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私から彼女達に話した内容は

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「そっか、ありがとう。あなたが二見エリナという女性をどう捉えていたのかが良く分かった気がする。参考にさせてもらうわね」
「参考になりますかね」
 言った後、余りにも曖昧な個人の印象を述べた内容を喋ってしまっていないか不安になるくらいだったが、滝田さんから余りにストレートな感謝の言葉が返ってきたため面食らってしまう。
「勿論、今日聞きたいのは飽くまで参考意見だからね、二見エリナがどういう人だったか、どの様に見えていたのか聞くのはとても重要だと思うわ。その上で聞くけど。クラスの中には貴方の言う感情の揺れを起こす相手はいなかった。それ以外の場合はどう? 例えば先生とか」
「どうでしょう。成績は優秀だし授業態度も問題はありまんでした。先生から目を付けられるような事はなかったと思います」
「担任の降矢先生とはどうだったの」
「フル先……降矢先生とえりなの関係ですか?」
「普通に担任と生徒同士、良好に見えましたよ」
「何か降矢先生に関わる話をしたりはしたことない?」
「それは同じクラス同士、校内で話をするなら先生の話も偶にしましたよ。あ……そうそう、最後にこの教室で交わした話の中でも降矢先生の名前が出ました」
「へ~。因みにそれって何の話をしていたの」
「降矢先生が熊谷先生と結婚するっていう内容です。まあ、降矢先生の話よりも熊谷先生の話の方がメインだったんですけど」
 そう、あの時は彼女と熊谷しおり先生との関係を聞いた流れでその話になったんだった。
「そうなの? あの二人がね~何だかイメージ湧かないけど。職場結婚か~。ん? って事はどちらかが学校を辞めることになるんじゃないの」
 流石に滝田さんもこの情報は知らないようで驚いた顔をした。そして私は私で彼女の言葉に少し驚いて聞き返してしまう。
「え、先生って結婚したら同じ学校にはいられないんですか?」
「ええ。そう聞いた記憶があるけど、そうよね? シナさん」
 滝田さんもそこは曖昧なようで品川刑事に助け船を求める。
「別に決まりがある訳ではないようですが。慣例としてどちらかが辞めるか移動するかになる事が多いようですな」
「そう、ですか」
 二人が結婚した後の事は深く考えなかった。でも、考えてみればあり得る話だ。しおり先生が仕事を辞めて家庭に入る可能性だって無くはない。だとしたら、エリナはどう思っていたのだろう。
「まあまあ、いくつもの別れを乗り越えて人は大人になっていくものよ。でも、その過程で新たな出会いも待っているわ」
 私がよっぽど深刻な顔をしていたのか、滝田さんはそんな言葉を軽い調子で投げかけてきた。
「そんなものですかね」
「あら、ごめんなさい。大分時間が経ってしまったわね。じゃあ、最後の質問ね。これが今日一番答えにくいかもしれないし思い出したくない記憶かもしれないけど、彼女の転落した瞬間の事を詳しく聞いてもいいかな」
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