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進路指導室で開かれた捜査会議の内容は
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有吉刑事が出て行った後、滝田さんが仕切り直すように声上げる。
「さて、話を戻しましょうか。先週の金曜日からお休みが開けて今日が初登校だったのよね。何か変わった事はなかったかしら」
滝田さんの言葉に私は今朝の記憶を手繰り寄せてみる。
「変わった事って、今日の事件以外の事ですよね。そういえば、エリナのお葬式は身内だけらしいって聞きました」
滝田さんもその件は知っていたらしく頷きながら返事を返す。
「そうらしいわね。ご遺体は昨日の内に自宅へ戻されたわ」
「それも聞きました。熊谷優斗君としおり先生もお別れに行ったそうです」
「それも確認してるわ。彼女は夜に二見家へ訪れたそうよ」
「ああ、昨日も先生達は学校に来たんですよね」
昨日は祝日だったが、エリナの件を中心に緊急職員会議が開かれたという。
「ええ、十八時くらいに散会して各々帰宅。十九時頃に熊谷先生が二見家へ行って二十時頃に一旦出て行ったんですって。その後、二十三時過ぎ頃に再び訪れたみたいなの」
随分遅い時間だ。が、熊谷家と二見家は昔から家族ぐるみの付き合いだったという。特に遅い時間であってもおかしくはないが、
「一度帰ってまた戻ったんですか? 何故でしょう」
親しい幼馴染が亡くなったのだから、後ろ髪引かれる思いであったことは想像付くが。
「ご遺体は今日か明日にでも火葬される予定なんですって。でも、熊谷先生はお見送り出来ない。せめて棺の中に物を入れさせて欲しいってお願いしたみたいなの」
「ああ、一緒に焼いて欲しいっていう事ですか」
確か、火葬する時に本人が好きだったものや縁のあるものを棺に入れて遺体と一緒に焼いてもらう事があるという話は聞いたことがあった。
「ええ、物は髪留めかなんかだったみたいね」
なるほど、自分が身に付けていたもので、尚且つかさばらない物か。
「そうだったんですね。実は私も近々エリナの家に行かせてもらう事になったんです」
それが理由で麻衣と一触即発になりかけた。そもそも彼女は朝からずっと変なテンションだった。あれは校長とフル先の死が原因だったんだろう。
「それは良いことね。でもね、こちらとしてはお葬式あってくれた方が都合がいいんのよね。関係者が集まってどんな様子か見させてもらう事が出来なくなっちゃったわ。その上で聞きたいんだけど、二見さんが亡くなった事についてのみんなの反応はどうだったのかな?」
言われて更に思い返そうと想ったが、何せ直近で人が二人死んでしまったので、様子がおかしいと言えばみんなおかしいとは言えた。
「皆、悲しんでる様に見えましたよ。麻衣の様子はちょっと変な風に思えましたけど、それは多分、校長先生と降矢先生の事が大きかったと思います」
「でも、二見さんの転落の時に宮前麻衣さんと秋田日奈さんは校長先生と一緒にいたのよね。そして、当の校長先生は亡くなった。となると、もう一度証言を貰う事も出来ない。残念だわ」
彼女の言葉はとても意味深に聞こえた。笑顔は変わらないが目つきが明らかに変わっている。
「滝田さんは日奈や麻衣を疑っているんですか?」
「いいえ。ただ、完全に疑いが晴れたという状況ではないかなと思っているわ」
「で、でも。彼女達は転落直後に用務員さんと会ってるんですよね。エリナをどうにか出来るとは思えないんですけど」
「彼女達はね。でも、例えば校長先生ならどうかしら」
「さて、話を戻しましょうか。先週の金曜日からお休みが開けて今日が初登校だったのよね。何か変わった事はなかったかしら」
滝田さんの言葉に私は今朝の記憶を手繰り寄せてみる。
「変わった事って、今日の事件以外の事ですよね。そういえば、エリナのお葬式は身内だけらしいって聞きました」
滝田さんもその件は知っていたらしく頷きながら返事を返す。
「そうらしいわね。ご遺体は昨日の内に自宅へ戻されたわ」
「それも聞きました。熊谷優斗君としおり先生もお別れに行ったそうです」
「それも確認してるわ。彼女は夜に二見家へ訪れたそうよ」
「ああ、昨日も先生達は学校に来たんですよね」
昨日は祝日だったが、エリナの件を中心に緊急職員会議が開かれたという。
「ええ、十八時くらいに散会して各々帰宅。十九時頃に熊谷先生が二見家へ行って二十時頃に一旦出て行ったんですって。その後、二十三時過ぎ頃に再び訪れたみたいなの」
随分遅い時間だ。が、熊谷家と二見家は昔から家族ぐるみの付き合いだったという。特に遅い時間であってもおかしくはないが、
「一度帰ってまた戻ったんですか? 何故でしょう」
親しい幼馴染が亡くなったのだから、後ろ髪引かれる思いであったことは想像付くが。
「ご遺体は今日か明日にでも火葬される予定なんですって。でも、熊谷先生はお見送り出来ない。せめて棺の中に物を入れさせて欲しいってお願いしたみたいなの」
「ああ、一緒に焼いて欲しいっていう事ですか」
確か、火葬する時に本人が好きだったものや縁のあるものを棺に入れて遺体と一緒に焼いてもらう事があるという話は聞いたことがあった。
「ええ、物は髪留めかなんかだったみたいね」
なるほど、自分が身に付けていたもので、尚且つかさばらない物か。
「そうだったんですね。実は私も近々エリナの家に行かせてもらう事になったんです」
それが理由で麻衣と一触即発になりかけた。そもそも彼女は朝からずっと変なテンションだった。あれは校長とフル先の死が原因だったんだろう。
「それは良いことね。でもね、こちらとしてはお葬式あってくれた方が都合がいいんのよね。関係者が集まってどんな様子か見させてもらう事が出来なくなっちゃったわ。その上で聞きたいんだけど、二見さんが亡くなった事についてのみんなの反応はどうだったのかな?」
言われて更に思い返そうと想ったが、何せ直近で人が二人死んでしまったので、様子がおかしいと言えばみんなおかしいとは言えた。
「皆、悲しんでる様に見えましたよ。麻衣の様子はちょっと変な風に思えましたけど、それは多分、校長先生と降矢先生の事が大きかったと思います」
「でも、二見さんの転落の時に宮前麻衣さんと秋田日奈さんは校長先生と一緒にいたのよね。そして、当の校長先生は亡くなった。となると、もう一度証言を貰う事も出来ない。残念だわ」
彼女の言葉はとても意味深に聞こえた。笑顔は変わらないが目つきが明らかに変わっている。
「滝田さんは日奈や麻衣を疑っているんですか?」
「いいえ。ただ、完全に疑いが晴れたという状況ではないかなと思っているわ」
「で、でも。彼女達は転落直後に用務員さんと会ってるんですよね。エリナをどうにか出来るとは思えないんですけど」
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