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第3章 : 乖離
八つ頭の大蛇
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◇◇◇
──翌日、どこかの屋根裏部屋
その場所に、八人の若者が座する。円形に座布団を並べ、皆が内側を向いて組織の活動について話す。
「んで、今回の成果は?」
ごく普通の町娘と言った風貌の彼女が、だらしなく胡座をかく桜華に問う。
「真剣十二本と、防人一人の負傷。ねえ、私の豆大福食べたの誰?」
「十二本か、結構大きいね」
「しかも、全部防人の特注品だからね。私たち大蛇にとっては高級品だよ。ところで、私の豆大福食べたの誰?」
「在庫は?」
町娘の彼女が自身の右隣に座する少年に問う。彼は鍛冶屋の息子で、父親の倉庫を利用して大蛇の武器在庫を抱えている。
「桜華が持ってきたのを合わせて真剣三十本、木刀二本、かんしゃく玉十個だよ」
「へえ、わりと貯まってきたじゃん」
「ねえ、私の──」
「なんだかんだデカくなってきたね、大蛇」
「ね。このまま成長すれば、アイツらにも勝てるかも」
「ねえ! 私の! 豆大福は!」
「うるさいね、さっきから!」
「だって酷いじゃん。楽しみにしてた豆大福、誰かに食べられちゃったんだよ⁈ 泥棒だよ、泥棒!」
「あんたね……自分が何者で何をやってるか、考えた事ある?」
言わずもがな、桜華は大蛇八幹部の一人を務めている。そんな彼女に、他人を泥棒呼ばわりする資格など無いと。そう言う指摘である。
「そんな事より」
幹部の一人、百姓のせがれが不毛な会話を断ち切る。
「今回の事で、防人の目は更に鋭くなるかもね。特に桜華、君は指名手配級でしょ」
「まあね~」
「呑気だな……」
「防人なんて、誰が何処からかかって来ても同じだもん」
相当な自信には、彼女が天才的な剣術の才能を持っているという裏付けがあった。実際のところ、昨晩、防人の男三人と同時に対峙したが引けを取らず、むしろ一人を負傷させ撃退している。
「さすが、天才剣士様は違うね」
幼い頃から桜華を知る、町娘の彼女が言う。
「だから違うって」
「……?」
が、桜華はその名誉ある称号を否定。自身で考えた、もっとも好ましい二つ名を言い放つ。
「美少女剣士だって、何回言えば解るの?」
「はぁ……黙ってりゃかわいいのに」
つい漏れ出した本音を、何とか小声にまで押し殺すことに成功。しかし残念ながら、桜華の耳にまで届いてしまう。
「なにか?」
「何でもないですぅ」
数秒間、おかしな空気感になるも、町娘は気を取り直して幹部全体へ向かって指示を出す。
「んんっ! とにかく、蛇が育ってきたとは言え、まだまだ奴らに抵抗するには足りない。武器と協力者の確保を優先して進めるよ!」
「りょ~か~い」
各々、その指示に対する了承の返事をして解散。各自のアジトへと帰ってゆく。屋根裏には、町娘と桜華の二人だけが残った。
「……ねぇ、桜華」
「ん?」
「本当に、勝てるのかな?」
「……勝つよ、私は」
「スサノオは、かなりの強敵だよ?」
「……」
◇◇◇
桜華の脳裏に嫌な記憶が蘇った。
生まれは分からず、物心着いた時には既に他の孤児と共に、神社で神主の世話になっていた。
時には喧嘩をすることもあったが、皆、大切な家族であった。
そんな平穏を破壊したのが、彼女らの言うスサノオである。彼らは極悪非道な盗賊の集まりで、狙った獲物を盗る為には手段を選ばない。
邪魔をすれば、虫けらの様に殺すことも厭わない程である。
──きゃああああっ!
──やめて! やめてよ!
幼少期の桜華と町娘の彼女──改め小町は、神主の計らいにより、押し入れの奥へと隠された。
長らく使われていない布団は埃臭く、自然と呼吸が浅くなった。それが結果的に気配を隠す事に繋がり、二人は何とか見つからずに済んだのであった。
──あれ……剣が無い?
