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第4章:ふたりの想い、消えゆく笑顔
193話
しおりを挟む「湊様と…?まさかルカ、今回の仕事の件を湊様に話したんですか!?」
「バカ言うな!言うわけがないだろ!!…内容は聞かれたが、龍司様から口止めされているから言えないと言った!…ただ、湊様も思う事がたくさんあるようだった。龍司様のことで、不安定な湊様を放置して出てくることが出来なかっただけだ」
「そう…ですか。わかりました。湊様が関わっていることなのであれば仕方がないです。この話はここまでにしましょうルカ。車を待たせています。時間はありません。急いで向かいましょう」
「わかった」
湊の名前を出されれば、いくらアキでも言い返すことが出来ないのだろう。
小さくため息をついたアキが車の方へと歩き出す。
ルカが揃った事で出発するのだと察したのだろう、運転席で待機していた驫木が車のエンジンをかけた。
続くように歩き出したルカの肩に、のしかかるようにゼロが腕を回してきて、ルカは視線だけをゼロに向けた。
「………重いんだけど」
「本当に湊様と話して遅れただけか?…お前の事だ。どうせセリとも話をしていたんだろ?」
「……」
ゼロの言葉に内心ぎくりとする。
表情には表さないように、ルカは無表情を作るとゼロを睨む。
ゼロは昔からなにかと勘がいい。
勘が良いのはゼロだけじゃなく、ルカやアキ、セリも同じなのだがゼロ勘の良さと嗅覚は、狼などの動物と同等レベルのものと言ってもいい程だ。
「俺にはお見通しだ。だって…」
その証拠に――
「お前からセリの匂いがするぜ?」
「…っ!!」
お前の嗅覚は、一体どうなっているんだ。
ゼロの異常なほど鋭い嗅覚は昔からだった。
匂いの中でも、特に人の体臭と血の匂いには敏感で、人間離れしているという言葉が一番しっくりくる。
だから、隠したとしてもすぐにバレる…そんなことはわかってはいたが、状況が状況なだけに正直に言える訳もなかった。
ルカの表情の変化に気づいたゼロが、にやりと笑みを浮かべる。
「ビンゴ?…まぁお前の代わりに湊様を護衛するのはセリだし?分かっていたけど。アイツは昔からルカだけしか見えてねぇからな」
「……」
「…別に…交代する時に、少し言葉を交わしただけだ。お前が考えているような卑猥なことはない。行くぞ」
「卑猥な事ねぇ…?誰もそんな事考えてねぇんだけどなぁ」
車の方へ歩き出したルカの背中にゼロが言葉を投げかける。
「…なんだ?まだ言いたい事があるのか?」
「別に~?なんもねぇよ」
いくらゼロでも、こんな状況の中で卑猥な事は考えてはいなかったが、なぜセリと話していた事を言おうとしなかったのかがゼロには分からなかった。
今更セリとルカのことについて問い詰める気などなかったからだ。
(俺とアキが愛し合っているように、セリとルカも愛し合っている。そんなの昔からお互いに知っていることじゃねぇか…)
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