『刻の輪廻で君を守る』

ぜのん

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間奏 00章『先んじるビタースウィートな初恋』

00章-10

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***00-10-07

 ここにいて、アシュ兄ちゃんが来てくれるのを待つんだ。

 そんな都合の良い期待を持ちながらジッと待つ。

 と、遠くでゴロゴロと雷の鳴る音がした。


 ——光った。


 数瞬、遅れて、
 ドーーンという雷の音がすると共に、


 ザザザザザー


 急に大雨が降り始めた。

 大丈夫。小屋に居て良かった。大雨でもやり過ごせる。

 と、安堵したが、それは間違いだった。


 ザザザザザー


 天井から滝のように雨が室内にまで垂れ落ちる。

 なんでなんで!?

 あっという間に私はずぶ濡れになってしまった。

 嫌だ嫌だ嫌だ……

 もう、どうしたら……アシュ兄ちゃん……

「……アシュ兄ちゃん」

 無理だ。アシュ兄ちゃんはエルム草原にいる。私がそうしたんだ。

 でも、私は、

「嫌だよ、来てよアシュ兄ちゃん! アシュ兄ちゃんー!」



「ごめん、遅くなった」

⭐︎⭐︎⭐︎
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