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番外編
侍女マリィとちょっとした心配事 2
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ジゼルはラトクリフ侯爵家の侍女であるが、マリィがタリカ専属であるのと同様、キースの専属であるようだった。
詳しい年齢は聞いたことがないが、おそらくタリカやキースより一つ二つ上といった程度。年若いものの立ち居振る舞いには老成したものが感じられ、侍女歴十年近いマリィでさえ、ジゼルのまとう雰囲気に圧倒されそうになることがあった。
口数は少なく、マリィもこれまで挨拶以外で彼女と言葉を交わしたことがほとんどない。
美しくて若いが、どこか近寄りがたい雰囲気。
そして……マリィは、そんなジゼルとキースの仲を窺っていた。
ジゼルはキースから信頼されているようで、よく二人で話し合う姿を見ている。
もしかすると――ジゼルはキースのことを、異性として意識しているのでないだろうか。
そしてキースもまたジゼルのことを、魅力的な年上の女性として慕っているのではないだろうか。
妄想も甚だしいと分かっている。
それに、マリィがあれこれ想像しても何にもならないと分かっている。
だが――もしお嬢様がキースのことを意識しているのなら。
ジゼルという存在は、タリカにとって巨大すぎる壁となるのではないかと思っていた。
ジゼルはマリィの胸中を知ることなくしずしずと近づくと、床にしゃがんだままのマリィを気遣わしげに見つめてきた。
「……体調がよろしくないのでしょうか? でしたら、続き部屋でお休みになられてはいかがでしょうか」
「……いえ、大丈夫です。ご迷惑をおかけしました」
マリィはさっと立ち上がり、ポットを手に簡易厨房へ向かう。
この様子だとジゼルはタリカたちのいる居間に向かうだろうから、マリィは一人厨房で物思いができるはずだ。
……そう思ったのになぜかジゼルはきびすを返し、今自分が出てきたはずの厨房に戻ってきた。
「……どうかなさいましたか?」
ひょっとすると、茶菓子でも取りに来たのかもしれない。
湯を沸かしつつマリィが慎重に尋ねると、ジゼルは戸棚などには向かわず、じっとこちらを見てきた。
「マリィ様、少しお時間いただいてもよろしいでしょうか」
ぴくり、とマリィの指先が震える。
顔を上げると、ジゼルは相変わらず感情の読めない表情でこちらを見ていた。
「……はい。何かご用でしょうか」
「タリカ様とキース様に関することで、少々ご意見を伺いたく」
……まさか早速、この話題で攻められるとは。
内心激しく動揺しつつ、ジゼルは余裕さえ感じられる表情で頷いてみせた。
「はい。……うちのお嬢様のことで、何か気がかりな点でもございますか?」
「単刀直入に申し上げます。わたくし、あの二人に早くくっついていただきたいのです」
何を言われようと涼しげに切り返してやろう――そう思っていたマリィは、我が耳を疑った。
今、目の前のクールな侍女は、なんと言った?
「……あの、今なんとおっしゃいましたか?」
「もう少し詳しく申しますと、うちの鈍感なぼっちゃまがそちらのお嬢様と早くくっつかないかとやきもきしているのでございます」
「……」
マリィ、絶句である。
まさかのまさか、ジゼルがそんなことを思っていたなんて。
「え? あ、あの、わたくしてっきり、ジゼル様はキース様と大変懇意にしていらっしゃるので、その――」
「ああ、その点なら全く問題ありません。わたくし、年下には一切興味がございませんので」
ジゼル、ばっさりである。
ジゼルは懐に手を入れ、小さな本を取り出した。題名までははっきり見えないが、装丁には見覚えがある。
確か、年若い王子と隣国の姫の恋愛を描いた小説だったはずだ。
「それにわたくし、自分の恋愛にはさっぱり興味がありませんの。むしろ、もだもだする若い男女がくっつく様を見守ることに喜びを見いだしておりまして。その点で申しますと、うちのキース様とそちらのタリカ様は、大変理想的なお二人なのです。わたくしにとっては大変おいし――いえ、応援したくなるような組み合わせでして」
すらすらとよどみなく自分の萌えシチュを語るジゼル。
マリィはそんなジゼルを、呆然と見つめるだけだった。
「もともと、このお二人がくっつけばいいと思っておりました。しかし日が経てば経つほど、お二人は親密な間柄になり、スキンシップさえ増える始末。……これぞ、わたくしが待ち望んでいた展開。キース様の侍女として、なぜ応援しないということがありましょうか。いえ、キース様の一番の侍女であるわたくしこそ、精一杯応援するべきなのです」
