俺

28)…たられば

人生とは山あり谷あり。

 「たられば」で考えるとキリがない。
しかし、「たられば」で考えたくなる時もある。


高校の入学式でF男が俺の隣にいなかったら

俺の学歴は違っていたかもしれない。


俺の人生も変わっていたかもしれない。


F男がいなけりゃ、俺が２回目の鑑別所に行く時期は
高校１年の冬だったかもしれない。

もしかしたら、俺は「高校中退」
これが最終学歴になっていた。
と言っても過言ではない。





学歴が欲しいわけではない。
ただ、高校中退と言ってみたかっただけだ。

正直、中卒の学歴で一切不自由はなかったが。

 

F男と出会った事で俺の高校生活終了がびっくりするぐらい極端に早まった事は事実だ。

(あの事件後、高校入学辞退を申し出た)


なんにせよ、入学辞退か中退。

大差ないな。


高校卒業は100%無かった。

正直、あんなヤバいヤンキーばかりの高校で
俺は学生生活を楽しめるとは思えなかった。

それと高校は義務教育ではない。

出席して試験をこなさなきゃ
進級も出来なかっただろう。


俺は小学校高学年から中学卒業まで、授業に参加したのは数回しかない。

しかも教室に滞在は10分程。

そんな俺が高校の授業デビュー？

そんな事、出来るはずがない。


 
そんなこんなで、俺は暇な16才となった。


俺は常に様々な刺激を欲していた。
俺の楽しみは特攻服を着て単車に乗る事だった。

いわゆる暴走族だ。

俺は総長の座になる器ではなかった。
俺は総長と言う響きより、特攻隊長と言う響きが好きだったからだ。