人の気配が失せた後、二人は押し入れから這い出て様子を見た。
御神体として祭壇に置かれていたはずの、天叢雲剣が無くなっていた。スサノオはそれを標的として神社を襲撃したのだ。
大蛇は、スサノオに大切なものを奪われた被害者たちが集まった組織である。
◇◇◇
「……桜華?」
「ん?」
「どしたの? ぼーっとして」
「いや、ゴメン。なんでもない」
「で、他人様の話聞いてたの?」
「うん。もちろん、私は戦う。その為に私達は大蛇を立ち上げたんだから」
スサノオに討たれた蛇は復讐を誓い、八つの頭を持つ大蛇として、着々とその牙を磨き続けていた。
他の幹部もみな、スサノオから何かしらの被害を受けた者たちである。
「そうだね。んじゃ、これからもよろしく、桜華」
「小町……。うん、よろし──ん?」
小町の握手に応じようとした桜華は、彼女の指に付いた白い粉を発見。
「ねえ、小町」
「うん?」
「私の豆大福、美味しかった⁈」
「バレた!」
犯人だと気付かれた小町は、急いで屋根裏から去る。ドタバタと、おおよそ秘密会議の直後とは思えぬ騒々しさである。
「待てーっ! 返せーっ! 私の豆大福ぅ!」
桜華も大騒ぎしながら小町を追う。そこには大蛇の頭も、復讐の鬼も居ない。
ただ、二人の仲睦まじい少女たちが駆けるのみであった。
◇◇◇
それから、二年ほど過ぎた。急速に規模を拡大する大蛇は、無視する事の出来ない組織として防人から認識されるようになった。
人数だけを考慮すれば盗賊集団スサノオにも匹敵し、合計で三十名程が一丸となって活動している。
「すぅ……すぅ……」
ある夜。幹部の集まりが解散した後、桜華はそのまま屋根裏で寝息を立てていた。
「桜華」
「すぅ……」
「桜華!」
「わわっ! はい! って、なんだ小町か」
「なんだとは何よ、失礼ね」
「ゴメンって……。で、何? 寝てる私を叩き起してまで話しかけるなんて、よっぽどの用件なんでしょうね?」
「よっぽどの用件よ。ちゃんと行水したの?」
「……あ、忘れてた」
「きったな~い」
「な、何よ! 一日くらい忘れたって──」
「は~ん、自称美少女が聞いて呆れるわね」
「行水して来ます。って、自称じゃなくて他称だから!」
「いやあんた以外の口から聞いた事ないわ」
と、何年経とうと変化も成長もない茶番を繰り広げる。
眠い目をこすりながら、桜華は薄暗い中で行水を済ませた。屋根裏に戻り、今度こそ寝てやろうと、座布団を幾重にも重ねて寝床とする。
──まあ、悪くはないか
座布団が動きやすい事を除けば、悪くない寝心地であった。
──さ、おやすみ
「ちょっと桜華」
「……今度は何?」
「なんでここで寝ようとしてんの?」
「え~、だってアジト帰るの面倒臭いし」
「たまには帰りなさいよ。あんたの部下たちがかわいそうじゃない」
桜華の部下たちが集まるアジトは、ここから歩いて十分の距離にある。
大した距離ではないが、わざわざ眠気に
耐えながら歩く気にはならない様子。
「それに、美少女があそこで寝てたら襲われちゃうでしょ?」
「……は?」
「え?」
「え?」
呆れたように溜め息をつき、小町が続ける。
「はあ。ま、良いけどさ。たまには顔見せなよ」
「うん、近いうちにね」
桜華と小町──大蛇の創設メンバーである二人の会話は、毎度このようなものだ。しかし今日は、そこに喧騒が割り込んでくる。
「桜華さん! 桜華さん!」
階下より、たいそう慌てた様子の呼び声が聞こえた。彼女はその声に聞き覚えがある。自身が管理するアジトに所属する部下の男児だからである。
「どしたの?」
駆け足で階段を降り、何事かと問う。
「防人十人が、ウチらのアジトに向かってるみたいなんです!」
「……小町、ちょっくらアジトに顔出して来る」
「うん、行ってらっしゃい」
