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茜色に染まる校舎に舞い落ちたのは
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ガラガラガラと音を立てて教室の扉を開ける。
そこから目に入った景色に思わず「うわ~」と声を上げてしまった。
夕闇が先程より更に迫り、窓から入り込む夕日の赤みを帯びた日差しが私を迎え入れるように教室を照らしつけていた。何だか心洗われるような気持ちになり、窓際に近づいていく。
「しゃ、写真撮っちゃおうかな」
わが校は、スマホ持ち込みは認められている物の学校内での使用は控えるように言われている。禁止という程ではないし、ちょっとラインやメールを送りあう程度はお目こぼししてもらえるのが実情ではあるのだ。
が、無闇に使用が許されているわけではない。ましてや私は委員長。クラスの範にならなければならない存在……。
(だけどさ、今日は先生の言いつけ守ってこんな時間までクラス委員の仕事をやってる訳よ。ちょっとくらい、いいんじゃね)
他には誰もいないし、ここで撮ったっていうのは大っぴらにはできない。だから見るのは私だけ。今日、一日働いた自分へのご褒美って事で。
そんな言い訳になるのかならないのか分からないことを考えながら私はスマホを取り出すとオレンジ色に染まった教室の中と、夕日が沈む海の波間に向けて何度かシャッターを切った。
「んふ。なっかなか、芸術的じゃない」
スマホ画面を見てそう独り言ちながら、エリナにならこれを見せてあげてもいいかな、なんてことも思った。彼女なら告げ口したり、咎めたりもしないだろう。
「さてと、じゃあ、私も帰るとするかな」
人目がないことをいい事にそこそこでっかい独り言を更に漏らしつつ私はカバンを持って、再度窓の方に目を向けた。
「へ?」
そこで思わず間抜けな声をあげてしまう。窓の外に一瞬暗い影が差したからだ。それは上から下に動いた様に見えた……。
そんな風に一瞬思い込もうとした。でも、脳の片隅がそれを否定する。そうではない。影なんかじゃない。上から下に何かモノが落ちた……様にみえた。
一瞬の事であり夕日の逆光に照らされた為それは黒い影の様に見えたのだ。が、その一瞬見えたモノの正体を私の網膜と脳細胞は捉えていた。捉えてしまっていた。
「キャー」
表から悲鳴が聞こえる。
「人が、人が落ちたぞ。せ、先生呼んでこい」
ざわざわとした声が真下に広がっていくのが判る。
瞬間、眩暈に襲われた。信じたくなかった。夢じゃないかと想いたかった。でも、茜差す夕日が目に眩しい。それによってこれは夢じゃなく現実だと思い知らされる。
私は恐る恐る、窓を開けて下を覗き込む。
そこには数名の生徒による輪ができており、中心には教師らしき人物がしゃがみこんでいた。そしてその輪の中心に人が倒れている。
この距離でも誰だかわかった。エリナだ。
彼女の身体の周りは血で彩られていて、更に制服の白地が夕焼けに照らされている。
その現実味のない光景に一瞬「綺麗だ」などと考えながら、私はゆっくりと意識が遠のいていく事を感じていた。
そこから目に入った景色に思わず「うわ~」と声を上げてしまった。
夕闇が先程より更に迫り、窓から入り込む夕日の赤みを帯びた日差しが私を迎え入れるように教室を照らしつけていた。何だか心洗われるような気持ちになり、窓際に近づいていく。
「しゃ、写真撮っちゃおうかな」
わが校は、スマホ持ち込みは認められている物の学校内での使用は控えるように言われている。禁止という程ではないし、ちょっとラインやメールを送りあう程度はお目こぼししてもらえるのが実情ではあるのだ。
が、無闇に使用が許されているわけではない。ましてや私は委員長。クラスの範にならなければならない存在……。
(だけどさ、今日は先生の言いつけ守ってこんな時間までクラス委員の仕事をやってる訳よ。ちょっとくらい、いいんじゃね)
他には誰もいないし、ここで撮ったっていうのは大っぴらにはできない。だから見るのは私だけ。今日、一日働いた自分へのご褒美って事で。
そんな言い訳になるのかならないのか分からないことを考えながら私はスマホを取り出すとオレンジ色に染まった教室の中と、夕日が沈む海の波間に向けて何度かシャッターを切った。
「んふ。なっかなか、芸術的じゃない」
スマホ画面を見てそう独り言ちながら、エリナにならこれを見せてあげてもいいかな、なんてことも思った。彼女なら告げ口したり、咎めたりもしないだろう。
「さてと、じゃあ、私も帰るとするかな」
人目がないことをいい事にそこそこでっかい独り言を更に漏らしつつ私はカバンを持って、再度窓の方に目を向けた。
「へ?」
そこで思わず間抜けな声をあげてしまう。窓の外に一瞬暗い影が差したからだ。それは上から下に動いた様に見えた……。
そんな風に一瞬思い込もうとした。でも、脳の片隅がそれを否定する。そうではない。影なんかじゃない。上から下に何かモノが落ちた……様にみえた。
一瞬の事であり夕日の逆光に照らされた為それは黒い影の様に見えたのだ。が、その一瞬見えたモノの正体を私の網膜と脳細胞は捉えていた。捉えてしまっていた。
「キャー」
表から悲鳴が聞こえる。
「人が、人が落ちたぞ。せ、先生呼んでこい」
ざわざわとした声が真下に広がっていくのが判る。
瞬間、眩暈に襲われた。信じたくなかった。夢じゃないかと想いたかった。でも、茜差す夕日が目に眩しい。それによってこれは夢じゃなく現実だと思い知らされる。
私は恐る恐る、窓を開けて下を覗き込む。
そこには数名の生徒による輪ができており、中心には教師らしき人物がしゃがみこんでいた。そしてその輪の中心に人が倒れている。
この距離でも誰だかわかった。エリナだ。
彼女の身体の周りは血で彩られていて、更に制服の白地が夕焼けに照らされている。
その現実味のない光景に一瞬「綺麗だ」などと考えながら、私はゆっくりと意識が遠のいていく事を感じていた。
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