『刻の輪廻で君を守る』

ぜのん

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間奏 00章『先んじるビタースウィートな初恋』

00章-02

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***00-02-07

 これは……彼の悪い癖だ。

 どれだけ、それが大変で苦しいことでも私たち、特に私には決して見せない。

 兄として、私たちを守ろうとする。

 たとえ、私自身がそれを望んで無いとしても。

 彼に追いつきたくて、その横に並びたくて私は必死に頑張った。

 頑張って勉強し、飛び級を繰り返し……いつの間にか、2個上の彼自身の学年も飛び越えてこの春、史上初の女性判事になった。

 ここまで来たのに、一番褒めて欲しい認めてほしい人は、まだ私に心を開いてくれない。

 いつまで私は『守られる大事な妹』なのだろう。

 いつ、私はその位置から抜け出して、彼に、対等に……1人の女性として、見てもらえるのだろうか。

 この想いは、ずっと私の中で澱のように溜まり続け、決して吐き出すことはない。

 そう、そもそもの始まりは10年前に遡る。




 あの頃は、まだミリーが1歳でちょうど、お庭で歩き始めた頃だった。

⭐︎⭐︎⭐︎
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