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第十八話『トロッコ問題』
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『君は暴走するトロッコと、2つに分かれた線路の片方に身動きの取れない友人1人、もう片方には身動きの取れない数えきれないほどの商売相手がいたとする。トロッコはこのままでは商売相手の方に向かってしまうようだ。君はトロッコの進む先を友人に変えて多くの人を救う決断ができるかい?』
春人が翔から受け取ったDMにはそう書かれていた。いかにも春人の家庭環境を知っているかのような二択に少し引っかかるが、それと一緒に送られてきた写真ーー
これは...確かに俺の両親は黙っちゃいないだろうな。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
これはトロッコ問題に似ている。そうあれと作った。実際にはどちらを選んでも死人は出ない...とも限らないが、直接的には関係しない。だが、どちらかを選ばなければいけない状況であることには変わりない。
狡い表現をしたことは理解している。これの本質は『友人か金か』だ。それに友人を犠牲にすることを良しとする問題文、まあこれは効果的ではないだろう。しかし、この問題の難しいところは『金』を選んだとて、友人にもダメージが行ってしまうところだ。
「暴走するトロッコを自力で止めようだなんて。無謀だよなぁ。」
翔はつい笑みが溢れる。まさかここまでうまくいくなんて。
写真の効力は一度きり。使えば確かに効果はあるだろうが、ただセンセーの恋路を邪魔するってだけじゃ足りない。だけどこの手札だけじゃセンセーの身も心も手に入れるなんて無理だ。それに、いずれ先出しされてこの手札は使えなくなるだろう。しかし先出しも向こうにしてみれば最終手段で、決断にも時間を要するはず。ならば今ある手札をお友達にちらつかせて手札を増やす。
プライド高そうで好みじゃないけど...まあ、本命のためってことで!
翔はウキウキしながら手札作成の準備を始めた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「なあ、トロッコ問題ってあるだろ?友達1人か知らない人数人か選ぶやつ。あれ?若者1人と老人数人だっけ?まあそんな些細なことはどうでもいい。お前なら、お前ならどうする?」
青也と春人、2人で登校している道中、突然柄にも無いことを言い出した春人の話を少し困惑しながら聞いていた青也は、一呼吸してから口を開く。
「それって...いや、なんでもない。もし、もしだよ、その友達が俺だったら...きっと俺を犠牲にしろって言うと思う。その決断は春人じゃなくて俺がしたんだよって。」
青也は深く触れない程度に笑ってみせる。春人は困ったように頭をかく。
「...そうだよな。その友達がお前ならそう言うだろうな。(だからこそーー)」
「え?」
「いや、なんでもない。」
「俺、この後用事あるから!出席よろしく!」
突然春人は何かを決心したように走り去って行く。
「え、は?ちょっとおい!サボんの!?えっ!あちょ......逃げ足はっや。」
青也は大きなため息をつく。
「仕方ない」と再び講義室に向かおうと視線を動かす途中で見覚えのある影を捕らえる。しかしそれは、不自然極まりなかった。
「あれ?今日は1人なんだ。」
そこには秀和がいた。しかし秀和しかいなかった。これがどれほどおかしいのかを例えると、『ソフトクリームをカップやコーン無しで素手に乗せられるような気分』だ。あるべきモノがそこに無い。そう。田神隆則ロス!2人はまるでデコとボコ、2人がお互いのカバーをし合う。2人揃わないと変身できないヒーローのような、一緒にいなくてはならない2人。普段一緒にいるはずの学生生活の時間帯に、片方だけで行動するなんて...!
......ん?
ちょっとまって?よく考えたら先輩たちこの間喧嘩してなかったか?いやでも、2、3日経ったし、俺もあの時は精一杯の対応をしたし...
