『刻の輪廻で君を守る』

ぜのん

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01章 『始まりはフラジャイルな金糸雀』

01章-26

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***01-26-19

 ふと、気がつくとそこは再び馬車の中だった。

 夕日も、もう落ち掛けており辺りは薄暗い中、ランタンを灯した馬車は、クロノクル市の郊外へと進んでいく。

 隣では、レイチェルとミリーが楽しげに会話していた。

「そうなんだ、ミリー。カナリアを飼い始めたの?」

「うん、そうなの。すっごく可愛く鳴くんだよー。またレイチェルお姉ちゃんも見に来てよ。あ、アシュレイお兄ちゃんも一緒に」

「て、お誘いされてるわよアッシュ。そんなにボーッとしてどうしたの? 司書の仕事は何もなくて楽ー、てさっき言ってたのに。……それとも、私の探し物に付き合わせちゃったのが疲れちゃった?」

 ちょっと申し訳なさそうに、こちらをうかがうレイチェルに、苦笑を返して応える。


⭐︎⭐︎⭐︎
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