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第11話 脱出準備

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「おお~こ、これは……こんな所に隠していたのか……異世界人も現代人も考えることは同じか……だが俺はこれでこのダンジョンで戦える! これがあればソロでもイケる! 」

  俺は収集したアイテムを一通り鑑定し、テントの書斎に大量にあった茶色い紙にボールペンで書き連ねた後にテント内を物色していた。
  鑑定した結果、俺が寝泊まりしているこのテントは【マジックテント(特級)】いうものらしい。
  色々鑑定しているうちに鑑定の熟練度がⅡになって見えた詳細には、非展開時時間停止と自動修復、自動洗浄、テント設備魔力自動補充というとんでもないことが書かれていた。
  内装からしてこれは間違いなく王族が使っていた物だと思ったよ。ほかにも銀色のテントは【マジックテント(高級)】って出て、広さ以外は同じ機能だった。

  もう俺家いらないよな。これの方が光熱費掛からないし。

  明らかに兵士用っぽい【マジックテント(特大)】てのがあったけど、これには自動修復とか洗浄は付いてなかった。それでも200人は寝泊まりできそうな100帖ほどの空間に、大浴場と複数のトイレとキッチンがあったけどね。ちなみにこっちの設備は魔石交換式だった。大きさ的にDかEランクの小石くらいの魔石が複数必要な感じだ。

  まあそんな凄いテントを手に入れた俺は、マジックテントの各部屋でアイテム探しをしていた。
  そして俺は遂にクローゼットの引き出しと、キングサイズのベッドの下からとてもえっちな冊子を見つけたんだ。
  そこには明らかに高貴そうな超絶美形の赤毛の女性が、全裸で足を開いて艶めかしい表情でこっちを見つめている色付きの絵や、現代にもありそうなデザインの黒い下着を身に付けた金髪の若い女性の絵、それに情事の最中の男女の絵などが大量に束ねてあった。

  なかにはえっちな絵と、まったく読めないミミズみたいな文字と記号みたいなものが大量に羅列されている冊子もあった。恐らくこれは異世界版官能小説だと思う。

  くっ……世界中で人気の言語スキル書が欲しい! あれがあればどんな言語も理解できるのに!

  言語スキル書は中級ダンジョンでたまに見つかって高値で取引されているものだ。これは熟練度が上がると最大5種類の言語が理解でき、しかも話せるようになるらしい。ちなみに今回の戦利品には無かったよ……無念。

  それでも! それでもだ! この異世界間情緒溢れるえっちな絵があれば俺は生きていける!
  マジでこんなネットも携帯も繋がらないダンジョンにこれから何ヶ月もいなきゃいけないと思った時は絶望したね。割と性欲強い方だから日課は欠かせないんだよ。

  まあそんな俺のシモの事情は置いておいて、俺は次々と家捜しをした。マジックテント特級にはなぜか赤毛の女性の絵ばかりだったな。
  さすがに女性の部屋っぽいところは遠慮した。女性が自分が死んだあとに、部屋を俺みたいなゲス野郎に漁られるのは嫌だろうしな。俺も故人のしかも知らない女性の下着で興奮する趣味はない。
  男の場合はいいんだ。死んだ奴もわかってくれる。そういうもんなんだ俺たちってさ。
  俺は大量に見つけた戦利品のえっちな冊子を自分の空間収納に入れながら、持ち主たちにありがとうありがとうと感謝の念を送るのだった。

  しかしエルフとかケモミミの絵はまったく無かったな。このダンジョンがあった世界には人間しかいないんだろうか? それはそれで残念な世界だな。エルフに猫耳に兎耳に狐耳……いたら最高なんだけどな。

  そんなこんなで家捜しを終えた後、俺は特級マジックテントのリビングで戦利品一覧を各種類ごとに並べていた。

   スキルは被りもあったけどなかなか俺にとっては良いものが出た。その中で持ってないものはすぐに覚えた。覚えた新たなスキルは【 千本槍 Ⅰ 】.【鷹の目 Ⅰ】.【遮音 Ⅰ 】.【 隠蔽 Ⅰ 】の4つだ。【千本槍】は土属性の上級スキルのようで、地中から千本の槍を生やし敵を串刺しにする攻撃スキルだ。ただ、千本生えるのは熟練度Ⅴで。最初は100本だってさ。
  まあ100本でも込めた魔力量で硬度が変わるみたいだから、魔力をバンバン使える俺には合ってるかも。

  【鷹の目】はそのまま遠くまで見渡せるスキルだ。座学で教わった通りの効果で、もう透視できるんじゃね? ってくらいよく見えたよ。このスキルを使った状態で一度視力検査してみたい。

