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11話 ジスパの攻撃 2
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「ボルドー。一体、何があったのか説明してもらえるか?」
「あ、ええと……それは……」
ボルドー様はジスパ様に上手く説明できないようだ。どうせ、この場を上手く切り抜けることしか考えていないのだろうけれど、それでも表向きの言葉くらいは取り繕って欲しい。本当に王子殿下なのか、疑わしく思えてしまうから……。
「まあいい。シルメル令嬢、お話しいただいても構いませんか? 突然、割って入ってしまったことに関してはお詫び申し上げます」
「いいえ、とんでもございませんわ。むしろ、ジスパ王子殿下には知っていただいた方が宜しい案件かと思われますので……」
私とジスパ様は彼らの会話にいきなり入った形になっていたけれど、シルメル様は特に気にしている様子を見せなかった。ジスパ様やシルメル様の態度はボルドー様とは大違いに落ち着いている。
「何があったのですか?」
「それがですね、ジスパ王子殿下。そちらの……ササリア嬢のことなのですが」
「ササリア嬢がどうしたのだ?」
敢えて強調するジスパ様。
「ボルドー第四王子殿下の噂は私のところにも届いております……ササリア嬢はもしかして、無理やりに婚約をさせられているのではないかと……」
「なに……? それは本当か、ボルドー?」
先ほどから聞いていた内容だったけれど、ジスパ様はワザとボルドー様に詰め寄った。彼にちゃんと説明させる為だと思う。
「いや、それは……」
「どうなのだ、ボルドー? お前も王子なのだから、しっかりと答えるんだ」
「は、はい……ササリアとの婚約に問題はございませんでした」
「本当か?」
「え、ええ……間違いありません」
ジスパ様は再度問いただしたけれど、ボルドー様の回答は同じだった。私の存在にはとっくに気付いているはず……特に、お互いに挨拶はしなかったけれど。どういうつもりかしら、このまま言い逃れが出来ると思っているの?
「な、なあ……? そうだろう、ササリア?」
「はい……そうですね」
「ササリア……?」
ササリアはこの場に来てもボルドー様の言葉に頷いている。彼女の狙いが分からなかった……。もうそろそろ、本当のことを言っても大丈夫なはずなのに。
「あ、ええと……それは……」
ボルドー様はジスパ様に上手く説明できないようだ。どうせ、この場を上手く切り抜けることしか考えていないのだろうけれど、それでも表向きの言葉くらいは取り繕って欲しい。本当に王子殿下なのか、疑わしく思えてしまうから……。
「まあいい。シルメル令嬢、お話しいただいても構いませんか? 突然、割って入ってしまったことに関してはお詫び申し上げます」
「いいえ、とんでもございませんわ。むしろ、ジスパ王子殿下には知っていただいた方が宜しい案件かと思われますので……」
私とジスパ様は彼らの会話にいきなり入った形になっていたけれど、シルメル様は特に気にしている様子を見せなかった。ジスパ様やシルメル様の態度はボルドー様とは大違いに落ち着いている。
「何があったのですか?」
「それがですね、ジスパ王子殿下。そちらの……ササリア嬢のことなのですが」
「ササリア嬢がどうしたのだ?」
敢えて強調するジスパ様。
「ボルドー第四王子殿下の噂は私のところにも届いております……ササリア嬢はもしかして、無理やりに婚約をさせられているのではないかと……」
「なに……? それは本当か、ボルドー?」
先ほどから聞いていた内容だったけれど、ジスパ様はワザとボルドー様に詰め寄った。彼にちゃんと説明させる為だと思う。
「いや、それは……」
「どうなのだ、ボルドー? お前も王子なのだから、しっかりと答えるんだ」
「は、はい……ササリアとの婚約に問題はございませんでした」
「本当か?」
「え、ええ……間違いありません」
ジスパ様は再度問いただしたけれど、ボルドー様の回答は同じだった。私の存在にはとっくに気付いているはず……特に、お互いに挨拶はしなかったけれど。どういうつもりかしら、このまま言い逃れが出来ると思っているの?
「な、なあ……? そうだろう、ササリア?」
「はい……そうですね」
「ササリア……?」
ササリアはこの場に来てもボルドー様の言葉に頷いている。彼女の狙いが分からなかった……。もうそろそろ、本当のことを言っても大丈夫なはずなのに。
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