー
※実話怪談や本当にあった怖い話など、
取材や実体験を元に構成されております。
【ご朗読について】
申請などは特に必要ありませんが、
引用元への記載をお願い致します。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる