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03章『喧騒下のアブダクテッドな天使様』〈起〉
03章-03
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***03-03-11
曰く、この港に訪れた初代ガイウスと人々の前に幼い聖天使達が舞い降り、この地にその身を捧げることで港に繁栄をもたらした、と。
それがこのクロノクル市の伝承なのだと。
「流石に20年もここに住んでて知らないなんて呆れるわ。ほら、あの時計塔の下、見なさい」
大広場の北端にそびえ立つ例の時計塔を指し示す。確かに時計塔の真下、そこには天使像があった。
——『聖天使オフィエル、ここに眠る』
5人ほどのまだ少年少女の様相をした天使達があどけない笑顔を浮かべて天を仰ぎ見ている。
像の前の石板にも同じ伝承が彫られていた。
「今はもう剥げ落ちてしまって分からないけど、あの天使様達も銀髪に黄金眼だったって話よ」
「有名だよねー。ミリーも知ってるよ?」
2人の中では俺はよっぽどの物知らずになってるらしい。
……が、言い返せないのが実情……。何せ時計塔の真下にこんな像があるなんて知らなかったしな。
⭐︎⭐︎⭐︎
曰く、この港に訪れた初代ガイウスと人々の前に幼い聖天使達が舞い降り、この地にその身を捧げることで港に繁栄をもたらした、と。
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……が、言い返せないのが実情……。何せ時計塔の真下にこんな像があるなんて知らなかったしな。
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