58 / 140
第4章 : 責務
選ばれし者
しおりを挟む
◇◇◇
──太古の時代、真っ白な神殿
広間にて彼女は嗤った。己が思うままに月長石の力を振るい、世界に影を落とした。
結果生まれた魑魅魍魎は、世界中の人々を蹂躙する。その光景を高みから見物し、愉快になった為である。
「あははははっ! どんどん死んでくね~」
やたらと多く地肌が見える黒い羽衣を、高揚する心を表すかのように翻しながら、彼女はその様子を見守る。
「はぁ面白い。このまま、み~んな死んじゃえばいいんだ」
そう恐ろしい事を口にしながら玉座へ。
「あ~あ……」
しかしながら座した彼女の様子は直前までとは大きく異なり、今度は膝を抱えて袖を濡らした。
「いくら力を手にしても、君は帰って来ないんだね。なら、要らない。君が居ない世界なんて、私が壊す」
自身の目的に対する意欲を無くさぬよう、己を鼓舞する意味も込めて呟いた。
そこへ──
「見つけたぞ、月の巫女」
「ん?」
聞き慣れぬ声がして部屋の入口を見ると、一人の男が立っていた。鎧に身を包み、一本の剣を携える。
「日長石……」
装備品などよりも彼女の気を引いたのは、彼の首にかかる首飾りであった。自身が放つ夜空の様なオーラとは対極の存在、全てを照らす太陽の様な輝きを持つ石である。
「あんた誰? ノックもせずにレディの部屋に入るなんて、失礼な奴」
「俺は、日の巫女様より選ばれし者。月の巫女セレーネ、邪知暴虐な貴様を封じに来た。覚悟しろ」
──はぁ、めんどくさ
セレーネはため息と共に心中で彼を嘲笑う。これまでにも何人か、地上でこういう戦士と刃を交えたことがあった。しかし、誰もセレーネを討つ事は出来ていない。
「見て、この傷一つ無い美しい身体。あんたみたいな奴は執拗いくらい見てるけど、私は……無、傷……なに、それ?」
お前如きに勝ち目は無いのだと、そう説明していた彼女の目に、理解不能な景色が飛び込んだ。
男の姿が変わった。髪は逆だって暖色に輝き、眩いオーラに全身を包まれている。
セレーネは己の内に秘めたる力と相対する温かさを感じ、虫酸が走る様な不快感を覚えた。
「なんなの、それ?! あんた、誰なの?!」
「これで終わりだ、月の巫女!」
「──っ!」
炎を帯びた剣が彼女を襲う。負けじと、オーラを集約して形成した手刀で応戦。鍔迫り合いになるも、彼女はすぐに退いた。自身の力が相殺されているのを感じたからだ。
「やだ、やだやだ! 気持ち悪い!」
「はああああ!」
「来るな、来るなああああっ!」
相手に両掌を向け、自身との間に隔壁を設けた。月長石の力による結界だ。男の動きは止まった。しかし、セレーネの期待は裏切られる。
「こんなもの!」
「う、うそ……そんな訳ない!」
日の力を纏った剣の切っ先が、防御を貫通した。次第に広がった穴は、最終的に人が通れる程の大きさになった。
「寄るな! 私に寄るな!」
後退しながら同じ防壁を何枚も何枚も、繰り返し張り続ける。が、その全ては同じ末路を辿る。
「抵抗するな。均衡の為、お前には大人しくして貰わねばならないんだ」
「嫌! 均衡なんて要らない。壊すの! 私が全部!」
「……そうか。ならば、仕方ない!」
「──っ?!」
男のオーラがより一層強くなる。セレーネの防御は一刹那で全て崩壊し、さらに距離が詰まる。
「……それなら、私も手段は選ばない」
「……?」
左手の薬指に付けていた指輪を外す。リングを宝たらしめるのは、小さな月長石である。
その石を取り外し──
「お願い、私を守ってね」
「本領発揮か、月の巫女!」
──飲み込んだ。
「私にひれ伏しな、この身の程知らず!」
セレーネの身体を中心に闇が放たれる。それは濁流となりて、選ばれし者にも覆い被さる。
激しいオーラの噴出により、羽衣はバサバサと音を立てて踊る。黒だった髪は紅紫色や紫檀色、紺碧色に変わって逆立つ。
「まさか、これ程の力とは」
「あははははっ! お遣いの分際で私に勝てると思った? バーカ、バーカ!」
