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10話 考え方がズレている公爵様 2
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何から伝えればいいのだろうか……私の頭は混乱すると同時に、猛烈に試行錯誤を繰り返していた。目の前に居るマグロ・フォルクス公爵に理解してもらえるように。
「シエナとの仲は、以前にも言った通り変えることができないんだ。その点については、本当に申し訳なく思っているよ」
「変えることが出来ないというか……確か、お二人は婚約がお済だったと伺っていますが……」
正式に婚約成立しているかはともかくとして、そのような関係になるのは間違いないはず。先ほど彼は、第二夫人がどうとか言っていたように思えるけど……。
「そうなんだよ。彼女との仲は変えられない……つまり、シエナが第一夫人になることは変わらないんだ」
「はあ……それは、おめでとうございます……」
どうでも良いことだけれど、とりあえず褒め言葉を述べておくとしよう。婚約から結婚自体はめでたいことではあるしね。
「ただ……僕の心情としては、この2か月の間、僕のことを想って苦しんでいた君を放っておくのは、あまりに心苦しいんだ……!」
なんだか話が迷走しているような……なぜだか、私がマグロ様のことを想って悩み続けていることが前提の発言だし。マグロ様ってこんなに自身過剰な人だったかしら? もう少し謙虚なイメージだったのだけれど。なんだか、彼のイメージがどんどん悪くなっていくわね……。
「だから、レミーラ! 僕の第二夫人としての生を……共に歩んでほしい!!」
「ま、マグロ様……!」
「レミーラ……!!」
感動的な会話のように聞こえるけれど、実際はそんなこと全然なくて……はい。
「謹んでお断り申し上げます、マグロ様」
「えっ……ど、どういうことだい……レミーラ?」
マグロ様は意味が分からないといった表情になっていた。自分の告白が成功すると本気で思っていたのかしら? すだとするなら、とてもお気楽だとしか言いようがないわね。
「マグロ様……あなたはそれでも、公爵を引き継いだ身なのですかな?」
「レミーラの元婚約者のこんな情けない姿は見たくありませんでしたな……」
「あ、あなた方は……!?」
私が乗るはずだった馬車から出て来たのは、ルック兄さまとドレーク兄さまが現れた。まったく過保護というかなんというか……心配だからという理由で付いて来てくれてたのよね。嬉しいけれど、恥ずかしくもある。
位置取りとしては偶然なんだけれど、先ほどまでのマグロ様の言葉は全部兄さま達に筒抜けだったはず……マグロ様の顔中に現れた汗が、それを物語っていた。
マグロ・フォルクス公爵様は完全に、兄さま達に恐怖していると言える状況だった……。相手は一応、公爵様だし、兄さま達が鉄拳制裁に訴えることは考えられないけれど、マグロ様は精神を保てない状態にされるのではないか。そんな予感が私の心の中をよぎっていた。
「シエナとの仲は、以前にも言った通り変えることができないんだ。その点については、本当に申し訳なく思っているよ」
「変えることが出来ないというか……確か、お二人は婚約がお済だったと伺っていますが……」
正式に婚約成立しているかはともかくとして、そのような関係になるのは間違いないはず。先ほど彼は、第二夫人がどうとか言っていたように思えるけど……。
「そうなんだよ。彼女との仲は変えられない……つまり、シエナが第一夫人になることは変わらないんだ」
「はあ……それは、おめでとうございます……」
どうでも良いことだけれど、とりあえず褒め言葉を述べておくとしよう。婚約から結婚自体はめでたいことではあるしね。
「ただ……僕の心情としては、この2か月の間、僕のことを想って苦しんでいた君を放っておくのは、あまりに心苦しいんだ……!」
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「だから、レミーラ! 僕の第二夫人としての生を……共に歩んでほしい!!」
「ま、マグロ様……!」
「レミーラ……!!」
感動的な会話のように聞こえるけれど、実際はそんなこと全然なくて……はい。
「謹んでお断り申し上げます、マグロ様」
「えっ……ど、どういうことだい……レミーラ?」
マグロ様は意味が分からないといった表情になっていた。自分の告白が成功すると本気で思っていたのかしら? すだとするなら、とてもお気楽だとしか言いようがないわね。
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「あ、あなた方は……!?」
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マグロ・フォルクス公爵様は完全に、兄さま達に恐怖していると言える状況だった……。相手は一応、公爵様だし、兄さま達が鉄拳制裁に訴えることは考えられないけれど、マグロ様は精神を保てない状態にされるのではないか。そんな予感が私の心の中をよぎっていた。
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