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04章『喧騒下のアブダクテッドな天使様』〈承〉
04章-06
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***04-06-07
ミリーを乗せた辻馬車が走っていくのを見守って、俺はレイチェルに言う。
「レイチェル、すまないが手伝って欲しい」
「……はぁ、もう。こんな時くらいそんな改まらずに私を頼ってよ、本当」
……なんで、ちゃんと丁寧に頼んだはずなのに呆れられるんだ。わからん。
ミリーには、念の為、憲兵が1名、一緒について家まで連れ帰ってくれる事となった。
ミリー自身は俺たちが一緒に帰らないことに不安げな表情も浮かべたが、直後、
『うん、リアンちゃんをお願いするね』
と、俺たちに全てを託すのだった。
ボボォーー!
遠くで汽笛がこだまする。
「それで……手伝うけど、私は何を手伝えばいいのかしら?」
そう、これから俺がすること——俺が出来ることは。
リアンの捜索自体は全憲兵隊が動いている。……恐らくだが、先に姿を消したバルも心当たりを探しているのだろう。
俺もそれに加わる、という手もあるのだが、俺には何も手がかりがない。
会ったばかりのリアンに関しても、肝心のヤツ——道化(ピエロ)に関しても。
例の黒マント達は憲兵達が確保しているが、そこからの情報もこちらにはないとなると、闇雲に探し回ってもただの時間の無駄になる。
それならば、
「そうだな。まずは現場の再確認だ。——うッ」
「……ちょっと、無理しないでよ! アッシュ、今は全然、体力無いんだから。ほんと、無茶ばっかり……」
歩き出そうとした瞬間、ふらついた俺をレイチェルが支えてくれる。
女性に、それも妹分に支えられる情けない状況だが、そんなことは今は言ってられない。
「……もう。いいから私の肩を借りなさい。ね?」
「……すまん」
恥も外聞もなく、レイチェルに肩を貸してもらいつつ目的の場所に向かう。
そしていつもの癖で時間を確認する。
時刻は懐中時計で16:10。
⭐︎⭐︎⭐︎
ミリーを乗せた辻馬車が走っていくのを見守って、俺はレイチェルに言う。
「レイチェル、すまないが手伝って欲しい」
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と、俺たちに全てを託すのだった。
ボボォーー!
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「……もう。いいから私の肩を借りなさい。ね?」
「……すまん」
恥も外聞もなく、レイチェルに肩を貸してもらいつつ目的の場所に向かう。
そしていつもの癖で時間を確認する。
時刻は懐中時計で16:10。
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