もしかして、俺がモブであるべきところで出しゃばったからなんじゃ?当て馬になるのは上等だけど、カップル成立後(捏造)の当て馬の登場とか誰も望んでないから!みんなはカップルのイチャイチャを永遠に見てたいだけだから!お前もういい帰れってなるから!あっ、でも当て馬が主役のスピンオフとかももちろん需要があって、でもそういう時高確率で当て馬がウケで・・・[省略]
目を瞑って思考を加速させ、時より自分の思考情報に頷いたり首を振ったりしていた結果、青也は講義に遅刻した。目を瞑っていたので、道ゆく人に変な目で見られていた事を気付かなかったのは、不幸中の幸いであった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「はぁ、はぁ...」
青也が見えないところまでダッシュした春人は膝に手をつき、息を整えていた。
ある程度整うとすぐに翔に連絡を入れた。そして間もなく返信が来る。待っていたとばかりに。
しかし、なんの準備も無しに乗り込むほどバカでも、焦ってもいない。しっかりと準備をするべく、街へ向かって歩き出した。幸い、お金は何とかなる。
青也は...俺には勿体無いほど良いやつなんだ。
...だからこそ、俺はその友達を失いたくないんだ。
...何かを、失うことになろうとも。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「あれ?大地先輩、今何時ですか?」
大地に頭を撫でられ、しばらく幸せ気分だった隆則は、ふと我に帰った。
「んー?9時半ぐらい。」
朝食を食べ終え、片付けに入ろうとしていた大地は腕時計を確認し答えた。
「えっ!!やばいやばい遅刻だうわー!服!服なんでもいいんでください!」
昨夜大地にゲロをかけてしまった罰にパンイチで朝食を食べていた隆則は慌てて準備を始めた。
「え、やべえじゃん俺のシャツ着る?」
大地は自分の着ていたTシャツを脱いで差し出す。
「あぁ、ありがとうございます。ズボンもお願いします。」
隆則は準備に夢中で、そのまま受け取って着た。大地は冗談のつもりだったので困った顔をした。
「ズボンも...?まあ、いいけども。」
渋々ズボンも脱いだ大地は、隆則の横にズボン置き、自分が着る用の服を取りに向かった。
「え?...え!?なんでパンイチなんですか!?」
準備を終えた隆則はズボンのお礼を言おうと振り返る。そしていつのまにかパンイチになっている大地を目の当たりにする。背中に浮き上がった筋肉からバドミントンに対する情熱を感じる。赤いパンツからはより感じた。
「追い剥ぎにあったんだよぉ。酷いよなぁ?」
「...そう、なんですね。あの俺、急ぐので。」
何も見なかったことにして靴を履き始める隆則に大地はスリーパーホールドを仕掛ける。
「おまえやぁあああ!!」
「んんんんんんんん!?!?」
踠き苦しむ隆則はたまらず後ろに倒れ込む。倒れる衝撃で大地は小さく息を漏らし手を緩めた。それを耳元で聞いた隆則はビクンと身体に電気が走った。逃げられそうと焦った大地は両脚を隆則の前まで持っていきロックする。
隆則は背中に柔らかいものが当たった感触と少しの温もり、そしてそれがナニであったか理解したことにより全身の毛が立つような衝撃を受けた。布2枚越しにあるのは好きな人の...おそらく大地は気付いていない。そう思うと、なんだか背徳感と共に込み上げてくるものがあった。しかし苦しいのも事実。スリータップで負けを認めた。
「ーーーえっ!俺がいくら急いでるからって自分の服渡します?」
「からかってやろうと思ったの!失敗したけどよぉ!」
「す、すいません。」
「まあいい。焦ると気付くべき所にも気付かないから気をつけろよ?」
「き、気をつけます。...じゃあ、今度こそ行きますね。」
そう言ってドアを開けようとする隆則の肩を大地は止める。
「出かける前に、何か言うことがあるだろ?」