  【遮音】は周囲に音を遮断する結果を張るスキルだ。これは魔物に隠れて攻撃したい俺としては、是非上げておきたいスキルだ。

  最後に【隠蔽】はなんと隠したいステータスを隠せるようだ。全部隠すと鑑定された時に怪しまれるから、ユニークスキルやレアスキルと呼ばれるものを隠そうと思う。

  ただ、一度掛けたら永続ってわけじゃないらしく、込めた魔力量により効果時間が変わるそうだ。そして相手の鑑定の熟練度が、俺の隠蔽の熟練度より高い場合は看破されるらしい。同じ熟練度の場合は魔力ランクが高い方が勝つみたいだ。魔力ランクは大丈夫だと思うから、ちょこちょこ隠蔽スキルを使って熟練度を上げていこうと思う。

  こんな感じでメインのスキル書探しは満足いく結果だった。比べるとやはりあのマジックバッグ(特級)に入ってた物が、スキル書もアイテム関連も多かったと思う。さすが高貴なお方の持ち物だ。

  そうそう、アイテム関連ももう一度しっかり見て整理しないとな。

   俺は戦利品一覧に目を通した。



☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

戦利品【ポーション類】

○ポーション2等級×5、3等級×30、4等級×40、5等級×30
○魔力回復ポーション3等級×20 、4等級×40
○解毒のポーション2等級×10、3等級×20 、4等級×40
○状態異常回復ポーション2等級×15、3等級×30 、4等級×60
○時戻りの秘薬×6


  ポーション類は劣化があるから、時間停止機能付きのマジックバッグ特級にあったものだけなんだよな。
  しかし鑑定の熟練度が上がってやっとわかったけど、ポーション2級は凄いな。あらゆる裂傷を完治させる上に、造血効果もあってさらに欠損した身体の一部が生えてくるとか。本数が少ないわけだ。
  3級も造血効果と欠損した部位が残っていればくっ付くってんだからな。4級でも内臓に多少損傷があっても完治か。ここからは造血効果はないみたいだ。

  状態異常は石化・麻痺・睡眠・混乱・魅了の状態異常に対応してるみたいだった。石化とかソロで受けたらアウトだけどな。
  まあそれより時戻りの秘薬だ。これは絶対に世に出したらマズイ。一本で10年若返るとか、停滞の指輪とセットにしたらヤバすぎだろ。長寿セットはマジでやばいな。

  次にアクセサリーがまあ大量に色々あったな。

  俺はアクセサリー装備一覧に目を向けた。


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆


戦利品 【マジックアクセサリー類】

○浄化のネックレス×19
○停滞の指輪 2等級×2、3等級×27、4等級×19、5等級×32
○祝福の指輪 3等級×8、4等級×36、5等級×27
○護りの指輪 3等級×13、4等級×21、5等級×31
○力の指輪×35、力の腕輪×8
○魔力の指輪×18、魔力の腕輪×7
○収納の指輪×6


  停滞の指輪は装備していた人がかなりいた。そんなに入手しやすいものじゃないと思うんだけど、何百年単位で誰もあの黒竜を倒せなかったのならありえると思った。一般用っぽい各テントの中の装飾品など比べると明らかに時代の違いを感じるしな。モロ中世って服から、割と現代に近い服や下着があったしな。

  んで、停滞の指輪の効果なんだけど、まあ鑑定しない方が俺的にはよかったよ。5等級で老化速度2分の1で4等級で3分の1、3等級で5分の1で2等級で7分の1……つまり普通の人で2等級で500年近く生きるわけだ。そこに時戻しの秘薬が加われば……俺は仙人になれるわけだな。ならんけど。

  そりゃ~異世界人もダンジョンアタックしますわ。王族っぽいのがいるのも納得ですわ。部下に行かせたら横取りされるかもしれないしな。嫁さんに取って来いって尻を叩かれた奴も中にはいそうだ。

  ちなみに停滞の指輪はたくさんあったから気付いたんだけど、等級によりはまっている赤い石の大きさが若干違うのと、同じ等級なのに赤い石の色が薄いのと濃いのがあったんだ。俺の鑑定熟練度じゃなぜなのか見れなかったんだけど、恐らくこれは消耗品なんだと思う。

  これは推測だが、恐らく指輪には何年分なのかはわかないが老化を遅らせることのできる総年数ってのがあって、それを使い切ったらただの指輪になるんじゃないかと思うんだ。そうじゃないといくら何百年分だとしても、こんなに多くの指輪があるのはちょっとバランス的におかしい。よくある設定の、ダンジョンが人間を呼び込みたいというものならもっと希少性のあるアイテムにするはずだしな。
  この推測はそんなに大きく外してないと思うんだよな。

  しかし……いや~停滞の指輪はやべえな。指にはめてたらめっちゃ狙われるやん! 毎日襲撃に怯える日々確定やん! こんなの付けてられんな。

  よしっ! ダンジョン出たら外そう! そして若返りの秘薬を一本飲もう!
  え? だって親父の頭が……
  
  次に祝福の指輪はやはり持続的に回復してくれるものだった。ただ、ポーションと違って造血とかの効果はない。等級の違いは回復速度って感じだ。当然等級が1等級に近付けばより早く回復できる。

