社会的ゾンビ

チリアクタ

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優しい世界

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夜の色は、笑っちゃうくらい明るくて。
昼間の空が、不思議と泣きたくなるほど晴れやかで。
正しさを求めて、自分語りに堕ちちゃって。
どうせ僕は誰よりも欠陥品。

不意に出る本音が怖くて、
今まで隣にいた人が怖くて、
あんまり心を開きたくはないのです。

目に見えない幽霊の方が優しくて。
建前で武装したあなたたちより、
おべっかをかくあなたたちより、
一般論を振りかざすあなたより、
無意味に怖がるわたしなんかより。

お願いだから近づかないで、
心の底を見せないで。
僕からのお願いです、
頼むから心の蓋を開けないで。
きつく、
硬く、
重く、
閉ざしていて欲しい。

開こうとする隙間から、
私に向かって伸びる言葉の先端は、
何よりも鋭い。

そんな目で私を見ないでくれ、
好きで私は私であるわけじゃない。
私はいつの間にか私になっていた。

私にとって生きることとは、
綱渡りである。

上下左右のバランスをうまく取りつつ、
落っこちないよう、
無様を晒さないよう、
怯えながら生きている。

そんな私を竹槍で刺すような世の中だ。
そんな私を指差してバカにする世の中だ。

俺の苦労がわかるかよ。
お前らになんかわかるかよ。
堂々と生きてて悪いかよ、
一生恥ずかしがってりゃ満足か。

お前なんかにわかるかよ。
わかってたまるか俺の人生。
お前から見れば、どうでもいいことで。
俺から見れば、生死を分つほどの問題で。

理解が欲しいんじゃない。
ただ、関わらないでください。

僕をそっと、静かに。
放っておいてください。
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