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3話 王子殿下に会いに行く
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あれから、さらに2週間が経過した。私の周囲の関係はこの2か月足らずの間にかなり変わってしまったように思う。
私はお父様やお母様、ルック兄さまとドレーク兄さまの支えもあり、何とかメンツを保てている状態だ。家族の支えがなければ、私は精神的にまいってしまったかもしれない。それ程に、マグロ様との婚約解消は大きな出来事だったのだ。
「レミーラ、居るか? 入っても大丈夫か?」
「ルック兄さま? はい、大丈夫です。お入りくださいませ」
「失礼するぞ」
そう言って入り口から入って来たのは、ルック兄さまだった。ルック兄さまはいつも通りの明るい表情だった。
「どうされたのですか、ルック兄さま? 何か問題がございましたでしょうか?」
「マグロ・フォルクス公爵が婚約解消になったという話は相当に広まっている。流石にその事実を隠すことは出来ないからな」
「ええ、そうですよね……」
婚約解消の事実を消すことは不可能だ。当然、相手が私だということもバレているだろう。物好きな貴族達はその理由まで調べるに決まっている。兄さま達が陰で奮闘し、私に直接的な被害が来ないようにしてくれていたらしいけど。
「それから、フォルクス公爵との婚約解消の話は父上が進めてくれるそうだ。お前は出来る限り関わるな、とな」
「お父様がそんなことを?」
「ああ。レミーラにそのように伝えてくれとのことだったぞ」
「お父様……」
ここには居ないお父様だけど、私は心の中でとても感謝していた。でも本当に、私が出なくても、大丈夫なんだろうか?
「あの、ルック兄さま。少しよろしいでしょうか?」
「なんだ、レミーラ?」
「婚約解消の正式な手続きの際に、私が居ないのは不自然な気がするのですが……」
「確かに、通常ではあり得ないことだな。まあ、そこは私達、ヒュンケル家が怒りを露わにしていると、相手に示すチャンスというわけだな。婚約解消の原因は相手側にあるのだから、下手に騒ぎ立てることは出来まい」
「なるほど……」
今回の解消ではおそらく、慰謝料は発生しない。ただ、フォルクス家が悪いのだということを、私が出席しないことで表すということか。効果的かどうかはともかくとして、それなりの怒りを表すことは可能ね。
「さて、そんなことより……私はお前に用事があったんだ」
「は、はい……なんでしょうか、ルック兄さま?」
「これから、宮殿へ向かうぞ」
「宮殿……? ど、どういうことでざいますか……?」
いきなり話が飛び過ぎている。意味が分からなかった。ルック兄さまは何を言いたいんだろうか?
「ドレーク兄さんも待っていらっしゃる。王子殿下がお前にお会いしたいのだそうだ」
「へっ? お、王子殿下が……!!?」
あまりの言葉に私は度肝を抜かされていた。王子殿下と言えば、公爵家よりも上の存在になる……そんなお方が、伯爵令嬢である私に用事? まったく話に付いていけなかった。
私はお父様やお母様、ルック兄さまとドレーク兄さまの支えもあり、何とかメンツを保てている状態だ。家族の支えがなければ、私は精神的にまいってしまったかもしれない。それ程に、マグロ様との婚約解消は大きな出来事だったのだ。
「レミーラ、居るか? 入っても大丈夫か?」
「ルック兄さま? はい、大丈夫です。お入りくださいませ」
「失礼するぞ」
そう言って入り口から入って来たのは、ルック兄さまだった。ルック兄さまはいつも通りの明るい表情だった。
「どうされたのですか、ルック兄さま? 何か問題がございましたでしょうか?」
「マグロ・フォルクス公爵が婚約解消になったという話は相当に広まっている。流石にその事実を隠すことは出来ないからな」
「ええ、そうですよね……」
婚約解消の事実を消すことは不可能だ。当然、相手が私だということもバレているだろう。物好きな貴族達はその理由まで調べるに決まっている。兄さま達が陰で奮闘し、私に直接的な被害が来ないようにしてくれていたらしいけど。
「それから、フォルクス公爵との婚約解消の話は父上が進めてくれるそうだ。お前は出来る限り関わるな、とな」
「お父様がそんなことを?」
「ああ。レミーラにそのように伝えてくれとのことだったぞ」
「お父様……」
ここには居ないお父様だけど、私は心の中でとても感謝していた。でも本当に、私が出なくても、大丈夫なんだろうか?
「あの、ルック兄さま。少しよろしいでしょうか?」
「なんだ、レミーラ?」
「婚約解消の正式な手続きの際に、私が居ないのは不自然な気がするのですが……」
「確かに、通常ではあり得ないことだな。まあ、そこは私達、ヒュンケル家が怒りを露わにしていると、相手に示すチャンスというわけだな。婚約解消の原因は相手側にあるのだから、下手に騒ぎ立てることは出来まい」
「なるほど……」
今回の解消ではおそらく、慰謝料は発生しない。ただ、フォルクス家が悪いのだということを、私が出席しないことで表すということか。効果的かどうかはともかくとして、それなりの怒りを表すことは可能ね。
「さて、そんなことより……私はお前に用事があったんだ」
「は、はい……なんでしょうか、ルック兄さま?」
「これから、宮殿へ向かうぞ」
「宮殿……? ど、どういうことでざいますか……?」
いきなり話が飛び過ぎている。意味が分からなかった。ルック兄さまは何を言いたいんだろうか?
「ドレーク兄さんも待っていらっしゃる。王子殿下がお前にお会いしたいのだそうだ」
「へっ? お、王子殿下が……!!?」
あまりの言葉に私は度肝を抜かされていた。王子殿下と言えば、公爵家よりも上の存在になる……そんなお方が、伯爵令嬢である私に用事? まったく話に付いていけなかった。
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