『刻の輪廻で君を守る』

ぜのん

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01章 『始まりはフラジャイルな金糸雀』

01章-20

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***01-20-20

「どうしたの? 変なアシュレイお兄ちゃん(笑) お母さん、買い物に行ってて留守だから、ミリーがお茶を出してくるね」

「あ、おい。ミリー、実は……」



『お前の飼っているカナリアが、野良猫に襲われそうなんだ!』と言おうとしたのだが、何故かその後半の言葉は言葉にならなかった。

 舌が、何故か動かない。

 ミリーに伝えなければならないのに。なぜ……?

「どうしたの? 変なアシュレイお兄ちゃん。『実は』って、何なのかな? 取り敢えず、お茶しながら、また聞かせてくれるかな?」

 そう言って、ミリーは台所にお茶を取りに行ってしまった。

 傍目からすると、勝手知ったるとは言えアポ無しで突然訪れた来客に対して、本当にできた娘だよ。

 それは兎も角。


⭐︎⭐︎⭐︎
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