「しかし、それは所詮……紛い物」
巫女の覚醒を前にしても男は冷静であった。
「あ? さっきからいちいちムカつくんだよ、お前!」
明確な怒りを顕にしたセレーネは、遊ばずにすぐ殺してしまおうと意気込んだ。オーラを集約して剣を創り、右手で柄を握る。
「死んじゃえ!」
それを突き刺さんと急接近。
「────は?」
が、男は切っ先を手で受け止めた。無論、掌を貫通しているが、同時に刃を鷲掴みにもしている。
「終わりだと……言ったはずだ!」
「や、やめろ! 気持ち、悪い!」
男の手から剣を伝いセレーネに太陽の力が流れ込んだ。彼のオーラは減衰するが、セレーネの剣もまた散乱していく。
「これで、世界は再び安定する!」
「なんでお前如きに、こんな……っ?!」
「それは、貴様が石を使っただけの偽物で、俺が巫女様に選ばれた本物だからだ」
「本……物……? うっ、きゃあああああああっ!」
いつの間にやら迫っていた男の掌がセレーネの胸骨部に触れた。先程までとは別種の不快感も重なり彼女は泣き叫ぶ。
「やめて、私の身体に触らないで! ああ、ああっ!」
日の力。
月の力。
互いが互いを打ち消し、セレーネの力も男の力も弱くなっていく。
「や、やめ……て……あの子以外が……私に触れ──」
セレーネの変身は解け、目からは怒りも覇気も失せた。続いて男からも力が抜ける。
「はぁ……はぁ……はぁ……うっ!」
彼もまた元の姿に戻り、両膝から崩れ落ちた。
「私の、私と……あの子の、力……返、して……」
朦朧とする意識の中、セレーネは辛うじて玉座に座らされた事だけ理解した。
「巫女様、これで……世界は守られたのですね」
よろめきながら男が部屋を後にする。その背中を見届けた後、力を封じられた彼女は睡魔に服し、永い眠りについた……。
◇◇◇
──現代、真っ白な神殿
「チッ」
広間にてセレーネは舌を打つ。ふと忌々しい記憶が蘇った為だ。怒りに呼応して右腕からオーラが漏れる。
そんな時、部屋の入口にある月長石が輝きを帯びた。遣いの帰還である。
「あっ、おかえりなさいジュア──」
いつもとは様子が違った。呼吸は浅く胴体は真紅に染る。命が途切れかけていたのである。
「ジュアン?! 今、治すからね!」
「セ……レーネ……様……」
彼が死にかけているのを見て、セレーネは己が必死になっている事に気付いた。同時に、そんな自分自身に呆れ返っていた。
──はぁ。何してんだろう、私
彼女の手から出た月長石のオーラがジュアンの身体に吸われていき、胸と右腕の傷は塞がった。二つの患部は左腕同様、しばらくすれば異形と化す。
「どうだった? 日の巫女の遣いは殺──」
「セレーネ様!」
「な、なに?」
思わぬジュアンの勢いに少し驚いた。
「あれは、ただの遣いなどではありません。奴は──ユウキは、本物です!」
「本……物……?」
「詳しくはボクも分からないですが、髪の色が変わって逆立ち、常に日長石のオーラを放っていて……」
彼の言葉を聞きセレーネは戦慄した。かつて二つの力を相殺し、事実上、彼女に封印を施した男。ユウキはその再来であると。
「如何なさい──」
「殺す」
震える手を抑えながら強く宣誓した。
「日の巫女に選ばれし者だけは、絶対に殺す!」
その存在に対する憎しみは、恐怖の裏返しだ。日の巫女は死んだ。すなわち、世界の均衡とやらを保つには……と。
ユウキらが全てを知った時、何を目的に動くことになるか……セレーネにとって答えは想像に難くない。
力が戻らない事への焦燥はさらに加速していった……。
──太古の時代、真っ白な神殿
広間にて彼女は嗤った。己が思うままに月長石の力を振るい、世界に影を落とした。
結果生まれた魑魅魍魎は、世界中の人々を蹂躙する。その光景を高みから見物し、愉快になった為である。
「あははははっ! どんどん死んでくね~」
やたらと多く地肌が見える黒い羽衣を、高揚する心を表すかのように翻しながら、彼女はその様子を見守る。
「はぁ面白い。このまま、み~んな死んじゃえばいいんだ」
