あかね色に染まる校舎に舞い落ちた君は

山井縫

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学校で担任と交わした会話は

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ガラガラガラ……
「失礼します……おっと」
 私は呼び出しを受けた理科準備室の扉を開けた。すると扉前にかなり大きな段ボールが置いてあり面食らう。
「おお、すまん、すまん。それ、中身入ってないからどかしてくれ。新しい棚を頼んでいてな」
 呼び出してきた当人の降矢先生ことフル先は床に何かの部品を広げていた。そして壁際には造りかけらしいスチールラックが置いてあった。
「ああ、はい。」
(人を呼び出して置いて作業中なんかい)と少し理不尽な事を想いながら段ボールを押しのけると想った以上にそれは軽く動いた。
「ま、とりあえず。座ってくれ」
 彼は長テーブルの一角にある椅子を手で示したながら部屋の奥にある冷蔵庫から缶コーヒーの缶を持ってきて私に差し出した。
「缶コーヒーでいいかな?」
「ああ、はい。ありがとうございます」
 私は座りながらそう答える。正直ドリンクバーを何度かお替りしたのでお腹がたぽたぽだった。でも、缶ならこのまま持ち帰ればいい。
「まあ、今日は休みだしな。余り固くならずに話して欲しい……つっても、内容が内容だけに難しいかもしれないがな」
 言いながらフル先はボトル式のコーヒー自分の前に置く。
「はあ……」
 こちらもどう答えて良いかと想いながら何とはなしにそのボトルに目をやった。ラベルにはカフェインレスと書かれていた。それに気付いたのか、
「ああこれか。ほら、コーヒーが好きだって言った事なかったっけ?」
「ああ、そういえば聞いた気がします」
 確か入学の挨拶の時だ一日何杯も飲むとか言ってた気がする。
「それが理由で調子崩しちゃってさ。頭痛くなったり、眠れない何てことも多くなっちゃってな」
「ええ……それは良くないですね」
「ああ、で、カフェイン減らそうと想ってな。これを飲むようにしてるんだよ」
 言ってフル先はボトルを手に持ち少しフル仕草をみせた。
「なるほど。でも、それならコーヒー自体を止めたらいいんじゃないですか」
「それが出来りゃ苦労はないよ。飲むのが習慣みたいになっちゃっててな。飲まなきゃ飲まないで落ち着かない」
「そこまでのことなんですか?」
「ああ、お前も気を付けろよ。飲むなとは言わないけど、カフェインを取りすぎるとこんなんになっちゃうぞ」
「ご心配なく。私の意志はそこまで柔くないですから」
「たはははは。言うな、お前」
 フル先はカラカラとわざとらしく笑った後、真面目な顔をしていった。
「月曜日に今度の件で職員会議が持たれる事になってな。一応の事情を説明しなきゃならないんだ。悪いが詳しく聞かせて貰うよ」
「……分かりました」
 元より私もそんな所だろうと想っていたので動揺はない。
 私は自分で経験したことを時系列を追って説明した。と言っても内容はたかがしれている。
 エリナと話をした後に転落を目撃して気を失い。保健室に運ばれてその後警察の取り調べを受けた。それだけだ。 
 警察とのやり取りについてはどこまで話せばいいのかわからなかったので最小限にとどめる事にした。
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