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第1章
第51話 沖縄バカンス
しおりを挟む「海だあぁぁぁぁ! 」
「「「「「キャーーーーーー♪ 」」」」」
俺と小長谷が中隊の皆を連れてプライベートビーチに出ると、そこには青い空と真っ白な砂浜が広がっていた。
そして俺の開放感溢れる叫びと共に、一晩寝て回復した中隊の女の子たちは一斉にビーチへと駆け出していった。
ビキニやワンピースの可愛いものから色っぽい物まで様々な水着を身につけ、お尻を振りながらビーチへと駆けていく50人の女の子たち。
俺は彼女たちの後ろ姿を眺めながら、この10日間頑張って良かったとしみじみと感じていた。
一昨日の深夜に生身でインセクトイドと戦う訓練を終えた時は、まさに死屍累々という感じだった。
中隊の皆は数百匹のインセクトイドの死体を前に、俺がインセクトイドの甲殻で造ってプレゼントした剣を手に憔悴《しょうすい》していた。中には生身でインセクトイドと戦う恐怖から解放され、シクシクと泣いている子も複数いた。
小長谷なんか一人で複数匹と同時に戦わせたから、革鎧に覆われていない部分とか血だらけだった。骨折したのか左腕もダラリと下がっていた。
中隊の女の子たちは、俺たちがしっかりサポートしていたから大怪我をした者はいない。しかしほとんどの者が革鎧に覆われていない部分は傷だらけだった。
そんな状態のEC中隊へ俺とカレンは治療を行うことにした。俺は自分の腕を剣で切りつけ小長谷の傷口に当てて再生の魔結晶を発動させ、カレンは傷痕が残りそうな子たちへと次々とキスをしながら再生の魔結晶を発動させ治療していった。
再生の魔結晶は粘膜と粘膜。傷口と傷口を触れさせ、同じ身体だと思い込み発動することで他人を治療することができる。本当は俺がカレン側に回りたかったけど、さすがに女の子たちに嫌われそうだから小長谷の治療に専念した。
当然俺が小長谷と粘膜接触する筈もない。小長谷とキスをするなんてごめんだ。
一応皆には特殊な治療だからおとなしく受け入れるように言ったが、いきなりカレンにキスされた子は目を見開いて驚いていた。小長谷も俺がいきなり自分の腕を切りつけたからギョッとしていた。
そして俺が小長谷の治療を開始してから3分ほどで、骨折も切り傷も全て回復した。小長谷もそれを後ろで見ていたフィロテスもビックリしてたな。俺の再生の魔結晶は特級だからな。骨折くらいすぐ治る。
カレンにキスされた子たちも、痛みと傷が消えて何がなんだかわからないといった様子だった。若草2尉なんて頬を染め目がトロンとしている子もいた。きっとカレンがイタズラしたんだろう。
ひと通り治療が終わった頃。カレンに治療された子が古傷も消えていることに気付いたようで、それを聞いた軽傷のほかの女の子たちがカレンに殺到した。俺には一人も来なかった。まあそりゃそうか。
それから気にしていた古傷が消えて嬉しそうにする皆に魔法で治療したことを皆に告げ、後方支援部隊と合流して訓練を終えた。そして後方支援部隊に後片付けを任せ、垂直離発着ができる輸送機を呼びオーストラリアを後にした。
機内はやっと地獄の訓練が終わったことで静まり返っていた。俺がみんなを労ったりしたけど、反応がイマイチだった。かなり厳しくした自覚があったからな。まあこれは覚悟していた。
そこで俺は彼女たちの好感度を取り戻すために、俺とカレンが耳に付けていたエーテルセンサーを森高2尉と若草2尉に貸し、隊員のエーテル保有量を確認するように言ったんだ。
突然エーテルセンサーを渡された小隊長の二人は戸惑ってきたけど、隊員たちのエーテル保有量がわかる器具だと伝えたら、少し緊張しつつも中隊全員の測定を始めパソコンにその結果を入力していった。
その結果、小長谷が5100Eで森高2尉が3900E。ほかの子たちも軒並み3000Eを超える数値になっていた。だいたいみんな3倍から4倍近くになっていた感じだ。
エーテル保有量が増えたことで強くなった実感が湧いたのだろう。皆が厳しい訓練だったけどやり切れて良かったと、教官のおかげですと感謝してくれた。