そう恐ろしい事を口にしながら玉座へ。
「あ~あ……」
しかしながら座した彼女の様子は直前までとは大きく異なり、今度は膝を抱えて袖を濡らした。
「いくら力を手にしても、君は帰って来ないんだね。なら、要らない。君が居ない世界なんて、私が壊す」
自身の目的に対する意欲を無くさぬよう、己を鼓舞する意味も込めて呟いた。
そこへ──
「見つけたぞ、月の巫女」
「ん?」
聞き慣れぬ声がして部屋の入口を見ると、一人の男が立っていた。鎧に身を包み、一本の剣を携える。
「日長石……」
装備品などよりも彼女の気を引いたのは、彼の首にかかる首飾りであった。自身が放つ夜空の様なオーラとは対極の存在、全てを照らす太陽の様な輝きを持つ石である。
「あんた誰? ノックもせずにレディの部屋に入るなんて、失礼な奴」
「俺は、日の巫女様より選ばれし者。月の巫女セレーネ、邪知暴虐な貴様を封じに来た。覚悟しろ」
──はぁ、めんどくさ
セレーネはため息と共に心中で彼を嘲笑う。これまでにも何人か、地上でこういう戦士と刃を交えたことがあった。しかし、誰もセレーネを討つ事は出来ていない。
「見て、この傷一つ無い美しい身体。あんたみたいな奴は執拗いくらい見てるけど、私は……無、傷……なに、それ?」
お前如きに勝ち目は無いのだと、そう説明していた彼女の目に、理解不能な景色が飛び込んだ。
男の姿が変わった。髪は逆だって暖色に輝き、眩いオーラに全身を包まれている。
セレーネは己の内に秘めたる力と相対する温かさを感じ、虫酸が走る様な不快感を覚えた。
「なんなの、それ?! あんた、誰なの?!」
「これで終わりだ、月の巫女!」
「──っ!」
炎を帯びた剣が彼女を襲う。負けじと、オーラを集約して形成した手刀で応戦。鍔迫り合いになるも、彼女はすぐに退いた。自身の力が相殺されているのを感じたからだ。
「やだ、やだやだ! 気持ち悪い!」
「はああああ!」
「来るな、来るなああああっ!」
相手に両掌を向け、自身との間に隔壁を設けた。月長石の力による結界だ。男の動きは止まった。しかし、セレーネの期待は裏切られる。
「こんなもの!」
「う、うそ……そんな訳ない!」
日の力を纏った剣の切っ先が、防御を貫通した。次第に広がった穴は、最終的に人が通れる程の大きさになった。
「寄るな! 私に寄るな!」
後退しながら同じ防壁を何枚も何枚も、繰り返し張り続ける。が、その全ては同じ末路を辿る。
「抵抗するな。均衡の為、お前には大人しくして貰わねばならないんだ」
「嫌! 均衡なんて要らない。壊すの! 私が全部!」
「……そうか。ならば、仕方ない!」
「──っ?!」
男のオーラがより一層強くなる。セレーネの防御は一刹那で全て崩壊し、さらに距離が詰まる。
「……それなら、私も手段は選ばない」
「……?」
左手の薬指に付けていた指輪を外す。リングを宝たらしめるのは、小さな月長石である。
その石を取り外し──
「お願い、私を守ってね」
「本領発揮か、月の巫女!」
──飲み込んだ。
「私にひれ伏しな、この身の程知らず!」
セレーネの身体を中心に闇が放たれる。それは濁流となりて、選ばれし者にも覆い被さる。
激しいオーラの噴出により、羽衣はバサバサと音を立てて踊る。黒だった髪は紅紫色や紫檀色、紺碧色に変わって逆立つ。
「まさか、これ程の力とは」
「あははははっ! お遣いの分際で私に勝てると思った? バーカ、バーカ!」
「しかし、それは所詮……紛い物」
巫女の覚醒を前にしても男は冷静であった。
「あ? さっきからいちいちムカつくんだよ、お前!」
明確な怒りを顕にしたセレーネは、遊ばずにすぐ殺してしまおうと意気込んだ。オーラを集約して剣を創り、右手で柄を握る。
「死んじゃえ!」
それを突き刺さんと急接近。
「────は?」
が、男は切っ先を手で受け止めた。無論、掌を貫通しているが、同時に刃を鷲掴みにもしている。
「終わりだと……言ったはずだ!」
「や、やめろ! 気持ち、悪い!」
