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エピローグ:帰郷
自らの歩む道
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◇◇◇
──クライヤマ
アインズと別れてから数日間、ユウキは冷たい岩戸の中で瞑想した。これからどうすべきなのかを、内なる日輪の力に問い続けたのである。
やがて答えと日輪の同意を得られた彼は、岩戸から出て日の巫女の社へ足を運んだ。
「見てよリオ。月は戻ったし、鎖も無い」
太陽が燦々と照らす大地。陽光の恩恵を感じながら、ユウキは社の掃除を始めた。乾燥した泥は土の塊となり、崩れては床を汚す。
「バケモノも新たに生まれなくなったみたいだし、世界に平穏が──」
ほうきと雑巾で社の隅から隅までを美化しながら、彼は会話しているかのような独り言を放ち続けた。
「ん? ああ、分かってるよ。本当の平穏……世界の均衡はまだ、訪れてない」
綺麗になった床や壁を満足気に眺めた後、洗濯して干していたボロボロの巫女服が十分に乾燥しているか確認する。
「そうそう。僕はあの時、確かに……。よし、ちゃんと乾いてるな」
次にその巫女服を床に広げる。まるで、そこに日の巫女がい居るかのように並べた。
「え? 皮肉な話? そんな事ないさ、そもそも、そういう予定だったんだから」
ちょうど昼時であり、社には南からの陽光が射す。痛いほどに眩い光であるが、少年はそれをものともしない。並べた巫女服の隣に座り、陽の温かさを受けた。
「じゃあ、そろそろ──」
一息ついて戸を閉めると、社の中は少し暗くなった。
ユウキは巫女服の隣で仰向けに寝転び──
「おやすみ」
そう呟いて、少年はゆっくりと眠りに就いた。
──邪神は姿を消し、世界は真の均衡を取り戻した。昼は太陽が照らし、夜は月が見守る。人はこれから先、そのどちらも大切に崇めながら、自らの意思で道を決めていくのである。
─────────────
天ノ恋慕 完
──クライヤマ
アインズと別れてから数日間、ユウキは冷たい岩戸の中で瞑想した。これからどうすべきなのかを、内なる日輪の力に問い続けたのである。
やがて答えと日輪の同意を得られた彼は、岩戸から出て日の巫女の社へ足を運んだ。
「見てよリオ。月は戻ったし、鎖も無い」
太陽が燦々と照らす大地。陽光の恩恵を感じながら、ユウキは社の掃除を始めた。乾燥した泥は土の塊となり、崩れては床を汚す。
「バケモノも新たに生まれなくなったみたいだし、世界に平穏が──」
ほうきと雑巾で社の隅から隅までを美化しながら、彼は会話しているかのような独り言を放ち続けた。
「ん? ああ、分かってるよ。本当の平穏……世界の均衡はまだ、訪れてない」
綺麗になった床や壁を満足気に眺めた後、洗濯して干していたボロボロの巫女服が十分に乾燥しているか確認する。
「そうそう。僕はあの時、確かに……。よし、ちゃんと乾いてるな」
次にその巫女服を床に広げる。まるで、そこに日の巫女がい居るかのように並べた。
「え? 皮肉な話? そんな事ないさ、そもそも、そういう予定だったんだから」
ちょうど昼時であり、社には南からの陽光が射す。痛いほどに眩い光であるが、少年はそれをものともしない。並べた巫女服の隣に座り、陽の温かさを受けた。
「じゃあ、そろそろ──」
一息ついて戸を閉めると、社の中は少し暗くなった。
ユウキは巫女服の隣で仰向けに寝転び──
「おやすみ」
そう呟いて、少年はゆっくりと眠りに就いた。
──邪神は姿を消し、世界は真の均衡を取り戻した。昼は太陽が照らし、夜は月が見守る。人はこれから先、そのどちらも大切に崇めながら、自らの意思で道を決めていくのである。
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天ノ恋慕 完
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