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03章『喧騒下のアブダクテッドな天使様』〈起〉
03章-19
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***03-19-11
「ああ、次のショーの為に、人が居ない所で練習してたんですよ。こんな風に、ね」
と、突然、何も無い宙から風船が飛び出す。
「はい、どうぞ」
「ありがとー、ピエロさん」
リアンが思わず駆け寄って風船を受け取ろうとした瞬間だった。
「ダメよ! バル君!」
「リアン!」
突如、空から黒い影が2つ降ってきた。
いや、黒マントで全身を覆った男達が、屋根から飛び降りてきた。
バルがすかさず、巨体とは思えない速さでピエロに迫る。
が、バルの横から黒マントが手にした曲剣を振り下ろす。
ガキンッ!
金属同士の硬い音が響き渡る。と同時に地面に吹き飛ぶ黒マント。
「ボス! 大丈夫!?」
振り向いたリアンが駆け出そうとした瞬間。
信じられないことが起きた。
「え!?」
リアンの小さな身体が突然、空に浮かんだのだ!
そして、高く、弧を描くように空中へと投げ出される。
そして、ピエロがリアンを抱き抱える瞬間、全てがスローモーションに見えた
『彼等は幼い少女達を狙っている……』
脳裏を先程のユリウスの声が蘇る。
『くれぐれも目を離さないように……』
今、リアンは……『離さないように』、と言われた彼女は————奴らの手の中に……
⭐︎⭐︎⭐︎
「ああ、次のショーの為に、人が居ない所で練習してたんですよ。こんな風に、ね」
と、突然、何も無い宙から風船が飛び出す。
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ガキンッ!
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「ボス! 大丈夫!?」
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そして、高く、弧を描くように空中へと投げ出される。
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『彼等は幼い少女達を狙っている……』
脳裏を先程のユリウスの声が蘇る。
『くれぐれも目を離さないように……』
今、リアンは……『離さないように』、と言われた彼女は————奴らの手の中に……
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ありがとうございます(●´ω`●)
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