男の手から剣を伝いセレーネに太陽の力が流れ込んだ。彼のオーラは減衰するが、セレーネの剣もまた散乱していく。
「これで、世界は再び安定する!」
「なんでお前如きに、こんな……っ?!」
「それは、貴様が石を使っただけの偽物で、俺が巫女様に選ばれた本物だからだ」
「本……物……? うっ、きゃあああああああっ!」
いつの間にやら迫っていた男の掌がセレーネの胸骨部に触れた。先程までとは別種の不快感も重なり彼女は泣き叫ぶ。
「やめて、私の身体に触らないで! ああ、ああっ!」
日の力。
月の力。
互いが互いを打ち消し、セレーネの力も男の力も弱くなっていく。
「や、やめ……て……あの子以外が……私に触れ──」
セレーネの変身は解け、目からは怒りも覇気も失せた。続いて男からも力が抜ける。
「はぁ……はぁ……はぁ……うっ!」
彼もまた元の姿に戻り、両膝から崩れ落ちた。
「私の、私と……あの子の、力……返、して……」
朦朧とする意識の中、セレーネは辛うじて玉座に座らされた事だけ理解した。
「巫女様、これで……世界は守られたのですね」
よろめきながら男が部屋を後にする。その背中を見届けた後、力を封じられた彼女は睡魔に服し、永い眠りについた……。
◇◇◇
──現代、真っ白な神殿
「チッ」
広間にてセレーネは舌を打つ。ふと忌々しい記憶が蘇った為だ。怒りに呼応して右腕からオーラが漏れる。
そんな時、部屋の入口にある月長石が輝きを帯びた。遣いの帰還である。
「あっ、おかえりなさいジュア──」
いつもとは様子が違った。呼吸は浅く胴体は真紅に染る。命が途切れかけていたのである。
「ジュアン?! 今、治すからね!」
「セ……レーネ……様……」
彼が死にかけているのを見て、セレーネは己が必死になっている事に気付いた。同時に、そんな自分自身に呆れ返っていた。
──はぁ。何してんだろう、私
彼女の手から出た月長石のオーラがジュアンの身体に吸われていき、胸と右腕の傷は塞がった。二つの患部は左腕同様、しばらくすれば異形と化す。
「どうだった? 日の巫女の遣いは殺──」
「セレーネ様!」
「な、なに?」
思わぬジュアンの勢いに少し驚いた。
「あれは、ただの遣いなどではありません。奴は──ユウキは、本物です!」
「本……物……?」
「詳しくはボクも分からないですが、髪の色が変わって逆立ち、常に日長石のオーラを放っていて……」
彼の言葉を聞きセレーネは戦慄した。かつて二つの力を相殺し、事実上、彼女に封印を施した男。ユウキはその再来であると。
「如何なさい──」
「殺す」
震える手を抑えながら強く宣誓した。
「日の巫女に選ばれし者だけは、絶対に殺す!」
その存在に対する憎しみは、恐怖の裏返しだ。日の巫女は死んだ。すなわち、世界の均衡とやらを保つには……と。
ユウキらが全てを知った時、何を目的に動くことになるか……セレーネにとって答えは想像に難くない。
力が戻らない事への焦燥はさらに加速していった……。
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
女神様の使い、5歳からやってます
めのめむし
ファンタジー
小桜美羽は5歳の幼女。辛い境遇の中でも、最愛の母親と妹と共に明るく生きていたが、ある日母を事故で失い、父親に放置されてしまう。絶望の淵で餓死寸前だった美羽は、異世界の女神レスフィーナに救われる。
「あなたには私の世界で生きる力を身につけやすくするから、それを使って楽しく生きなさい。それで……私のお友達になってちょうだい」
女神から神気の力を授かった美羽は、女神と同じ色の桜色の髪と瞳を手に入れ、魔法生物のきんちゃんと共に新たな世界での冒険に旅立つ。しかし、転移先で男性が襲われているのを目の当たりにし、街がゴブリンの集団に襲われていることに気づく。「大人の男……怖い」と呟きながらも、ゴブリンと戦うか、逃げるか——。いきなり厳しい世界に送られた美羽の運命はいかに?
