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03章『喧騒下のアブダクテッドな天使様』〈起〉
03章-02
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***03-02-11
「ダ・メ・よ! 5年ぶりにお祭りに来てくれたんだから、今年はちゃーんと私達に付き合ってもらうからね」
日頃の鬱憤を晴らすかのように、レイチェルはニヤニヤと笑みを浮かべる。
そんなレイチェルは、いつもの黒い法服ではなく、薄い秋桜色のワンピースに薄手のストールを羽織り、何故かいつもの度の無いモノクルを左眼にかけている。
片方のミリーも、茶色のベレー帽に白のブラウスと薄青色のスカートを合わせて二つ括りのおさげに黄色のリボンをするなど、普段と違った装いをしている。
「お祭りなのに仕事着で来てるなんてアッシュぐらいでしょーに」
ぐぬぬ……
「そいや、今、『聖天使オフィエル祭』って言ってたけど?」
「……呆れた。祭りの正式名すら知らなかったのね、アッシュは」
ミリーが露店で、恐らくはカナリアの餌であろうキビやアワの種子の詰合せを買ってるのを見守りながら、レイチェルが説明してくれる。
⭐︎⭐︎⭐︎
「ダ・メ・よ! 5年ぶりにお祭りに来てくれたんだから、今年はちゃーんと私達に付き合ってもらうからね」
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