俺はその反応を見て今だっ! とすかさず女の子たちに、エーテル保有量が増えると老化が遅くなることを伝えた。今の君たちのエーテル保有量なら、今後年を重ねても3~4歳若く見られるだろうと。
それを聞いた女の子たちは、少しの沈黙の後みんな飛び跳ねて喜んでいた。そりゃあもう文字通り飛び跳ねてたよ。小長谷もなぜか驚いていた。前に小長谷に体内のエーテルを認識させた時にチラッと話したんだけど、アイツ忘れてたな。まああの時は測定器が無かったし、俺も今の倍くらいになれば的な言い回しだったから理解しきれなかったのかもしれないけど。
その後はみんなが小長谷のとこに集まりまた遠征訓練をしたいって、もっとエーテル保有量を多くしたいので次はインドへ行きましょうとか迫ってたよ。あんなにクタクタだったのに、訓練中にもう帰りたいって何度も泣いてたのに女性の美への執着はやっぱすげぇよ。小長谷なんかドン引きしてたし。
俺は困っている様子の小長谷に、また遠征がある時は付き合ってもいいぞ助け舟を出した。まあ日本にいても暇だしカレンも中隊の子と仲良くなってたし、たまにならいいかなと思ってさ。
そしたらみんなが教官ありがとうございます! って、厳しくも優しい教官に出会えて良かったですってさ。この時俺は好感度マイナスから、一気にプラスに振り切った手応えを感じたよ。
それから上機嫌の女の子たちと和気あいあいと話しながら、ここ宮古島へとへとバカンスにやってきたわけだ。
宮古島に着いてからは専用バスに乗り、貸し切りをした沖縄でも有名なこの高級ホテルへとチェックインした。俺とカレンとトワは最上階にあるスイートルームに、フィロテスは隣のジュニアスイートルームへと案内されていた。
部屋に着いてからは少しゆっくりして、フィロテスを誘いディナーを共にした。その後ラウンジでみんなでお酒を飲みながら、オーストラリアの夜の景色は綺麗だったとか話したりした。小長谷含むEC中隊の隊員たちは、ラウンジで見かけなかった。まあ帰りの機内であれだけ騒げばな。身体は相当疲れてただろうし、そんな元気はなかったんだろう。
そしてその日の夜は、カレンとトワとフィロテスとで遅くまでトランプで遊んだ。まあカレンとトワというポーカーフェイスの最強コンビに、俺とフィロテスはボロ負けしたよ。そのあとフィロテスを部屋に帰してからも、ベッドでカレンとトワのコンビにボロ負けした。
俺もだいぶトワの口撃に慣れたとこだったんだけど、オーストラリアでは別行動が多くて久しぶりだったからか、その日のトワはやたら積極的だった。まさかトワがキスを求めてくるとは思わなかった。思えば初めてキスしたかもしれない。まあキスでも負けたんだけどな。テクニシャン過ぎだろ……
そんなこんなで久しぶりにカレンとトワと三人揃って夜を過ごした翌朝。
俺は朝から二人とシャワーを浴びてオイルを塗ってあげてから水着に着替え、フィロテスと小長谷に中隊の女の子たちを誘ってプライベートビーチへとやってきたわけだ。
ビーチにはたくさんのパラソルが設置してあり、小長谷はさっそく若草2尉とその小隊の子らに連れられパラソルへと向かっていった。
あの野郎困った顔をしたフリをしやがって……絶対内心じゃエロいこと考えてるに違いない。昔からアイツはムッツリだったからな。
しかしどうもオーストラリアでの訓練以降、小長谷と中隊の子たちの距離が近い気がする。いや、気のせいだろう。小長谷は上官だから彼女たちも気を使ってんだろう。縦社会は大変だよな。
「カレンちゃんにトワちゃんたちもビーチボールを一緒にやりましょう」
「ん……ワタル。行ってきていい? 」
「いえ、私はご主人様のお世話がありやすので」
「ああいいよ。行っておいで。トワも俺は大丈夫だから遊んでこいよ。俺はフィロテスにオイルを塗ってるから」
俺が小長谷と若草2尉たちの後ろ姿を見て縦社会は大変だなと同情していると、森高2尉とその小隊の子たちがカレンとトワをビーチボールへ誘いにきた。
カレンが俺を見つめ遊んできていいか聞いてきたので、俺はトワと共に快く送り出した。こっちはこれからフィロテスとのお楽しみなんだ。カレンとトワには部屋でオイルを塗ってあげたからな。次はフィロテスに塗ってあげないと!
