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間奏 00章『先んじるビタースウィートな初恋』
00章-06
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***00-06-07
町を出て、少し行くと街道の分岐点に来た。
地図では、このまま右手にぐるっと回り込む形で行けば、その先にエルム草原に着くみたい。
でも、このまま真っ直ぐ行けば……
「ねぇ、このまま森の中を突っ切って行けば、そっちの方がエルム草原に着くのは早いんじゃないかしら」
手元の地図には街道だけじゃなく、ヘルベの森の中の道も、細かく書かれている。
その道を辿れば、街道をぐるっと回るより真っ直ぐエルム草原に着けるはずだった。
「森の中の道は街道とは違う。道の分岐だって、こうやって案内の看板が出てるわけじゃないんだよ、レイチェル」
「看板が無くたって、ここに地図があるじゃない。大丈夫よ」
「森の中には色んな動物や虫もいたりする。危険があるかもしれない」
「あら、ヘルべの森は木こりのゴロー爺が居てるじゃない。何かあればゴロー爺の山小屋に行けばいいのよ」
「ゴロー爺、今年はヘルべの森に行くって聞いてないけど……」
「毎年、夏には行ってるんだから今年も行ってるに決まってるじゃない」
近所の木こりのゴロー爺は毎年、夏から秋にかけてを森の中で過ごして、薪や木材を切ってきて、そして冬から春にかけては、町のお家に帰ってきては、私たちに森の色んなお話を聞かせてくれた。
なので、今年も山小屋でお仕事をしているはず。
⭐︎⭐︎⭐︎
町を出て、少し行くと街道の分岐点に来た。
地図では、このまま右手にぐるっと回り込む形で行けば、その先にエルム草原に着くみたい。
でも、このまま真っ直ぐ行けば……
「ねぇ、このまま森の中を突っ切って行けば、そっちの方がエルム草原に着くのは早いんじゃないかしら」
手元の地図には街道だけじゃなく、ヘルベの森の中の道も、細かく書かれている。
その道を辿れば、街道をぐるっと回るより真っ直ぐエルム草原に着けるはずだった。
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「看板が無くたって、ここに地図があるじゃない。大丈夫よ」
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「毎年、夏には行ってるんだから今年も行ってるに決まってるじゃない」
近所の木こりのゴロー爺は毎年、夏から秋にかけてを森の中で過ごして、薪や木材を切ってきて、そして冬から春にかけては、町のお家に帰ってきては、私たちに森の色んなお話を聞かせてくれた。
なので、今年も山小屋でお仕事をしているはず。
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