「え?すいません?」
「違う。『いってきます』だ『いってきます』!ほらっ!」
「...い。って...きます」
「おう!いってらっしゃい。」
外に出てドアが閉まったのをしっかり確認し、手で腰の少し上辺りの背骨をなぞる。神経はまだあの時の感触を忘れまいと掴んだままだ。隆則は小さく呟く。
「めっちゃでかかった......」
春人が翔から受け取ったDMにはそう書かれていた。いかにも春人の家庭環境を知っているかのような二択に少し引っかかるが、それと一緒に送られてきた写真ーー
これは...確かに俺の両親は黙っちゃいないだろうな。
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これはトロッコ問題に似ている。そうあれと作った。実際にはどちらを選んでも死人は出ない...とも限らないが、直接的には関係しない。だが、どちらかを選ばなければいけない状況であることには変わりない。
狡い表現をしたことは理解している。これの本質は『友人か金か』だ。それに友人を犠牲にすることを良しとする問題文、まあこれは効果的ではないだろう。しかし、この問題の難しいところは『金』を選んだとて、友人にもダメージが行ってしまうところだ。
「暴走するトロッコを自力で止めようだなんて。無謀だよなぁ。」
翔はつい笑みが溢れる。まさかここまでうまくいくなんて。
写真の効力は一度きり。使えば確かに効果はあるだろうが、ただセンセーの恋路を邪魔するってだけじゃ足りない。だけどこの手札だけじゃセンセーの身も心も手に入れるなんて無理だ。それに、いずれ先出しされてこの手札は使えなくなるだろう。しかし先出しも向こうにしてみれば最終手段で、決断にも時間を要するはず。ならば今ある手札をお友達にちらつかせて手札を増やす。
プライド高そうで好みじゃないけど...まあ、本命のためってことで!
翔はウキウキしながら手札作成の準備を始めた。
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「なあ、トロッコ問題ってあるだろ?友達1人か知らない人数人か選ぶやつ。あれ?若者1人と老人数人だっけ?まあそんな些細なことはどうでもいい。お前なら、お前ならどうする?」
青也と春人、2人で登校している道中、突然柄にも無いことを言い出した春人の話を少し困惑しながら聞いていた青也は、一呼吸してから口を開く。
「それって...いや、なんでもない。もし、もしだよ、その友達が俺だったら...きっと俺を犠牲にしろって言うと思う。その決断は春人じゃなくて俺がしたんだよって。」
青也は深く触れない程度に笑ってみせる。春人は困ったように頭をかく。
「...そうだよな。その友達がお前ならそう言うだろうな。(だからこそーー)」
「え?」
「いや、なんでもない。」
「俺、この後用事あるから!出席よろしく!」
突然春人は何かを決心したように走り去って行く。
「え、は?ちょっとおい!サボんの!?えっ!あちょ......逃げ足はっや。」
青也は大きなため息をつく。
「仕方ない」と再び講義室に向かおうと視線を動かす途中で見覚えのある影を捕らえる。しかしそれは、不自然極まりなかった。
「あれ?今日は1人なんだ。」
そこには秀和がいた。しかし秀和しかいなかった。これがどれほどおかしいのかを例えると、『ソフトクリームをカップやコーン無しで素手に乗せられるような気分』だ。あるべきモノがそこに無い。そう。田神隆則ロス!2人はまるでデコとボコ、2人がお互いのカバーをし合う。2人揃わないと変身できないヒーローのような、一緒にいなくてはならない2人。普段一緒にいるはずの学生生活の時間帯に、片方だけで行動するなんて...!
......ん?
ちょっとまって?よく考えたら先輩たちこの間喧嘩してなかったか?いやでも、2、3日経ったし、俺もあの時は精一杯の対応をしたし...
