『刻の輪廻で君を守る』

ぜのん

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03章『喧騒下のアブダクテッドな天使様』〈起〉

03章-12

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***03-12-12

「もう! ボス、じゃない、お兄ちゃん達! 今度はあっちでやるっていうパレード、見に行こうよぉ!」
「リアンちゃん、ミリーも一緒に行きたいけど、いいかなぁ?」
「うん! 一緒に行こ、ミリーちゃん!」

 待て待て待て、そんな勝手に動くなよ……

「……これは諦めてついて行くしかないのだなー、アシュ氏。僕はもう諦めたのだよー」
「はいはい、2人とも、せっかくのお祭りなんだから、もっと楽しい顔してあげなさいな! ほんとにもうダメなんだから」

 そうは言ってもだな……

 ここから港へ向かう大通りで、ダンサー達のパレードがあるとのことだが、その予定コースには見学待ちの大群衆。

 その間を縫って、パレードを側で鑑賞しに行こうとしている我らが妹分達。

 俺やバルがあそこまで到達するのにかかるエネルギーは……

「もう、つべこべ言わない! 2人を追いかけるの!」

 ぶつぶつ文句を言いながら、俺とバルは2人を追いかけ、押し合いへし合いしつつも何とかスペースを確保する。

⭐︎⭐︎⭐︎
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