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壱ノ章:最強の守護霊
第七話 『感じる違和感』
しおりを挟む「やっぱり夏と言えば心霊スポットに限るよなぁ~!」
「夏と言えば欠かせない恒例行事だからな!慎吾のヤツも来りゃ良かったのに」
「まぁ霊感のある慎吾はこういう所に来ると、幽霊の気配を感じ取っちゃうし、視えちゃうみたいだから仕方ないって~!ほら、幽霊って視える人に近づいてくるってよく言うだろ?」
「確かにな~。アイツ、こういう所に来なくても視えているみたいだしな。…そう考えると視える人って言うのも大変だな」
「ある意味俺ら、視えなくても良かったかも!助けとか求められても何にも力がないから助けられないし…」
「言えてるわ…」
「…」
2人ともこんな時によく呑気に会話なんかできるな…。まさか、この雰囲気に気付いていないとか?
…いや、アイツらならあり得るかも。
先頭を切って歩いていた昌と裕貴が楽しそうに話しているのを、俺は少し後ろを歩きながら聞いていた。
山の中に佇む廃ホテルだけあって、明かりは全くなく、どこを見ても周りは真っ暗。
持ってきた懐中電灯のおかげで、ようやく照らした先が見えると言った感じだ。
万が一懐中電灯が切れでもしたら…マジでシャレにならねぇ…
こういう場所は、遊び半分で来ちゃいけない危険な場所だって事は分かっている。
だけど、俺は慎吾みたいに霊感がある訳じゃないから、幽霊だって視えない。
今までだって幽霊を見る所か、心霊体験なるものも経験した事はないんだから。
そんな俺が心霊スポットに来た所で視えるはずはない。
――まぁ、心霊スポットは人生で1回位は来てみたかったし、一通り回ったらさっさと帰るか。
「!!」
ふいに背後から視線を感じて、慌てて背後を懐中電灯で照らす。
「なんだ?今の…」
何もいない…?
昌も裕貴も俺の前を歩いているし、他に誰もいるはずがないのに確かに今、背後で気配を感じた。
それに…何だろうこの感じ…。ホテルの中に入ってからずっと嫌な気配が周りにあると言うか、常に付きまとっている感じと言うか…
なんて説明したらいいか分からないけど、奥に進めば進む程嫌な感じが強くなっているような感じがする。
「ホテルに入ってから、空気が重くなった様に感じるのは気のせいか?…心なしか変な臭いもするし、それに…」
俺は懐中電灯を照らしながら辺りを見渡した。
「さっきからずっと、誰かに見られている気がする…」
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