もしかして、俺がモブであるべきところで出しゃばったからなんじゃ?当て馬になるのは上等だけど、カップル成立後(捏造)の当て馬の登場とか誰も望んでないから!みんなはカップルのイチャイチャを永遠に見てたいだけだから!お前もういい帰れってなるから!あっ、でも当て馬が主役のスピンオフとかももちろん需要があって、でもそういう時高確率で当て馬がウケで・・・[省略]
目を瞑って思考を加速させ、時より自分の思考情報に頷いたり首を振ったりしていた結果、青也は講義に遅刻した。目を瞑っていたので、道ゆく人に変な目で見られていた事を気付かなかったのは、不幸中の幸いであった。
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「はぁ、はぁ...」
青也が見えないところまでダッシュした春人は膝に手をつき、息を整えていた。
ある程度整うとすぐに翔に連絡を入れた。そして間もなく返信が来る。待っていたとばかりに。
しかし、なんの準備も無しに乗り込むほどバカでも、焦ってもいない。しっかりと準備をするべく、街へ向かって歩き出した。幸い、お金は何とかなる。
青也は...俺には勿体無いほど良いやつなんだ。
...だからこそ、俺はその友達を失いたくないんだ。
...何かを、失うことになろうとも。
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「あれ?大地先輩、今何時ですか?」
大地に頭を撫でられ、しばらく幸せ気分だった隆則は、ふと我に帰った。
「んー?9時半ぐらい。」
朝食を食べ終え、片付けに入ろうとしていた大地は腕時計を確認し答えた。
「えっ!!やばいやばい遅刻だうわー!服!服なんでもいいんでください!」
昨夜大地にゲロをかけてしまった罰にパンイチで朝食を食べていた隆則は慌てて準備を始めた。
「え、やべえじゃん俺のシャツ着る?」
大地は自分の着ていたTシャツを脱いで差し出す。
「あぁ、ありがとうございます。ズボンもお願いします。」
隆則は準備に夢中で、そのまま受け取って着た。大地は冗談のつもりだったので困った顔をした。
「ズボンも...?まあ、いいけども。」
渋々ズボンも脱いだ大地は、隆則の横にズボン置き、自分が着る用の服を取りに向かった。
「え?...え!?なんでパンイチなんですか!?」
準備を終えた隆則はズボンのお礼を言おうと振り返る。そしていつのまにかパンイチになっている大地を目の当たりにする。背中に浮き上がった筋肉からバドミントンに対する情熱を感じる。赤いパンツからはより感じた。
「追い剥ぎにあったんだよぉ。酷いよなぁ?」
「...そう、なんですね。あの俺、急ぐので。」
何も見なかったことにして靴を履き始める隆則に大地はスリーパーホールドを仕掛ける。
「おまえやぁあああ!!」
「んんんんんんんん!?!?」
踠き苦しむ隆則はたまらず後ろに倒れ込む。倒れる衝撃で大地は小さく息を漏らし手を緩めた。それを耳元で聞いた隆則はビクンと身体に電気が走った。逃げられそうと焦った大地は両脚を隆則の前まで持っていきロックする。
隆則は背中に柔らかいものが当たった感触と少しの温もり、そしてそれがナニであったか理解したことにより全身の毛が立つような衝撃を受けた。布2枚越しにあるのは好きな人の...おそらく大地は気付いていない。そう思うと、なんだか背徳感と共に込み上げてくるものがあった。しかし苦しいのも事実。スリータップで負けを認めた。
「ーーーえっ!俺がいくら急いでるからって自分の服渡します?」
「からかってやろうと思ったの!失敗したけどよぉ!」
「す、すいません。」
「まあいい。焦ると気付くべき所にも気付かないから気をつけろよ?」
「き、気をつけます。...じゃあ、今度こそ行きますね。」
そう言ってドアを開けようとする隆則の肩を大地は止める。
「出かける前に、何か言うことがあるだろ?」
「え?すいません?」
「違う。『いってきます』だ『いってきます』!ほらっ!」
「...い。って...きます」
「おう!いってらっしゃい。」
外に出てドアが閉まったのをしっかり確認し、手で腰の少し上辺りの背骨をなぞる。神経はまだあの時の感触を忘れまいと掴んだままだ。隆則は小さく呟く。
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