後から降りてきた小町が、寝床に置かれていた桜華の刀を所有者へ手渡した。
「あんがと」
彼女はそれを左腰に携え、大急ぎで幹部集会所を後にした。
──翌日、どこかの屋根裏部屋
その場所に、八人の若者が座する。円形に座布団を並べ、皆が内側を向いて組織の活動について話す。
「んで、今回の成果は?」
ごく普通の町娘と言った風貌の彼女が、だらしなく胡座をかく桜華に問う。
「真剣十二本と、防人一人の負傷。ねえ、私の豆大福食べたの誰?」
「十二本か、結構大きいね」
「しかも、全部防人の特注品だからね。私たち大蛇にとっては高級品だよ。ところで、私の豆大福食べたの誰?」
「在庫は?」
町娘の彼女が自身の右隣に座する少年に問う。彼は鍛冶屋の息子で、父親の倉庫を利用して大蛇の武器在庫を抱えている。
「桜華が持ってきたのを合わせて真剣三十本、木刀二本、かんしゃく玉十個だよ」
「へえ、わりと貯まってきたじゃん」
「ねえ、私の──」
「なんだかんだデカくなってきたね、大蛇」
「ね。このまま成長すれば、アイツらにも勝てるかも」
「ねえ! 私の! 豆大福は!」
「うるさいね、さっきから!」
「だって酷いじゃん。楽しみにしてた豆大福、誰かに食べられちゃったんだよ⁈ 泥棒だよ、泥棒!」
「あんたね……自分が何者で何をやってるか、考えた事ある?」
言わずもがな、桜華は大蛇八幹部の一人を務めている。そんな彼女に、他人を泥棒呼ばわりする資格など無いと。そう言う指摘である。
「そんな事より」
幹部の一人、百姓のせがれが不毛な会話を断ち切る。
「今回の事で、防人の目は更に鋭くなるかもね。特に桜華、君は指名手配級でしょ」
「まあね~」
「呑気だな……」
「防人なんて、誰が何処からかかって来ても同じだもん」
相当な自信には、彼女が天才的な剣術の才能を持っているという裏付けがあった。実際のところ、昨晩、防人の男三人と同時に対峙したが引けを取らず、むしろ一人を負傷させ撃退している。
「さすが、天才剣士様は違うね」
幼い頃から桜華を知る、町娘の彼女が言う。
「だから違うって」
「……?」
が、桜華はその名誉ある称号を否定。自身で考えた、もっとも好ましい二つ名を言い放つ。
「美少女剣士だって、何回言えば解るの?」
「はぁ……黙ってりゃかわいいのに」
つい漏れ出した本音を、何とか小声にまで押し殺すことに成功。しかし残念ながら、桜華の耳にまで届いてしまう。
「なにか?」
「何でもないですぅ」
数秒間、おかしな空気感になるも、町娘は気を取り直して幹部全体へ向かって指示を出す。
「んんっ! とにかく、蛇が育ってきたとは言え、まだまだ奴らに抵抗するには足りない。武器と協力者の確保を優先して進めるよ!」
「りょ~か~い」
各々、その指示に対する了承の返事をして解散。各自のアジトへと帰ってゆく。屋根裏には、町娘と桜華の二人だけが残った。
「……ねぇ、桜華」
「ん?」
「本当に、勝てるのかな?」
「……勝つよ、私は」
「スサノオは、かなりの強敵だよ?」
「……」
◇◇◇
桜華の脳裏に嫌な記憶が蘇った。
生まれは分からず、物心着いた時には既に他の孤児と共に、神社で神主の世話になっていた。
時には喧嘩をすることもあったが、皆、大切な家族であった。
そんな平穏を破壊したのが、彼女らの言うスサノオである。彼らは極悪非道な盗賊の集まりで、狙った獲物を盗る為には手段を選ばない。
邪魔をすれば、虫けらの様に殺すことも厭わない程である。
──きゃああああっ!
──やめて! やめてよ!
幼少期の桜華と町娘の彼女──改め小町は、神主の計らいにより、押し入れの奥へと隠された。
長らく使われていない布団は埃臭く、自然と呼吸が浅くなった。それが結果的に気配を隠す事に繋がり、二人は何とか見つからずに済んだのであった。
──あれ……剣が無い?
