137 / 146
06章『喧騒下のアブダクテッドな天使様』〈結〉
06章-16
しおりを挟む
***06-16-09
気がつくと、そこは部屋の中だった。
柔らかい色調のピンクや茶色で統一された部屋とベッド。
その中で異様な存在感を醸し出す大きな本棚とギッシリと積まれた黒い背表紙の本の数々。
ここは……
「どうしたの? アッシュ。急に黙り込んで?」
傍の椅子に座っていたのはレイチェルだった。
そうだ、ここはレイチェルの部屋だ。もう滅多に来なくなったから来たのは数年ぶりになるが、雰囲気はほとんど変わってない。
「どうしたのよ、本当に。私の淹れた紅茶に何か入ってたっていうんじゃないでしょーね……」
ジト目でこちらを見るレイチェルの手元にはティーカップがあった。俺のテーブルの前にも。
どうやら、俺はレイチェルの部屋でお茶をしていたらしい。
時刻は20時に差し掛かろうとしていた。
こんな夜遅くに、なぜ?
「あーあ、折角のお祭りだったのに、残念だったわね。て、アッシュは人混みじゃない方でむしろ良かった、みたいな感じだったけどー」
やはり半眼で睨まれる。何が起こったのだ。
いや、その前に。
俺は、成功したのか? 過去は変えれたのか? リアンは!?
「でも、ミリーも泣いてたけどリアンちゃんが無事で良かったわ」
リアンは……無事だったのか……。俺は……やったのか!
「ちょ、ちょっとアッシュまで急に涙ぐんで……どうしたのよ、今更……」
慌てるレイチェルから大体の経過を確認することが出来た。
⭐︎⭐︎⭐︎
気がつくと、そこは部屋の中だった。
柔らかい色調のピンクや茶色で統一された部屋とベッド。
その中で異様な存在感を醸し出す大きな本棚とギッシリと積まれた黒い背表紙の本の数々。
ここは……
「どうしたの? アッシュ。急に黙り込んで?」
傍の椅子に座っていたのはレイチェルだった。
そうだ、ここはレイチェルの部屋だ。もう滅多に来なくなったから来たのは数年ぶりになるが、雰囲気はほとんど変わってない。
「どうしたのよ、本当に。私の淹れた紅茶に何か入ってたっていうんじゃないでしょーね……」
ジト目でこちらを見るレイチェルの手元にはティーカップがあった。俺のテーブルの前にも。
どうやら、俺はレイチェルの部屋でお茶をしていたらしい。
時刻は20時に差し掛かろうとしていた。
こんな夜遅くに、なぜ?
「あーあ、折角のお祭りだったのに、残念だったわね。て、アッシュは人混みじゃない方でむしろ良かった、みたいな感じだったけどー」
やはり半眼で睨まれる。何が起こったのだ。
いや、その前に。
俺は、成功したのか? 過去は変えれたのか? リアンは!?
「でも、ミリーも泣いてたけどリアンちゃんが無事で良かったわ」
リアンは……無事だったのか……。俺は……やったのか!
「ちょ、ちょっとアッシュまで急に涙ぐんで……どうしたのよ、今更……」
慌てるレイチェルから大体の経過を確認することが出来た。
⭐︎⭐︎⭐︎
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
3点スキルと食事転生。食いしん坊の幸福無双。〜メシ作るために、貰ったスキル、完全に戦闘狂向き〜
西園寺わかば🌱
ファンタジー
伯爵家の当主と側室の子であるリアムは転生者である。
転生した時に、目立たないから大丈夫と貰ったスキルが、転生して直後、ひょんなことから1番知られてはいけない人にバレてしまう。
- 週間最高ランキング:総合297位
- ゲス要素があります。
- この話はフィクションです。
月が導く異世界道中
あずみ 圭
ファンタジー
月読尊とある女神の手によって癖のある異世界に送られた高校生、深澄真。
真は商売をしながら少しずつ世界を見聞していく。
彼の他に召喚された二人の勇者、竜や亜人、そしてヒューマンと魔族の戦争、次々に真は事件に関わっていく。
これはそんな真と、彼を慕う(基本人外の)者達の異世界道中物語。
漫遊編始めました。
外伝的何かとして「月が導く異世界道中extra」も投稿しています。
侯爵令嬢に転生したからには、何がなんでも生き抜きたいと思います!