最後に反語で強調させたジゼルはそこでいったん口を閉ざし、しばらくの間なにも喋っていないマリィを静かに見つめてきた。
「……それで、ですね。是非マリィ様のご意見も伺いたくて」
「ふわっ!?」
「マリィ様はいかがお考えでしょうか?」
ずずい、と冴えた美貌が迫ってきて、マリィは思わず後退する――が、背後には竈があるので、退路は存在しなかった。
マリィはしばし、口をぱくぱくさせて言葉を探していた。
「……わ、わたくしも、です」
「ということは?」
「わたくしも、タリカ様がキース様と懇意になさるのは、とても嬉しくて――タリカ様のあんなに明るい笑顔を拝見できるのでしたら、これから先も末永く、キース様と連れ添っていただけたらと――僭越ながら、思っております」
「なるほど。ということは、わたくしたちの意見は一致していたようですね」
マリィから距離を取ったジゼルは満足そうに言い、そしてほんの少し唇の端に笑みを浮かべた。
「マリィ様、どうかこれからも同士としてよろしくお願いします」
「同士……」
「そうですね、名付けるなら――『キース様とタリカ様の恋愛を見守る会』といったところでしょうか。お二人が仲を深めていく様を見守り、時には背中を押し、手を貸すのです」
ジゼルの言葉に、マリィは目を瞬かせた。そして、想像してみる。
自宅に帰ったタリカが、恋する乙女の表情で恋文をしたためる。マリィはそんな彼女に助言しながら、完成した手紙をラトクリフ家に持っていく。
後日、ジゼルから返事を受け取ったマリィはそれをタリカに渡す。タリカは頬を紅潮させながら手紙を読み、目を潤ませ、マリィに飛びついてくる。
『マリィ、マリィ、聞いて! キースが、デートに誘ってくれたの!』
……いいかもしれない。
すごく、いいかもしれない。
「ジゼル様……よろしくお願いします!」
「ええ、こちらこそ!」
二人の侍女は、がっしりと互いの手を握り合った。
似たような性癖を持つ二人が友情を確かめ合っているその側では、沸騰したヤカンがしゅんしゅんと控えめに音を立てていた。
詳しい年齢は聞いたことがないが、おそらくタリカやキースより一つ二つ上といった程度。年若いものの立ち居振る舞いには老成したものが感じられ、侍女歴十年近いマリィでさえ、ジゼルのまとう雰囲気に圧倒されそうになることがあった。
口数は少なく、マリィもこれまで挨拶以外で彼女と言葉を交わしたことがほとんどない。
美しくて若いが、どこか近寄りがたい雰囲気。
そして……マリィは、そんなジゼルとキースの仲を窺っていた。
ジゼルはキースから信頼されているようで、よく二人で話し合う姿を見ている。
もしかすると――ジゼルはキースのことを、異性として意識しているのでないだろうか。
そしてキースもまたジゼルのことを、魅力的な年上の女性として慕っているのではないだろうか。
妄想も甚だしいと分かっている。
それに、マリィがあれこれ想像しても何にもならないと分かっている。
だが――もしお嬢様がキースのことを意識しているのなら。
ジゼルという存在は、タリカにとって巨大すぎる壁となるのではないかと思っていた。
ジゼルはマリィの胸中を知ることなくしずしずと近づくと、床にしゃがんだままのマリィを気遣わしげに見つめてきた。
「……体調がよろしくないのでしょうか? でしたら、続き部屋でお休みになられてはいかがでしょうか」
「……いえ、大丈夫です。ご迷惑をおかけしました」
マリィはさっと立ち上がり、ポットを手に簡易厨房へ向かう。
この様子だとジゼルはタリカたちのいる居間に向かうだろうから、マリィは一人厨房で物思いができるはずだ。
……そう思ったのになぜかジゼルはきびすを返し、今自分が出てきたはずの厨房に戻ってきた。
「……どうかなさいましたか?」
ひょっとすると、茶菓子でも取りに来たのかもしれない。
湯を沸かしつつマリィが慎重に尋ねると、ジゼルは戸棚などには向かわず、じっとこちらを見てきた。
「マリィ様、少しお時間いただいてもよろしいでしょうか」
ぴくり、とマリィの指先が震える。
顔を上げると、ジゼルは相変わらず感情の読めない表情でこちらを見ていた。
「……はい。何かご用でしょうか」
「タリカ様とキース様に関することで、少々ご意見を伺いたく」
……まさか早速、この話題で攻められるとは。
内心激しく動揺しつつ、ジゼルは余裕さえ感じられる表情で頷いてみせた。
「はい。……うちのお嬢様のことで、何か気がかりな点でもございますか?」
「単刀直入に申し上げます。わたくし、あの二人に早くくっついていただきたいのです」
何を言われようと涼しげに切り返してやろう――そう思っていたマリィは、我が耳を疑った。
今、目の前のクールな侍女は、なんと言った?