「わかった……トワ行こ」
「はい、カレン様。ご主人様……それでは行ってきやす」
「ああ、楽しんでおいで。あとで一緒にボートに乗ろうな」
俺は白のビキニに腰に花と蔦の刺繍の入ったパレオを巻いているカレンと、同じく水色のビキニに雲のような白い刺繍の入ったトワに手を振って送り出した。
二人ともパレオの下はTバックだ。当然隣にいるフィロテスも黒のビキニにTバックだ。もちろん帽子は被っていない。グレーの長い髪を下ろし、長い耳を真横に伸ばしている。
帽子を被っていないのは、フィロテスがエルサリオンのダークエルフだということを小長谷を始めEC中隊と後方支援部隊の皆は知っているからだ。そりゃEアーマーに乗って訓練を手伝っていたしな。
訓練前の顔合わせした際に、フィロテスが地下世界の住人だと伝えた時の皆の反応は凄かったな。中隊や後方支援部隊の人たちからは、日本を救ってくれてありがとうございますと尊敬の目で見られていたよ。確かに第一次侵攻の時にエルサリオンが助けてくれなかったら、日本は滅んでいたかもしれないからな。
「ワ、ワタルさん。私は一人でオイルを塗れますので、気にせずカレンさんたちと一緒に遊んできてください」
「いやいや、背中とか塗り残しがあったら大変だからさ。俺もフィロテスと二人っきりで話したいし」
「あ……はい……私も……」
「そっか、なら早く行こう! 」
俺はパレオを巻いて恥ずかしそうしているフィロテスの腰に手を回し、一番遠いパラソルのところへと歩き出した。
そしてパラソルの下のビーチチェアにフィロテスをうつ伏せに寝かせ、水着のトップを外して押し潰されている大きな横乳を眺めながらその褐色の肌にオイルを塗っていった。
ドサクサに横乳にもオイルを揉むように塗り、その度にビーチチェアに恥ずかしそうに顔を埋めるフィロテスの横顔を見て興奮していた。
「さて、こんなもんかな。フィロテス。次はパレオをめくってお尻も塗るからな? もしも水着がズレたりして焼けちゃったら大変だからさ」
フィロテスの背中と横乳にオイルを塗り終えた俺は、次に黒に白い蔦の模様の入ったパレオをめくった。そしてそこに現れた、Tバックの水着からはみ出ている大きなお尻にオイルを塗りたぐった。
「あっ……恥ずかしい……わ、ワタルさんそこは……んんっ……」
「あ~柔らかくて最高だ。フィロテス……お尻もとても綺麗だよ」
「そ、そんな……綺麗だなんて……嬉しい……です」
俺は頬を染めながら振り向くフィロテスに見せつけるように、お尻をから内腿へと手を這わせ大事な部分の周囲を念入りに塗っていった。
「んっ……ワ、ワタルさん……もう塗れてま……すから……」
「ああ、ごめん。ちょっと太ももばかり塗りすぎたかな。さて、これくらいでいいかな」
確かにもう濡れてたな。ちょっと執拗に触りすぎたかも。
俺はいつまでも触っていたかったが手を止め、パレオを元に戻しフィロテスの水着のブラを結んであげた。
するとフィロテスはビーチチェアから起き上がり、両手で胸を隠すようにして恥ずかしそうに視線を下に向けていた。
「あ、ありがとうございます。でも恥ずかしかったです」
「ハハハ、地上では男が好きな女の子にオイルを塗ってあげるもんなんだよ」
「す、好きな女の子……ワ、ワタルさんは私のことをその……好きなのです……か? 」
「ああ好きだよ。フィロテスの真面目なところも、少女のように可愛い物が好きなところも。その綺麗な顔も美しいスタイルも全部ね」
真面目で正義感が強く、王女相手でも一歩も退かない凛々しさと美しさを持っているのに、ぬいぐるみが大好きな女の子っていうギャップが堪んないんだよな。なにより男慣れしてないウブなとこなんか最高だろ。
アルガルータのダークエルフもいい女がいっぱいいたけど、このギャップを持っている子はいなかった。なにより大きいのは、フィロテスはカレンを差別しない。こんな子を好きにならないやつとかいる? ダークエルフの男は馬鹿だろ。
「あ……そ、そんな……私なんて……でも嬉しいです……私も……私もワタルさんが好き……です。強くて優しくて……たとえ国家が相手でも好きな女性を、カレンさんを守ろうとしたワタルさんがとても素敵で……私もカレンさんのように愛されたいって思えて……」
「俺はフィロテスもカレンと同じように守るよ。たとえアガルタが相手でもね」