珂里
ファンタジー
侯爵令嬢に生まれた私。
3歳のある日、湖で溺れて前世の記憶を思い出す。
高校に入学した翌日、川で溺れていた子供を助けようとして逆に私が溺れてしまった。
これからハッピーライフを満喫しようと思っていたのに!!
転生したからには、2度目の人生何がなんでも生き抜いて、楽しみたいと思います!!!
冤罪で断罪されたら、魔王の娘に生まれ変わりました〜今度はやりたい放題します
みおな
ファンタジー
王国の公爵令嬢として、王太子殿下の婚約者として、私なりに頑張っていたつもりでした。
それなのに、聖女とやらに公爵令嬢の座も婚約者の座も奪われて、冤罪で処刑されました。
死んだはずの私が目覚めたのは・・・

プラス的 異世界の過ごし方
seo
ファンタジー
日本で普通に働いていたわたしは、気がつくと異世界のもうすぐ5歳の幼女だった。田舎の山小屋みたいなところに引っ越してきた。そこがおさめる領地らしい。伯爵令嬢らしいのだが、わたしの多少の知識で知る貴族とはかなり違う。あれ、ひょっとして、うちって貧乏なの? まあ、家族が仲良しみたいだし、楽しければいっか。
呑気で細かいことは気にしない、めんどくさがりズボラ女子が、神様から授けられるギフト「+」に助けられながら、楽しんで生活していきます。
乙女ゲーの脇役家族ということには気づかずに……。
#不定期更新 #物語の進み具合のんびり
#カクヨムさんでも掲載しています
とあるおっさんのVRMMO活動記
椎名ほわほわ
ファンタジー
VRMMORPGが普及した世界。
念のため申し上げますが戦闘も生産もあります。
戦闘は生々しい表現も含みます。
のんびりする時もあるし、えぐい戦闘もあります。
また一話一話が3000文字ぐらいの日記帳ぐらいの分量であり
一人の冒険者の一日の活動記録を覗く、ぐらいの感覚が
お好みではない場合は読まれないほうがよろしいと思われます。
また、このお話の舞台となっているVRMMOはクリアする事や
無双する事が目的ではなく、冒険し生きていくもう1つの人生が
テーマとなっているVRMMOですので、極端に戦闘続きという
事もございません。
また、転生物やデスゲームなどに変化することもございませんので、そのようなお話がお好みの方は読まれないほうが良いと思われます。

現代にモンスターが湧きましたが、予めレベル上げしていたので無双しますね。
えぬおー
ファンタジー
なんの取り柄もないおっさんが偶然拾ったネックレスのおかげで無双しちゃう
平 信之は、会社内で「MOBゆき」と陰口を言われるくらい取り柄もない窓際社員。人生はなんて面白くないのだろうと嘆いて帰路に着いている中、信之は異常な輝きを放つネックレスを拾う。そのネックレスは、経験値の間に行くことが出来る特殊なネックレスだった。
経験値の間に行けるようになった信之はどんどんレベルを上げ、無双し、知名度を上げていく。
もう、MOBゆきとは呼ばせないっ!!
異世界ソロ暮らし 田舎の家ごと山奥に転生したので、自由気ままなスローライフ始めました。
長尾 隆生
ファンタジー
【書籍情報】書籍3巻発売中ですのでよろしくお願いします。
女神様の手違いにより現世の輪廻転生から外され異世界に転生させられた田中拓海。
お詫びに貰った生産型スキル『緑の手』と『野菜の種』で異世界スローライフを目指したが、お腹が空いて、なにげなく食べた『種』の力によって女神様も予想しなかった力を知らずに手に入れてしまう。
のんびりスローライフを目指していた拓海だったが、『その地には居るはずがない魔物』に襲われた少女を助けた事でその計画の歯車は狂っていく。
ドワーフ、エルフ、獣人、人間族……そして竜族。
拓海は立ちはだかるその壁を拳一つでぶち壊し、理想のスローライフを目指すのだった。
中二心溢れる剣と魔法の世界で、徒手空拳のみで戦う男の成り上がりファンタジー開幕。
旧題:チートの種~知らない間に異世界最強になってスローライフ~
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる