『刻の輪廻で君を守る』

ぜのん

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06章『喧騒下のアブダクテッドな天使様』〈結〉

06章-06

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***06-06-09


「ボス! 大丈夫!?」

 リアンがこちらに駆け寄ろうとした瞬間だった。その小さな身体が宙を舞う。

 ——ここが13:30だったのか!?



 スローモーションの様にリアンが空高く飛ばされる中、俺は『今』を把握する。



 横から曲剣で切り掛かった黒マントをメリケンサックで受け止め、そのままぶっ飛ばすバル。

 そして、咄嗟にミリーを自身の背後に隠し守ろうとするレイチェル。

 宙に浮くリアンを受け取ろうと手を伸ばすピエロ。

 レイチェル達に襲い掛かろうとするもう一人の黒マント。

 ——これが全て。そして俺の右腕の傷は消えていた。



 『刻戻り』の際に一つ、懸念していたことがある。

 それは、『刻戻り』をした時に過去の『俺』がその場にいた時はどうなるのか、だった。もし過去の『俺』と『刻戻り』した『俺』がどちらも存在したならば。

 過去の『俺』は『刻戻り』の存在を知っているので直ぐに理解するだろうが、他の者の混乱をまず抑えなければならない。でなければ、次の策に移れないのだから。

 が、これに関しては不要な対策だったらしい。

 『刻戻り』した時点で、過去の『俺』は同時に存在しなくなっていた。



 であるのならば、

⭐︎⭐︎⭐︎
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