  俺を中途半端に守ってくれた護りの腕輪だけど、これはどういう原理かはわからないがなんと自動で発動するみたいなんだ。不意打ち防止用のアクセサリーだなこれは。
  等級によって強度が高くなるようで、一度発動すると丸一日使えなくなると書いてあった。
  不意打ち防止用として考えれば、俺の付けていた3等級でドラゴンの攻撃を1秒防いだんだから、十分強力なアイテムなんじゃないかな。今の俺のこのステータスなら1秒あれば回避できると思うし。

  力の指輪と腕輪は等級が無く、増幅系のアイテムだった。指輪で力が1.2倍に、腕輪で1.5倍になる。
  魔力の指輪と腕輪も同じで、魔力量が指輪で1.2倍に、腕輪で1.5倍になる代物だった。俺にはあんまり必要ないけど、まあ腕輪の方ははめている人が少なかったからレアアイテムなんだと思う。

  最後に収納の指輪は俺のはめている空間収納の腕輪の超劣化版で、マジックポーチの超便利版て感じだ。3帖ほどの空間に触れたものを入れることができて、念じれば取り出せる。
  武器やポーション類を入れるにはかなりいいと思う。戦闘時なんてかなり重宝する。これは相当なレアアイテムなのか、持ってる人は少なかった。高く売れそうだ。

  このほか魔道具に素晴らしいものがあった。
  野営時の結界系の魔道具と周囲を明るく照らす魔道具も便利だけど、【ゲートキー】なるものがあったんだ。
  これは金色の昔の鍵みたいな装飾されまくってる形をしていて、行ったことのある場所を思い浮かべて空中に鍵を挿して回すとゲートが現れるらしい。一度使うとしばらく使えないと書いてあったが、どこでもド○かよ!って思った。俺はそんなうまい話はないだろなと思いつつも、さっそく恋しい我が家を思い浮かべて鍵を差してみた。

  うん、差さらなかった。

  あ~やっぱりな~。こういう所はテンプレ通りかよとガッカリしたよ。
  一応ボス部屋の端っこを思い浮かべて試したら鍵が空中に差さって、そのままひねったら金色の門が現れた。そしてその門を潜ったらボス部屋の端っこに現れた。

  やはりダンジョンからは出れないけど、それ以外ならいけるらしい。まあどこでもド○ではなかった。
  少し残念だったけど、ダンジョンから出れるならこの鍵の持ち主も死ぬ前に使ってるよなと思って納得した。
  連続使用はできないとしても、それでもこれはかなりのレアアイテムなんじゃないかと思う。さすがマジックバッグ(特級)に入っていただけはある。

  ダンジョンから出たら探索者協会の幹部と刃鬼の奴らは、絶対に捕まえてこのダンジョンに放り込んでやりたい。
  このゲートキーはいざという時の逃亡用に使えそうだ。
  復讐の前に日本全国と海外にまで一度行っておけば、俺を捕まえることはできないだろう。

  もう俺は外に出て普通の生活に戻れるとは思っていない。女性や子供には手を出したくないけど、俺が味わった恐怖と魔物に喰われていった仲間たちの無念を晴らすためには、法的措置なんてそんな生温い方法じゃ納得がいかない。最低でも俺たちをこのダンジョンに送った探索者協会の幹部と刃鬼には、俺たちと同じ思いをしてもらう。
  本当はこの法案を通した政治家全員と、裏で糸を引いていた経済界の奴らにも同じ思いをさせたいが俺一人じゃ無理だろう。逃げながら仲間を集めて少しずつ少しずつ、この手に入れた力で……

  おっと! 俺らしくもなく黒い感情に支配されるところだった。
  まずはここを無事に出れてからだ。みんなの仇を取るのはそれからだ。

  そうそう、ほかにも装備系とか色々あったけど、宝物庫にあるようなレベルの物は無かった。
  俺が身に付けている装備も鑑定したらかなり良い物だったよ。黒竜のマントは体温の自動調整までしてくれるんだぜ? これで真夏でもこのマントにくるまれば街を快適に歩ける。
  ただの変質者だな。

  まあとりあえずアクセサリー類で目ぼしいものは全て装備して、ボス部屋を出ようと思う。
  マジックバッグやポーチの中に、このダンジョンのと思われる大量のダンジョンマップがあったけど、どれもまったく違う地図だった。
  どれを信じていいのかわからなかったから、もう見ないことにした。恐ろしく広いマップだったしな。
  マジかよ……

  よしっ! 装備を整えてまずは探知スキルを上げながら慎重に上の階を目指すぞ! 

  こうして俺はこのダンジョンから出るために本格的に動き出したのだった。


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