人の気配が失せた後、二人は押し入れから這い出て様子を見た。
御神体として祭壇に置かれていたはずの、天叢雲剣が無くなっていた。スサノオはそれを標的として神社を襲撃したのだ。
大蛇は、スサノオに大切なものを奪われた被害者たちが集まった組織である。
◇◇◇
「……桜華?」
「ん?」
「どしたの? ぼーっとして」
「いや、ゴメン。なんでもない」
「で、他人様の話聞いてたの?」
「うん。もちろん、私は戦う。その為に私達は大蛇を立ち上げたんだから」
スサノオに討たれた蛇は復讐を誓い、八つの頭を持つ大蛇として、着々とその牙を磨き続けていた。
他の幹部もみな、スサノオから何かしらの被害を受けた者たちである。
「そうだね。んじゃ、これからもよろしく、桜華」
「小町……。うん、よろし──ん?」
小町の握手に応じようとした桜華は、彼女の指に付いた白い粉を発見。
「ねえ、小町」
「うん?」
「私の豆大福、美味しかった⁈」
「バレた!」
犯人だと気付かれた小町は、急いで屋根裏から去る。ドタバタと、おおよそ秘密会議の直後とは思えぬ騒々しさである。
「待てーっ! 返せーっ! 私の豆大福ぅ!」
桜華も大騒ぎしながら小町を追う。そこには大蛇の頭も、復讐の鬼も居ない。
ただ、二人の仲睦まじい少女たちが駆けるのみであった。
◇◇◇
それから、二年ほど過ぎた。急速に規模を拡大する大蛇は、無視する事の出来ない組織として防人から認識されるようになった。
人数だけを考慮すれば盗賊集団スサノオにも匹敵し、合計で三十名程が一丸となって活動している。
「すぅ……すぅ……」
ある夜。幹部の集まりが解散した後、桜華はそのまま屋根裏で寝息を立てていた。
「桜華」
「すぅ……」
「桜華!」
「わわっ! はい! って、なんだ小町か」
「なんだとは何よ、失礼ね」
「ゴメンって……。で、何? 寝てる私を叩き起してまで話しかけるなんて、よっぽどの用件なんでしょうね?」
「よっぽどの用件よ。ちゃんと行水したの?」
「……あ、忘れてた」
「きったな~い」
「な、何よ! 一日くらい忘れたって──」
「は~ん、自称美少女が聞いて呆れるわね」
「行水して来ます。って、自称じゃなくて他称だから!」
「いやあんた以外の口から聞いた事ないわ」
と、何年経とうと変化も成長もない茶番を繰り広げる。
眠い目をこすりながら、桜華は薄暗い中で行水を済ませた。屋根裏に戻り、今度こそ寝てやろうと、座布団を幾重にも重ねて寝床とする。
──まあ、悪くはないか
座布団が動きやすい事を除けば、悪くない寝心地であった。
──さ、おやすみ
「ちょっと桜華」
「……今度は何?」
「なんでここで寝ようとしてんの?」
「え~、だってアジト帰るの面倒臭いし」
「たまには帰りなさいよ。あんたの部下たちがかわいそうじゃない」
桜華の部下たちが集まるアジトは、ここから歩いて十分の距離にある。
大した距離ではないが、わざわざ眠気に
耐えながら歩く気にはならない様子。
「それに、美少女があそこで寝てたら襲われちゃうでしょ?」
「……は?」
「え?」
「え?」
呆れたように溜め息をつき、小町が続ける。
「はあ。ま、良いけどさ。たまには顔見せなよ」
「うん、近いうちにね」
桜華と小町──大蛇の創設メンバーである二人の会話は、毎度このようなものだ。しかし今日は、そこに喧騒が割り込んでくる。
「桜華さん! 桜華さん!」
階下より、たいそう慌てた様子の呼び声が聞こえた。彼女はその声に聞き覚えがある。自身が管理するアジトに所属する部下の男児だからである。
「どしたの?」
駆け足で階段を降り、何事かと問う。
「防人十人が、ウチらのアジトに向かってるみたいなんです!」
「……小町、ちょっくらアジトに顔出して来る」
「うん、行ってらっしゃい」
後から降りてきた小町が、寝床に置かれていた桜華の刀を所有者へ手渡した。
「あんがと」
彼女はそれを左腰に携え、大急ぎで幹部集会所を後にした。
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