『刻の輪廻で君を守る』

ぜのん

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間奏 00章『先んじるビタースウィートな初恋』

00章-07

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***00-07-07

 なのに、アシュ兄ちゃんは私の案に渋い顔を見せていた。

 もう、それだったら……

「わかったわよ。そしたら、アシュ兄ちゃんはそのまま街道沿いにエルム草原を目指して」

「え? それはどういう……」

「私は、このままヘルべの森を突っ切ってエルム草原に向かうわ。どっちが早いか競争よ!」

「バラバラになるのは、余計に危険だよ。レイチェル。それならまだ一緒に行く方が……」

「大丈夫! ちゃんと地図もあるし。心配しないで」

「ダメだ! レイチェル一人だなんて危険すぎる」

「もう! アシュ兄ちゃんは心配し過ぎなの。私も地図が読めたり色んなことが出来るようになったのよ。いつまでも幼い子扱いしないでよ!」

「…………」

 ちょっと言い過ぎたかもしれない。

 でも……私のことも、私が出来るってことも、アシュ兄ちゃんには見て欲しいし、知って欲しい。

 アシュ兄ちゃんは、それでも何とか私を納得させようとしたけれど、私がゴネ倒したら、本っ当に渋々、納得してくれたみたいだった。

⭐︎⭐︎⭐︎
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