公爵様は幼馴染に夢中のようですので別れましょう

カミツドリ

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12話 3日後のパーティー 2

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「ええと、それで……私は3日後のパーティーに参加すれば良いのですか?」

「私と一緒に行くのは、やはり不満かな? レミーラ嬢」

「ま、まさか……シグレ様と行くことを躊躇っているわけではなくてですね……その」


 私達は宮殿内に戻り、シグレ様のお部屋に入っていた。シグレ様も戻って来た私に、最初は驚いていたけれど、ドレーク兄さまとルック兄さまが話をつけたのだ。

「シグレ様とのパーティー参加……身に余る光栄であることは間違いないんですが、兄達が最初から仕組んでいたような気が致しまして……」

「おいおい、そんなに睨むんじゃない。それに、最初から仕組んでいたなんて人聞きの悪いことを言うな。私達がシグレ様を相手に仕組めるはずはないだろう? なあ、ルック?」

「ええ、その通りですね。決して何も仕組んでなどいません」

「ではなぜ、3日後のパーティーがすぐに出て来たのでしょうか? マグロ様との会話で出したあの言葉は、あまりにも早すぎます。最初から、出席予定にしていない限り、あんなセリフを出すことは無理だと思いますが?」

「ああ、今日は風が気持ち良いですね……シグレ王子殿下」

「ドレーク殿もそんな冗談を言うのだな、意外な一面を見れたよ」

 ドレーク兄さまは私との会話から離れて、シグレ様と二人で窓の外を眺めている。なんだか絵になっているのが、少しだけ悔しい。

 怪しい……明らかに怪しい二人の兄さまだった。シグレ様も仕組まれていたことは承知の上で、私とパーティー出席に賛同してくれたのだろう。3日後、一体何が起きようとしているのか……。



──────


【シエナ公爵令嬢視点】


「3日後のパーティーにあなたと出席するの? ふ~ん」

「うむ、特に問題はないだろう?」

「別に構わないけれど……」


 第二夫人の件はどうなったのかしら? 今日は確か、レミーラの所に向かったと聞いていたけれど。マグロは帰って来ると同時に、3日後のパーティーの話をし始めたのだ。

「それで? 彼女……レミーラ嬢との話はどうなったの? 第二夫人の話はOKということかしら?」

「いや、それなんだけれどさ。彼の兄さん達が邪魔をしてきたんだ。彼女は混乱しているから、また今度にして欲しいとさ」

「何よそれ……じゃあ、結局何も話せていないの?」

「話はしたけどさ、君の言われた通り強引に迫ってもみたんだよ。しかし、宮殿前だったこともあったし、なかなか難しかった」


 そんな場所で話していたのか……もう少し場所を考えれば良かったのに。もっと人気のないところだったら、襲って既成事実だって作れただろうに。レミーラの兄達か……なんだか、厄介そうだけれど、所詮は下位の人間ってところね。レミーラはマグロの女に戻るしか道がないのに、それを認められないってところかしら?

「ストレス発散の相手……じゃなったわ。私はレミーラ嬢という友人を作りたいと思っているの。彼女を第二夫人に添えて、私が第一夫人であなたを支える。これほど幸せな未来はないでしょう?」

「それは確かに……僕としても、想像するだけで幸せに思えてくるよ! よ~し、3日後のパーティーでは本格的に彼女を手に入れるとしようか!」

「ええ、その意気よマグロ! 応援しているわ!」

「ありがとう、シエナ! 僕頑張るよ!」


 第二夫人の子供で男の子を生ませてしまえば、跡取りはそちらに任せられる。私は労せずに公爵の妻として贅沢な暮らしができるんだから……うふふ。一人暮らしが可能な大きな別荘でも建設してもらおうかしら? ふふふ、私の幸せの為に、せいぜい頑張ってね、レミーラ・ヒュンケル伯爵令嬢。
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