「ワタルさん……嬉しいです。その……実はオーストラリアにいる時に、カレンさんにワタルさんのことが好きなのか聞かれたんです。その時に私は正直にワタルさんが好きだと答えたんです。そしたらカレンさんは強くなればいいと言ってくれて……ワタルさんのことが好きなら、せめて自分の身は自分で守れるようになってって」
「オーストラリアの時に? そんなことがあったのか……」
夜に二人で散歩に行くと言ってた時かな? そんな話をしてたのか。しかし強くなればって、まあカレンらしいな。
「私は強くなります。カレンさんに認めてもらえるように。だからその時はワタルさんの……こ、恋人にしてください」
「当然だよ! すぐ強くするから! あーインセクトイド来ねえかな! レベル5や6の大群が来たら最高なんだけどな! あっ! 月に行けばいいのか! よしっ! バカンスが終わったら月に行こう! 速攻でアガルタ最強の戦士にするから! そしたらカレンに気兼ねなくいっぱい愛し合おう! 」
俺はフィロテスの言葉を聞いて彼女の両手を取り、月へ行こうと誘った。
「え? つ、月にですか!? それはさすがに国の許可が……ワタルさんもさすがに生身では無理ですし色々と装備を用意しないと……」
「ドワーフに作らせよう! 鎧みたいなタイプのを作らせればいいさ。確か巨人族がそういったパワードスーツを着て戦ってるんだろ? 」
巨人族は3mから5mの身長があり巨体なので、エルフのような搭乗型のパワードスーツを作るとコストが高くなる。だから鎧みたいな装甲を身につけ、背中にアルミナスドライヴやスラスターを装備して戦っているらしい。それなら俺も同じ鎧型のパワードスーツにすれば、地上と同じように戦えるはずだ。スラスターとかアルミナスドライヴとかは!飛翔の魔法があるからいらないしな。
「は、はい……巨人族は確かにそうですけど本気ですか? 」
「当然だろ? フィロテスを恋人にするためならなんだってやるさ! 」
やっとハーレムが作れるんだ。ここで無理しなくていつ無理するんだ? 今だろ!
「そ、そこまでして私のことを……ワタルさん……好きです」
「俺もさ。だからカレンにとっとと認めさせて愛し合おう」
俺はフィロテスの手を離し、彼女の腰を抱いて唇を合わせた。
「あっ、んっ……はい」
「フィロテス……ちょっとだけ愛し合おうか? ちょっとだけだから、な? 」
俺はフィロテスから唇を離し、彼女の水着の中に手を忍ばせてその大きな乳を揉み再びキスをした。
「んっ……あ……こ、こんなところで……んふっ……あっ……下は……だ……め」
「ご主人様何してるでやすか? 」
「うおっ!? ト、トワ! 」
俺がフィロテスと舌を絡めつつ、胸を揉みながらフィロテスの大事な部分に手を入れたところで突然背後からトワの声が聞こえた。
俺はビックリしてフィロテスから離れ、トワへと振り向いた。
「そんなに大きくして……昨夜あんなに抜いたのにずいぶん元気でやすね」
「あっ、いやこれはフィロテスが魅力的だから……」
「ワタルさん……」
「とんでもねえ性人でやすね。インストールされている獣王の性欲なみでやす。今後ご主人様は性獣と記録しておきやす」
「おいっ! 俺を獣王なんかと一緒にするんじゃねえよ! 俺には愛があるんだよ! 」
アガルタの獣王がどんなのか知らないけど、どうせアルガルータの獣王と同じく女を性欲のはけ口としか思ってないに違いない。そんなのと一緒にされるのは心外だ。
「それですと私に対しても愛があるように聞こえやすが? 」
「まあ口は悪いがトワの献身には感謝しているし、気に入ってるからな」
「……カレン様がお呼びです。早くビーチボールをするでやす」
トワはそう言って背を向けて去っていった。
おいおい、トワのやつどうしたんだ? もしかして照れてるとか? いや、それはないか。ツンデレないだしな。
「ワタルさん行きましょう。カレンさんが待っているみたいですし」
「あ、うん……行こうか……」
俺はビーチチェアから立ち上がったフィロテスと手を繋ぎ、カレンのいるところへと向かうのだった。
チッ……カレンにトワめ。いいところで邪魔しやがって。
まあいいさ、バカンスもまだ初日だ。まだまだチャンスはあるさ。焦らない焦らない。俺のハーレムはもう目の前だ。
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