優しさと試練が待ち受ける、幼い少女の異世界ファンタジー、開幕!
基本、ほのぼの系ですので進行は遅いですが、着実に進んでいきます。
戦闘描写ばかり望む方はご注意ください。

異世界に転生したので幸せに暮らします、多分
かのこkanoko
ファンタジー
物心ついたら、異世界に転生していた事を思い出した。
前世の分も幸せに暮らします!
平成30年3月26日完結しました。
番外編、書くかもです。
5月9日、番外編追加しました。
小説家になろう様でも公開してます。
エブリスタ様でも公開してます。

アラヒフおばさんのゆるゆる異世界生活
ゼウママ
ファンタジー
50歳目前、突然異世界生活が始まる事に。原因は良く聞く神様のミス。私の身にこんな事が起こるなんて…。
「ごめんなさい!もう戻る事も出来ないから、この世界で楽しく過ごして下さい。」と、言われたのでゆっくり生活をする事にした。
現役看護婦の私のゆっくりとしたどたばた異世界生活が始まった。
ゆっくり更新です。はじめての投稿です。
誤字、脱字等有りましたらご指摘下さい。

トルサニサ
夏笆(なつは)
ファンタジー
大陸国家、トルサニサ。
科学力と軍事力で隆盛を誇るその国民は、結婚も人生の職業も個人の能力に依って国家が定める。
その場合の能力とは、瞬間移動や物体移動などのことをいい、トルサニサ軍は、その特化した能力を最大引き出す兵器を有し、隣国との争いを続けて来た。
そのトルサニサ軍、未来のエース候補が揃う士官学校はエフェ島にあり、その島の対面にはシンクタンクもあるため、エフェ島はエリートの象徴の島となっている。
士官候補生のサヤは、そんな士官学校のなかで、万年二位の成績を収めることで有名。
それを、トップのナジェルをはじめ、フレイアたち同期に嘆かれるも、自身は特に気にすることもない日々。
訓練と学習の毎日のなかで、学生たちは自分と国の未来を見つめていく。
シンクタンクの人間、テスとの出会い、街のひとを巻き込んだ収穫祭。
そのなかで、サヤとナジェルは互いに惹かれていく。
隣国との争い、そしてその秘密。
ナジェルと双璧を成すアクティスの存在。
そうして迎える、トルサニサ最大の危機。
最後に、サヤが選ぶ道は。

空想宵闇あやかし奇譚 ♢道化の王♢
八花月
キャラ文芸
受験を控えた高校生、古谷 守(ふるや まもる)はある日突然、奇怪な事件に巻き込まれる。
父親が見知らぬ男と二人、自宅のガレージで死亡していたのだ!
守は事件の解明を望むが、警察はお手上げ状態。
そんな守の元に、三人の小人達を配下に従える不思議な探偵がやってきて……。
時ならず接触してきた怪しげな情報屋、神懸かりの少女などを巻き込み、
事件は思わぬ様相を呈しはじめる!