「……あの、今なんとおっしゃいましたか?」
「もう少し詳しく申しますと、うちの鈍感なぼっちゃまがそちらのお嬢様と早くくっつかないかとやきもきしているのでございます」
「……」
マリィ、絶句である。
まさかのまさか、ジゼルがそんなことを思っていたなんて。
「え? あ、あの、わたくしてっきり、ジゼル様はキース様と大変懇意にしていらっしゃるので、その――」
「ああ、その点なら全く問題ありません。わたくし、年下には一切興味がございませんので」
ジゼル、ばっさりである。
ジゼルは懐に手を入れ、小さな本を取り出した。題名までははっきり見えないが、装丁には見覚えがある。
確か、年若い王子と隣国の姫の恋愛を描いた小説だったはずだ。
「それにわたくし、自分の恋愛にはさっぱり興味がありませんの。むしろ、もだもだする若い男女がくっつく様を見守ることに喜びを見いだしておりまして。その点で申しますと、うちのキース様とそちらのタリカ様は、大変理想的なお二人なのです。わたくしにとっては大変おいし――いえ、応援したくなるような組み合わせでして」
すらすらとよどみなく自分の萌えシチュを語るジゼル。
マリィはそんなジゼルを、呆然と見つめるだけだった。
「もともと、このお二人がくっつけばいいと思っておりました。しかし日が経てば経つほど、お二人は親密な間柄になり、スキンシップさえ増える始末。……これぞ、わたくしが待ち望んでいた展開。キース様の侍女として、なぜ応援しないということがありましょうか。いえ、キース様の一番の侍女であるわたくしこそ、精一杯応援するべきなのです」
最後に反語で強調させたジゼルはそこでいったん口を閉ざし、しばらくの間なにも喋っていないマリィを静かに見つめてきた。
「……それで、ですね。是非マリィ様のご意見も伺いたくて」
「ふわっ!?」
「マリィ様はいかがお考えでしょうか?」
ずずい、と冴えた美貌が迫ってきて、マリィは思わず後退する――が、背後には竈があるので、退路は存在しなかった。
マリィはしばし、口をぱくぱくさせて言葉を探していた。
「……わ、わたくしも、です」
「ということは?」
「わたくしも、タリカ様がキース様と懇意になさるのは、とても嬉しくて――タリカ様のあんなに明るい笑顔を拝見できるのでしたら、これから先も末永く、キース様と連れ添っていただけたらと――僭越ながら、思っております」
「なるほど。ということは、わたくしたちの意見は一致していたようですね」
マリィから距離を取ったジゼルは満足そうに言い、そしてほんの少し唇の端に笑みを浮かべた。
「マリィ様、どうかこれからも同士としてよろしくお願いします」
「同士……」
「そうですね、名付けるなら――『キース様とタリカ様の恋愛を見守る会』といったところでしょうか。お二人が仲を深めていく様を見守り、時には背中を押し、手を貸すのです」
ジゼルの言葉に、マリィは目を瞬かせた。そして、想像してみる。
自宅に帰ったタリカが、恋する乙女の表情で恋文をしたためる。マリィはそんな彼女に助言しながら、完成した手紙をラトクリフ家に持っていく。
後日、ジゼルから返事を受け取ったマリィはそれをタリカに渡す。タリカは頬を紅潮させながら手紙を読み、目を潤ませ、マリィに飛びついてくる。
『マリィ、マリィ、聞いて! キースが、デートに誘ってくれたの!』
……いいかもしれない。
すごく、いいかもしれない。
「ジゼル様……よろしくお願いします!」
「ええ、こちらこそ!」
二人の侍女は、がっしりと互いの手を握り合った。
似たような性癖を持つ二人が友情を確かめ合っているその側では、沸騰したヤカンがしゅんしゅんと控えめに音を立てていた。
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