※毎日20時頃更新します。よろしく!

異世界帰りの元勇者、日本に突然ダンジョンが出現したので「俺、バイト辞めますっ!」
シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
俺、結城ミサオは異世界帰りの元勇者。
異世界では強大な力を持った魔王を倒しもてはやされていたのに、こっちの世界に戻ったら平凡なコンビニバイト。
せっかく強くなったっていうのにこれじゃ宝の持ち腐れだ。
そう思っていたら突然目の前にダンジョンが現れた。
これは天啓か。
俺は一も二もなくダンジョンへと向かっていくのだった。
ラストフライト スペースシャトル エンデバー号のラスト・ミッショ
のせ しげる
SF
2017年9月、11年ぶりに大規模は太陽フレアが発生した。幸い地球には大きな被害はなかったが、バーストは7日間に及び、第24期太陽活動期中、最大級とされた。
同じころ、NASAの、若い宇宙物理学者ロジャーは、自身が開発したシミレーションプログラムの完成を急いでいた。2018年、新型のスパコン「エイトケン」が導入されテストプログラムが実行された。その結果は、2021年の夏に、黒点が合体成長し超巨大黒点となり、人類史上最大級の「フレア・バースト」が発生するとの結果を出した。このバーストは、地球に正対し発生し、地球の生物を滅ぼし地球の大気と水を宇宙空間へ持ち去ってしまう。地球の存続に係る重大な問題だった。
アメリカ政府は、人工衛星の打ち上げコストを削減する為、老朽化した衛星の回収にスペースシャトルを利用するとして、2018年の年の暮れに、アメリカ各地で展示していた「スペースシャトル」4機を搬出した。ロシアは、旧ソ連時代に開発し中断していた、ソ連版シャトル「ブラン」を再整備し、ISSへの大型資材の運搬に使用すると発表した。中国は、自国の宇宙ステイションの建設の為シャトル「天空」を打ち上げると発表した。
2020年の春から夏にかけ、シャトル七機が次々と打ち上げられた。実は、無人シャトル六機には核弾頭が搭載され、太陽黒点にシャトルごと打ち込み、黒点の成長を阻止しようとするミッションだった。そして、このミッションを成功させる為には、誰かが太陽まで行かなければならなかった。選ばれたのは、身寄りの無い、60歳代の元アメリカ空軍パイロット。もう一人が20歳代の日本人自衛官だった。この、二人が搭乗した「エンデバー号」が2020年7月4日に打ち上げられたのだ。
本作は、太陽活動を題材とし創作しております。しかしながら、このコ○ナ禍で「コ○ナ」はNGワードとされており、入力できませんので文中では「プラズマ」と表現しておりますので御容赦ください。
この物語はフィクションです。実際に起きた事象や、現代の技術、現存する設備を参考に創作した物語です。登場する人物・企業・団体・名称等は、実在のものとは関係ありません。
勇者一行から追放された二刀流使い~仲間から捜索願いを出されるが、もう遅い!~新たな仲間と共に魔王を討伐ス
R666
ファンタジー
アマチュアニートの【二龍隆史】こと36歳のおっさんは、ある日を境に実の両親達の手によって包丁で腹部を何度も刺されて地獄のような痛みを味わい死亡。
そして彼の魂はそのまま天界へ向かう筈であったが女神を自称する危ない女に呼び止められると、ギフトと呼ばれる最強の特典を一つだけ選んで、異世界で勇者達が魔王を討伐できるように手助けをして欲しいと頼み込まれた。
最初こそ余り乗り気ではない隆史ではあったが第二の人生を始めるのも悪くないとして、ギフトを一つ選び女神に言われた通りに勇者一行の手助けをするべく異世界へと乗り込む。
そして異世界にて真面目に勇者達の手助けをしていたらチキン野郎の役立たずという烙印を押されてしまい隆史は勇者一行から追放されてしまう。
※これは勇者一行から追放された最凶の二刀流使いの隆史が新たな仲間を自ら探して、自分達が新たな勇者一行となり魔王を討伐するまでの物語である※
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる